D-a カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)属

学術的分類
Bacteroidetes(科)>Flavobacteriia(綱)>Flavobacteriales(目)>Flavobacteriaceae(科)

概要
 特殊なグラム陰性短桿菌で、属名は、培養に二酸化炭素(capno)が必要であることに由来する。人獣共通感染症、特に、猫や犬などのペットからの感染症の原因菌としてよく知られている。最も代表的な菌種は、C. canimorsusである。canimorsusは、canis(dog、犬)とmorsus(bite、咬む)に由来する。

主な菌種

 これらの菌種のうち、C. canimorsusC. canisC. cynodegmiが主な原因菌で、犬や猫の口腔内から分離されやすい。ヒトの口腔内から分離される菌種もある。

細菌学的特徴
 β-ラクタマーゼを産生する菌株もいる。

臨床的特徴


検査
 培養が基本となるが、遺伝子検査も可能。発育は遅い(3〜7日)ので長めに培養する。微好気性であり、血液培養は好気・嫌気を2セットずつ行った方がよい。
 感染症法の届出対象疾ではないが、国立感染症研究所獣医科学部第一室への情報提供(03-5285-1111 内線2622)を推奨。


治療
 複数菌の感染も考えて治療薬を選択する。β-ラクタマーゼを産生する菌株もいため、ペニシリン系薬の場合には、β-ラクタマーゼ阻害薬配合のペニシリン系薬を選択する。
予防


参考となるサイト
厚生労働省「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症に関するQ&A(外部サイト)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/capnocytophaga.html

関連項目 人獣共通感染症
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2020年8月20日開設 2020年8月20日更新