• サイトマップ
  • リンク
  • お問い合わせ
お問い合わせ

HOME > 診断と治療 > グリオーマ疾患について 目次 > グリオーマ疾患について3

グリオーマ疾患について

3) 5-ALAによる脳腫瘍細胞の見える化

5-アミノレブリン酸(5-ALA)には、正常な脳細胞には取り込まれず、腫瘍細胞にのみ取り込まれるという特性があります。
また、5-ALAを取り込んだ腫瘍細胞に、波長405nmの半導体レーザー光を照射して観察すると、腫瘍細胞が赤色蛍光を発するという特性もあります。
これらの特性を活用し術前に5-ALAを内服し手術中にレーザー光を照射することで、赤く発光している部分が腫瘍細胞だとわかるようになり、腫瘍細胞を摘出するための大きな助けとなっています。
2006年にStummerらが、造影領域を全摘出できた割合は5-ALAを使用した群で65%と5-ALAを使わなかった群の36%に対してと優位に高く、6か月後も腫瘍細胞の増大が認められなかったケースも5-ALA使用群で41%、不使用群で21%と優位に高いという論文を発表しました。(Lancet Oncol. 2006 May;7(5):392-401. Fluorescence-guided surgery with 5-aminolevulinic acid for resection of malignant glioma: a randomised controlled multicentre phase III trial.)
当院でも、5-ALAを用いた術中蛍光診断サポート下での腫瘍摘出術を積極的に施行しています。

figure
摘出した細胞に特殊な波長のレーザー光を照射。赤く輝いている部分が5-ALAを取り込んだ腫瘍細胞と考えられる。