センター長挨拶

平成19年度文部科学省選定プログラム
「子育てとキャリアアップの両立をめざして:地域と連携した女性医師・看護師支援システムの構築」
-大阪市立大学医学部附属病院女性医師・看護師支援センターの取り組み-



文部科学省の平成19年度「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」として、当大学病院が申請した「子育てとキャリアアップの両立をめざして:地域と連携した女性医師・看護師支援システムの構築」が採択され、現在、本プロジェクトの推進に取り組んでおります。

女性医師や看護師が、その能力を生かして長期にわたって生き生きと働き続けるためには、「仕事」と「家庭や子育て」とのライフ・ワーク・バランスを保つことができるかどうか、すなわち「仕事の喜び・達成感」と「家庭や子育ての喜び・達成感」の両方を実感できる環境下で働くことができるかどうか、がきわめて大事なポイントとなります。また、勤務医不足が社会問題となっている現在、女性医師が離・退職することは、男性医師にとっての労働環境のさらなる悪化にも直結しますので、この「Vicious circle(悪循環)」を早急に断ち切って、医療現場の勤務医不足を解消するためにも、「女性医師が家庭や子育てを大切にしながら、そしてライフ・ワーク・バランスを保ちながら、仕事を続けキャリアアップをしていく」ことを支援する長期的な視野に立った女性医師の育成策がたいへん重要であると存じます。

私どもの大阪市立大学医学部附属病院では、以前より「カンナ保育所」という院内保育所が運営されてきており、私事にわたってたいへん恐縮ですが、私自身も約20年前にカンナ保育所にお世話になりながら、仕事と子育ての両方を継続することができました。従来から、母乳育児は栄養学的効用だけではなく、「安定した母子関係を続ける基盤作り」という点でも重要視されてきておりますが、院内保育所というシステムには、母乳育児をしながら仕事を継続することを可能にするというメリットがありますので、当プロジェクトでは、院内保育所のさらなる充実をはかるとともに、新たに病児保育室を開設することにより、子育て中の女性医師や看護師の不安感を軽減して、子育てとキャリアアップの両立を支援していきたいと考えております。

また、「短時間勤務・当直免除・残業免除」などの柔軟な勤務形態を新たに導入することにより、子育て中の女性医師や看護師が、より臨床現場に定着しやすい就労環境や就労システムを構築したいと思っております。

さらに、離・退職した女性医師・看護師が、臨床現場に復帰しやすいように、スキルスシミュレーションセンターでの種々の実技研修やe-ラーニングシステムを取り入れた復帰研修プログラムの提供を企画しております。

私どもはこれまで、「大阪市女性医師ネットワーク」を設立して多くの活動を続けてきておりますが、「大阪市女性医師ネットワーク」は、60代の女性医師から女子医学生までの「世代を超えた縦のつながり」と、「地域の数多くの病院勤務女性医師から成る横のつながり」をもっている点が特徴です。本プロジェクトでは、この「大阪市女性医師ネットワーク」の縦と横のつながりを最大限に活用して、大阪市立大学医学部附属病院が、地域と連携しながら、子育てとキャリアアップの両立ができるような女性医師・看護師の育成・支援システムを構築したいと考えております。

今後とも、皆様の温かい御支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

大阪市立大学医学部附属病院 女性医師・看護師支援センター長
上田 真喜子 
(大阪市立大学大学院医学研究科病理病態学 教授)
大阪市立大学医学部附属病院 女性医師・看護師支援センター
〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3 TEL:06-6645-3744 MAIL : cfdn@med.osaka-cu.ac.jp