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HOME > 診断と治療 > グリオーマ疾患について 目次 > グリオーマ疾患について5

グリオーマ疾患について

5) 腫瘍内の血管の成長を止めて腫瘍の増大を食い止めるベバシズマブ(アバスチン®)

ベバシズマブ(アバスチン®)はVEGF(腫瘍血管内皮細胞増殖因子)の働きを阻害することで、腫瘍内での新生血管の増殖を抑え、結果的に腫瘍の増大を抑制する抗がん剤で、分子標的薬とも言われています。
もともとは転移性結腸・直腸癌への分子標的薬でしたが、2013年に初発及び、再発悪性神経膠腫に対して薬事承認されました。
2014年にChinot氏らが、標準治療であるテモダール、放射線療法にベバシズマブを併用した群において、腫瘍の増大が認められなかった期間が10.6ヶ月と、併用しなかった群の6.2ヶ月に比べて有意な延長を認めたと報告されています。(N Engl J Med. 2014 Feb 20;370(8):709-22. Bevacizumab plus radiotherapy-temozolomide for newly diagnosed glioblastoma.)

ベバシズマブは主に悪性神経膠腫の再発時に用いますが、高齢者においては、初発時から投与を行うことも検討しています。

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ベバシズマブの併用によるPFS(腫瘍の増大が認められない期間)の延長を示すグラフ