ILOHA253の補足資料

 梅毒トレポネマ以外のTreponema

 熱帯地域における慢性の非性病性スピロヘータ感染症であり、身体接触により伝播する。

Yaw: Treponema pallidum subsp. pertenue

 数週間の潜伏期に続いて、接種部位の赤い丘疹として始まり、増大してびらんおよび潰瘍を形成する(第1期イチゴ腫)。表面はイチゴに似ており、滲出液にはスピロヘータが大量に含まれる。局所リンパ節が腫大して圧痛を生じる。
 病変は治癒するが、数カ月から1年後に原発性病変に似た汎発性発疹が続発(第2期イチゴ腫)。病変は、しばしば腋窩部、皮膚のひだ、粘膜表面などの湿潤部位に発生し、治癒に時間がかかり、再発することがある。手掌や足底に角化病変が生じ、疼痛を伴う潰瘍(crab yaws)が形成されることもある。
 5〜10年後には、破壊性病変(第3期イチゴ腫[tertiary yaws])が生じることがあり、具体的には・骨膜炎(特に脛骨)上顎骨鼻部の増殖性外骨腫症(goundou)関節周囲の小結節ゴム腫様の皮膚病変最終的には、顔面を崩壊させる潰瘍が特に鼻の周囲に生じる(gangosa)

Endemic syphilis (Bejel): Treponema pallidum subsp. endemicum

 小児期に粘膜斑(通常は頬粘膜)として始まり、気づかれない場合や口角の口内炎として放置される場合がある。それらの無痛性病変は自然に消失することもあるが、通常はこれに続いて、体幹や四肢にイチゴ腫に類似した丘疹落屑性病変とびらんを伴う丘疹状病変が出現する。下肢骨の骨膜炎もよくみられる。その後、鼻および軟口蓋にゴム腫病変が出現する。

Pinta: Treponema carateum

 病変は真皮に限局する。接種部位の小丘疹として始まり、増大して角質増殖性となるが、それらは主に四肢、顔面、および頸部に発生する。3〜9カ月後、さらに肥厚して扁平化した病変(pintids)が全身のいたる所と骨隆起部に出現する。さらに後期になると、一部の病変が青みがかった濃灰色になるか脱色され、白斑のようになる。ピンタの病変を無治療で放置すると、典型的には持続する。
引用元
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