真菌の糸状菌のように、菌糸状の発育をするのが特徴で、代表的な菌は、Actinomyces属とNocardia属であり、前者は嫌気性菌である。グラム染色では染まりにくいが、陽性菌に相当し、抗酸菌染色で染まる場合がある(特に後者)。培養に時間がかかり、培養ができない場合も多い。両者の形態は極めて類似しており、形態のみでの鑑別は難しいが、前者はペニシリン系に対する感受性が比較的良好であるのに対し、後者は複数の抗菌薬に耐性を示すことがあるため、両者の鑑別は治療上重要である。遭遇する機会の少ない細菌であるが、免疫不全者に呼吸器感染症や中枢神経感染症を起こすことがある。抗菌薬を産生する放線菌として、Streptomyces属も有名だが、病気を起こすことは極めて稀である。


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2020年3月26日開設 2020年8月14日更新