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HOME > 講座一覧 > 臓器基幹病態外科学講座 > 心臓血管外科学 呼吸器外科分野

心臓血管外科学 呼吸器外科分野
- Thoracic Surgery

基本情報

学域名 臓器基幹病態外科学講座 心臓血管外科学 呼吸器外科分野
(英語表記)Thoracic Surgery
代表者 顔写真
准教授

西山 典利
- Noritoshi Nishiyama
場所 学舎 9階
連絡先 TEL:06-6645-3841
MAIL:lunge@msic.med.osaka-cu.ac.jp
ホームページ http://osaka-cu-surg2.jp/ link
概要  呼吸器外科は,大阪市立大学医学部第2外科・心臓血管外科の診療グループの一つで、原発性肺癌をはじめとする胸部悪性腫瘍に対する外科治療を主に行っています。
 標準的な肺癌手術においては、手術の安全性確実性を損なうことなく、患者さんの身体的負担の低減をもたらすべく手術の低侵襲化に工夫を凝らしており、小開胸併用による胸腔鏡下手術を標準術式として行っています。
 また近年、画像診断法の進歩にともない、いわゆる早期肺癌が多く発見されるようになってきていますが、気管支鏡やCTガイド下生検といった従来の診断方法では診断し得なかったこれら末梢小型肺病変に対し、胸腔鏡を用いた診断や治療に積極的に取り組んでいます。
 一方、呼吸器内科や放射線科と連携して術前術後の集学的治療にも積極的に取り組み、また循環器外科、肝胆膵外科、食道・消化器外科、小児外科との全面的な協力のもとに多領域にわたる難易度の高い拡大手術や、心筋梗塞や肝硬変など重篤な合併症を有する患者さんの手術なども施行し良好な成績を収めています。
 手術が不能な患者さんには、気管支鏡下腫瘍焼灼術、気管ステント留置術などを行い、QOL(生活の質)の向上にも力を入れています。そのほか良性疾患に対する手術も行っています。

教育方針

学部教育

  • 病棟では1人の術前患者様を担当症例として、複数名の上級医の指導のもと、回診、術前症例カンファレンスなどにより、多方面から診療方針を検討する能力を養います。また、患者さんへの問診や全身的な身体所見の取り方から各種画像・臨床検査所見による診断・治療方針の決定にいたるまで、総合的に指導していきます。
  • 手術では実際に清潔野に入って参加することで、より外科医に近い目線での手術見学をしていただくとともに術前診断との整合性も学んでいきます。また、術後は上級医とともに毎日患者さんを回診し、患者様の術後の身体的経過だけでなく患者さんの気持ちを理解し、信頼される医師を養成するよう努力しています。

臨床教育(研修医の育成)

  • 当科には、日本外科学会、日本呼吸器外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会などの専門医、指導医、評議員が豊富に在籍しており、専門医を目指す研修医の手術症例、学会発表、論文作成を積極的に指導・支援しています。関連施設同士でも連携しあい、豊富な症例経験を積むことができるようになっています。

研究指導

  • 当科では、毎年複数名の医師が大学院へ進学し、医学博士号の取得を目指し研究に励んでおります。教室内のみならず、基礎医学分野や他大学の先生方とも連携体制を作り上げ、基礎的あるいは臨床的な研究を支援し、国内外の学会発表や論文執筆を指導しております。
  • 海外への留学先として、Centre for Critical Illness Research, Lawson Health Research Institute(London, Ontario, Canada)などの施設があります。

研究について

概要

  • 当科では、臨床研究とともに基礎研究も行っております。
  • 臨床研究では、原発性肺癌手術患者様の膨大なデータベースを基に様々な臨床的予後因子や術後肺?の危険因子等の統計解析をはじめとして、胸膜癒着剤としての高濃度糖液を使用した研究なども行っております。
  • 基礎研究では、凍結保存している患者様の癌組織や血漿からプロテオミクス解析による新たな腫瘍マーカーの検討や、肺線維化機序のおよびその抑制機序の解明といった研究に力を入れております。

教室を代表する業績

Serum AGR2 as an early diagnostic and postoperative prognostic biomarker of human lung adenocarcinoma.

  • プロテオミクス解析により原発性肺腺癌患者における新たな腫瘍マーカーとしてのAGR2を発見し、さらに肺腺癌の早期発見、再発および予後を予測するための臨床的に有用なバイオマーカーとなる可能性を報告しました。

S-allyl cysteine attenuated CCl4-induced oxidative stress and pulmonary fibrosis in rats.

  • 肺線維化モデルラットに対し、新たな肺線維化抑制薬としてのS-allyl cysteineの効果について検討しました。

Serum Sialyl Lewis x and cytokeratin 19 fragment as predictive factors for recurrence in patients with stage I non-small cell lung cancer.

  • SLXとCYFRA21-1が両方とも陽性のI期非小細胞肺癌患者は有意に予後不良であり、術前術後の化学療法を検討すべきであるという結果を提唱しました。

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

  • Serum AGR2 as an early diagnostic and postoperative prognostic biomarker of human lung adenocarcinoma.
概要 本研究では、AGR2が肺腺癌の潜在的な血清バイオマーカーとなるか評価した。原発性肺腺癌患者111名および対照の非癌患者46名について術前AGR2とCEAを測定し、両マーカーの感度および特異度を比較した。カプラン・マイヤー法およびログランク検定を用いて生存分析を行った。I期も含め、全病期において肺腺癌患者の平均血清AGR2レベルは、非癌患者よりも有意に高値であった。AGR2の感度は65.8%とCEAの感度の45.0%を上回り、IA期においてもCEAが29.4%に対しAGR2が52.9%であった。特異度は、ROC曲線(AUC = 0.858)により87.0%であった。AGR2の発現陽性例では有意に術後生存率・再発率不良(P = 0.004・P = 0.037)であり、肺腺癌の早期発見、再発および予後を予測するための臨床的に有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
  • S-allyl cysteine attenuated CCl4-induced oxidative stress and pulmonary fibrosis in rats.
概要 本研究は四塩化炭素にて肺線維化モデルとしたWistarラットに対してS-アリルシステイン(SAC)の線維化抑制効果を検討した。四塩化炭素(0.8ml/ kg)を腹腔内に投与し、肺線維化モデルを作成し、SAC(50、100、200mg/ kg)、N-アセチルシステイン(NAC、200、600mg/ kg)を8週間にわたり連日経口投与した。四塩化炭素単独群と比してSAC投与群にて大きく血漿中のTGFβ、過酸化脂質、AST、ALTの増加を減少させた。四塩化炭素は、全身性炎症および臓器の線維化を誘導するが、SAC投与により用量依存的かつ有意に全身性炎症および肺線維化を抑制した。 SACはまた、肺における白血球の浸潤、および活性酸素の生成を阻害した。 NACとCYSもまた、四塩化炭素による炎症や肺線維化を抑制するが、抑制効果としてはSAC > NAC > CYSの順であった。これらの結果は、SACが他のシステイン化合物よりも効果的に間質性肺線維症の予防しうる可能性を示唆した。
  • Intraoperative mechanical and chemical pleurodesis with 50 % glucose solution for secondary spontaneous pneumothorax in patients with pulmonary emphysema.
概要 自然気胸再発を防ぐために、しばしば肺嚢胞切除術中に加えて胸膜癒着術を施行する。本研究では、肺気腫関連気胸症例に対して、肺嚢胞切除術時における50%ブドウ糖液を用いた胸膜癒着術を施行する有効性について検討した。20名の肺気腫関連気胸患者に対して、肺嚢胞切除術が完了した後、50%ブドウ糖液500mLを胸腔内に注入した。胸水量は術1病日後に減少し、発熱は術2病日に減少した。血糖値は術当日に上昇したが、翌日には低下した。平均フォローアップ期間は521日であった。フォローアップ期間中に1名他病死したが、他の患者では再発なく経過した。以上より肺気腫関連気胸に対して50%ブドウ糖液による胸膜癒着術は、効果的な再発予防となることが示唆された。
  • Serum Sialyl Lewis x and cytokeratin 19 fragment as predictive factors for recurrence in patients with stage I non-small cell lung cancer.
概要 本研究は、I期非小細胞肺癌患者における術前血清CYFRA21-1及びSLXの臨床的意義を確立することを目的とした。根治的切除を施行したI期非小細胞肺癌患者137名を対象とし、SLX、CEA、SCC、およびCYFRA21-1を検討した。137名中、3年以内に再発(N = 30)及び無再発(N = 107)患者の5年生存率は、それぞれ14%及び81%であった。再発群では非再発群と比してSLX、CEA、CYFRA21-1の血清濃度が有意に高値であった。ROC曲線から求めたSLX、CEA、SCC、およびCYFRA21-1の予後に対するカットオフ値はそれぞれ36U / ml、7.8ng / ml、1.5ng / ml、3.2ng / mlであった。ログランク検定で、年齢、Performance status、T因子、リンパ管浸潤、血管浸潤、SLX、CEA、SCC、およびCYFRA21-1はすべて生存率の予後因子であった。多変量解析では、年齢、Performance status、リンパ管浸潤、SLX(HR4.11)とCYFRA21-1(HR3.47)が独立予後因子であった。 CYFRA21-1・SLXともに陽性患者では、相対リスクが、ともに陰性であった患者と比較して5.32であった。 5年生存率は、両方とも陰性群(N = 86)で80%どちらか一方のみ陽性群(N = 43)で52%、両方とも陽性群(N = 8)で13%であった(p < 0.001)。以上より術前血清SLXとCYFRA21-1はI期非小細胞肺癌の予後指標であり、両マーカー陽性の患者においては術後もしくは術前化学療法を考慮する必要があることが示された。
  • Lung metastases from various malignancies combined with primary lung cancer.
概要 様々な転移性肺腫瘍の多くは、複数の結節として発見される。本検討では、右大腿粘液脂肪肉腫および結腸癌多発肺転移と同時性に発見された原発性肺癌の2例について報告する。2例ともに、多発肺転移と思われた結節のうち一つは原発性肺癌であった。近年の術前画像診断の進歩をもってしても、あまりにも小さすぎる腫瘍の鑑別診断には外科的切除による他手段がないと言える。多発肺転移と思われた結節内に原発性肺癌が含まれていた場合には、その原発癌の予後に応じて切除範囲を決定するべきである。

臨床への取り組み

 当科では、同意を得られた手術患者全員をデータベースに登録し、様々な臨床研究への検討を行っています。近年では術後肺?に対して肺?を定量的に計測できるトパーズ電動式低圧吸引器Rを導入しており、さらなる臨床研究を重ねていく予定です。
 また、画像検査の進歩に伴い近年ますます早期肺癌手術症例が増加してきおり、エビデンスに基づいたより低侵襲な根治手術を目指し日々研鑽しております。

( → 病院の診療科 http://www.med.osaka-cu.ac.jp/surgery2/surgery/03/index01.html link

スタッフ

准教授 西山典利
講師 泉信博
病院講師 水口真二郎

講座一覧

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