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HOME > 講座一覧 > 老年医科学講座 > 癌分子病態制御学

癌分子病態制御学
- Molecular Oncology and Therapeutics

基本情報

学域名 老年医科学講座 癌分子病態制御学
(英語表記)Molecular Oncology and Therapeutics
代表者 顔写真
研究教授・准教授

八代 正和
- Masakazu Yashiro
場所 学舎 18階
連絡先 TEL:06-6645-3936
MAIL:m9312510@med.osaka-cu.ac.jp
ホームページ http://www.med.osaka-cu.ac.jp/molecularoncology/index.html link
ganbunshi.com link
概要 癌分子病態制御学講座は難治性癌を主たる研究対象にしています。医学発展により癌の治療成績が向上してきました。しかし、癌は本邦における死因の第1位であり、依然予後不良な「難治性の癌」が少なからず存在することも事実です。難治癌は増殖進展が速く高頻度に転移するため根治手術が困難であり、その治療成績向上には新しい治療法や診断法の開発が必要です。
われわれは、このような治療困難な癌の性質を研究することにより、その難治性の原因を分子生物学的レベルで解明し、その病態機序に立脚した分子標的治療を開発するトランスレーショナルリサーチ(基礎データーを臨床応用する研究)を行っています。具体的には、「難治性がん」のスキルス胃癌、膵癌、食道癌を主な対象として、研究プロジェクト①エキソソーム、②癌転移前病変、③分子標的治療、④リキッドバイオプシー、⑤オートファジー、⑥がんゲノム、⑦癌微小環境構築、などの研究などに取り組んでいます(下記詳細)。また、皮膚メラノーマ(悪性黒色腫)、髄膜腫、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)などの研究も開始しています。癌分子病態制御学講座は博士課程および修士課程の教育プログラムがあります。癌研究に興味ある学生の方は是非ご連絡下さい。 八代正和 研究教授 m9312510@med.osaka-cu.ac.jp

教育方針

学部教育

  • 消化管腫瘍の医学生講義(4回生):解剖学、消化管生理学、分子病理学的観点から消化管腫瘍の病態を説明し、その病態に基づく手術法や抗癌剤・分子標的治療を講義しています。

臨床教育(研修医の育成)

  • がんプロフェッショナル 養成コースの”ゲノム医療に対応する革新的腫瘍外科専門医コース”講義・実習を担当

研究指導

  • 現在までに、約50名の大学院生や研究医の学位指導を行っています。また、海外からは留学生2名をうけ入れ、研究や臨床の直接指導教育を行ってきました。博士課程および修士課程では、臨床へのフィードバックを常に念頭に置いた教育に力をいれています。基礎研究をどのように臨床に生かして解明していくか教育し常に患者を意識した研究姿勢を指導し、臨床に還元できるインパクトの高い研究業績を世界に発信する教育を行います。また、がんプロフェッショナル 腫瘍外科専門医養成コースの講義を担当し、がんプロフェッショナル医の育成に取り組んでいます。また、現在までに国内および海外の56機関と癌の増殖進展機序解明と新規治療薬開発を目的として共同研究を行っており、産学連携に基づく研究にも力を入れています。

研究について

私どもの教室は、基礎研究と実臨床に両方に従事している研究者が多く在籍しています。その臨床および研究の経験を生かして、臨床の問題を基礎研究へそして基礎研究成果を臨床治療に還元するTranslational Researchを特色とする教室です。根治切除が困難な難治癌の研究を発展させることが、癌の治療成績向上につながると考えており、現在の難治癌の病態解明と治療薬の開発をさらに発展させたいと思います。これらの実現に向けて、大学院生や研究生を積極的に受け入れ、種々の研究グループとも緊密な交流を図り臨床と基礎との橋渡しとなるトランスレーショナル研究を発展させたいと考えています。将来、他の専門診療科とも連携し癌領域の基礎研究から臨床開発までを包括し迅速に臨床に橋渡しする癌研究センターを構築したいと思います。また他の講座や企業との共同研究を推進し、腫瘍診断技術や治療薬の開発による特許申請など行っていきたいと思います。

教室を代表する業績

  • 1. 名称:スキルス性胃癌の治療剤、及び胃癌の予後の予測方法
    発明者:八代正和, 平川弘聖, 笠島裕明、日野雅之、中前博久、中根孝彦
    権利者:公立大学法人大阪市立大学、八代正和, 平川弘聖, 澤田鉄二
    種類:特願2015-099228
    整理番号:1356JP
    出願年月日:平成27年 5月14日
    国内外の別:国内特許
  • 2. 名称:プロスタグランジンD2合成酵素を利用した消化器癌治療剤.
    発明者:八代正和, 平川弘聖, 福岡達成
    種類:特願2013-268465
    番号:PCT/JP2007/59986
    出願年月日:2013年12月26日
    国内外の別:国内特許
  • 3. 名称:TGF-βシグナル阻害剤と抗腫瘍剤の組み合せ使用
    発明者:片岡一則:東京大学, 宮園浩平:東京大学, 狩野光伸:東京大学, 平川弘聖:大阪市立大学, 八代正和:大阪市立大学, 野出 學:京都薬科大学, Bae Younsoo:東京大学,西山伸宏:東京大学
    権利者:科学技術振興機構
    種類:国際特許
    番号:JP2006-317593 特願2006-24843、特願2006-24845
    出願年月日:2006 年8 月30 日
    国内外の別:国際特許
  • 4. 名称:プライマー、腫瘍マーカーおよび癌の検出方法
    発明者:八代正和, 平川弘聖, 澤田鉄二
    権利者:財団法人大阪産業振興機構、八代正和, 平川弘聖, 澤田鉄二
    種類:国際特許C12N 15/09
    番号:PCT/JP2007/59986
    出願年月日:2007 年5 月15 日
    国内外の別:国際特許
  • 5.名称:癌の罹患の有無の判別方法並びに癌の治療及び/又は予防のための医薬組成物
    発明者:間野博行(東京大学)、上野敏秀(東京大学)、崔永林(東京大学)、八代正和
    種類:特願2015-168169
    番号: P15-0166
    出願年月日:平成27年 8月27日
    国内外の別:国内特許

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

  • スキルス胃癌細胞の微小環境における骨髄由来細胞の関与
概要 癌組織は癌細胞とそれらを取り囲む多種類の間質細胞(線維芽細胞、血管構成細胞、免疫担当細胞)から構成されます。中でも線維芽細胞は癌の間質形成過程において動員される主な細胞ですが、癌間質内に動員された線維芽細胞は解剖学的、生物学的に明らかに正常線維芽細胞とは異なります。癌間質の線維芽細胞は骨髄由来の線維芽細胞が含まれていることが明らかとなりつつあります。現在われわれは、癌細胞の因子がどのようにして作用し、骨髄由来の細胞が癌間質形成に関与するのかについて研究を進めています。
  • 食道扁平上皮癌に対する化学療法の効果予測の検討
概要 食道癌は難治癌の一つとされています。術前・術後の化学療法により生存率や再発率が改善されてきました。しかしながら術前化学療法の過半数が無効で、化学療法施行前に効果を予測することが必要になります。われわれは、化学療法の効果予測の研究を行っています。化学療法前と後の食道癌組織を用いて奏功例と無効例を比較することで、抗癌剤効果を分子生物学的に予測する研究を行っています。具体的には、MSIやLOH、k-ras変異やp53変異、5FU代謝関連酵素(TS・DPD・TP)、アポトーシス関連蛋白 (Caspase3, BAX, Fasなど)、抗癌剤耐性蛋白(MDR1・MRP1)、ABC Transporter 発現などを検討しています。
  • 癌糖代謝研究グループ
概要 癌は好気的環境下においても乳酸を産生するというWarbrug効果が知られています。このWarbrug効果を営むのは癌細胞だけであり,Warbrug効果は癌細胞と正常細胞との間で最も異なる特徴のひとつとされています。われわれは、癌糖代謝経路に関与する分子のなかで癌の増殖進展に関与する代謝酵素はどれか?また,これらの酵素を標的とした治療が癌の増殖・抑制に有用であるのかについて研究を進めています。
  • 癌幹細胞オートファジー
概要 オートファジー(Autophagy)とは、主に飢餓状態により誘導される細胞内の分解システムの総称です。様々な生理的役割を担っており、がんの発生や腫瘍の進展、増殖との関連も報告されています。また、癌細胞には自己複製と多分化能をもち腫瘍形成や転移再発の根源となる細胞として、癌幹細胞の存在が推察されています。われわれは癌幹細胞におけるオートファジーや、その周囲微小環境におけるオートファジーを検討し、難治癌における治療標的分子の開発の研究を行っています。
  • 胃癌微小環境におけるエキソソームの意義
概要 エピジェネティックな異常とは遺伝子そのものに異常がないにも関わらず、遺伝子産物の発現量や機能に異常が起こることであり、これが発癌や癌の増殖に関連がある事が報告されてきている。スキルス胃癌が癌周囲微小環境(線維芽細胞)から増殖促進の影響を受けている事がこれまで分かっているものの、線維芽細胞がスキルス胃癌におけるエピジェネティックな変化に対して影響を与えているかについては不明な点が多く、我々は現在その影響を明らかにする事を目的に研究をしています。

臨床への取り組み

現在、教室の研究成果に基づいて胃癌に対する新しい臨床試験(Phase I study) を開始している。

スタッフ

准教授 八代 正和
講師 福岡達成

参考写真

講座一覧

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