1、飼育設備の特徴

   小動物から大型動物に至るまで飼育室における動物を取り巻く物理化学的環境は、温度湿度、換気、照明など常に一定の環境が保たれるようにコントロールされていますが、とりわけ特徴的であるのは、すべての飼育室において一方向気流方式の換気システムを用いていることです。

 小動物で言えば、飼育室の天井から給気されたフレッシュエアーは飼育ラック前面のプラスチック扉の小穴を通り、各々のケージ内を通過してラック背面のダクトから排気される仕組みで、大型動物等の飼育室も基本構造は同様です。

 [天井から給気] → [室内] → [ラック内] → [ケージ内] → [ラック後ろから排気ダクトへ]

 この方式によって、ケージ内に絶えず新鮮な空気が供給され、飼育室内の気流がラックへの一方向のため臭気も無く、乱気流が生じにくいので浮遊細菌などが拡散したり滞ったりすることが少ないと考えられます。

 給餌については固形飼料を不断給餌(動物種によっては制限給餌)し、給水は動物がいつでも水を飲めるように、それぞれに設置されたノズルから自動給水されます。

2、飼育設備の規模

 〔新館〕

 マウス・・・6室(1120ケージ)

 ラット・・・8室(928ケージ)

 Tgマウス・・・4室(648ケージ)

 免疫不全マウス・・・2室(242ケージ)

 感染マウス・・・3室(150ケージ)

 感染ラット・・・2室(48ケージ)

 代謝ラット・・・1室(60ケージ)

 モルモット・・・1室(92ケージ)

 ハムスター・スナネズミ・・・1室(135ケージ)

 ウサギ・・・8室(300ケージ)

 感染ウサギ・・・1室(9ケージ)

 イヌ・・・2室(56ケージ)

 ネコ・・・1室(16ケージ)

 サル・・・2室(8ケージ)

 ブタ・ヒツジ・・・1室(7ケージ)

 水棲動物・・・1室

 〔南館〕

 マウス・・・(1460ケージ)  ラット・・・(430ケージ)

 ウサギ・・・(104ケージ)  その他

3、実験室

 動物実験施設新館には、下記のように手術室等の様々な実験室があります。

 〈1階〉 中・大型動物用手術室2室(各々手術台2)、CT室、X線室

 〈3階〉 ウサギ用手術室(手術台1)、中央実験室

 〈4階〉 Tg実験室(マイクロインジェクター他)

 〈5階〉 小動物用手術室(手術台2)、代謝実験室(水冷式代謝ケージ12台)、感染実験室

 〈2〜6階〉 処置室(エーテル排気装置、体重計、マウス・ラット血圧計等)

 

手術室(1階)

 

4、最近導入した設備の紹介


マイクロインジェクター(4階 Tg実験室)

 



小動物用血圧測定器(4階処置室、5階処置室)

 


CT撮影装置(1階 CT室)