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一般の方 本学関係者の方

血液腫瘍制御学
- Hematology

基本情報

学域名 臓器器官病態内科学講座 血液腫瘍制御学
(英語表記)Hematology
代表者 顔写真
教授

日野 雅之
- Masayuki Hino
場所 学舎 10階
連絡先 TEL:06-6645-3881
MAIL:hinom@med.osaka-cu.ac.jp
ホームページ http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/ link
概要  血液腫瘍制御学講座は、白血病や悪性リンパ腫等の造血器悪性腫瘍の診断・治療を中心に診療・臨床研究、基礎研究を行っております。
診療部門として血液内科・造血細胞移植科では、血液疾患の診療、特に、白血病や悪性リンパ腫を中心とした造血器悪性腫瘍の診断、治療から造血幹細胞移植推進拠点病院として各種血液疾患に対する造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)に重点を置いて診療しており、エビデンスに基づく標準的な治療に加えて、治療成績を向上させるために、HLA半合致移植など最先端の研究的な治療や厚生労働科学研究や新薬の国際治験も積極的に行っています。
さらに、造血幹細胞移植においては、他職種からなる移植サポートチームが、それぞれの患者さまに最も適したケアを提供しています。臨床検査領域も担当しており、臨床検査技師とともに中央部門としての中央臨床検査部で病院の検査体制の維持・管理を行ったり、検査領域の研究を行ったりしております。
血液内科領域の研究面では、治療成績の向上をめざし、新たな造血幹細胞移植法の開発、合併症の予防、早期診断、治療法の確立などの臨床研究、基礎研究を行っています。

教育方針

学部教育

  • 講義(座学):
    血液疾患の診断および治療の基礎的な知識、臨床検査医学の基礎的な知識、造血細胞移植法などの高度な医療に加え、生物統計学、臨床研究手法などについて具体的な例を示し、わかりやすい講義と双方向授業を行っています。
  • 実習:
    外来および病棟において血液疾患患者を担当し、クリニカル・クラークシップにより、教員、チューターおよび大学院生、研究医の指導の下で、自主性を重んじ、医療スタッフの一員として、診療に参加することにより、講義および書物により習得した知識をフルに活用し、疾患の理解を深め、診療技術に加え、患者とのかかわり方を修得し、M6では、研修医レベルに到達できるように「ひとりでできるもん実習」も行っています。

臨床教育(研修医の育成)

  •  血液疾患の化学療法や免疫抑制療法例といった標準的な症例を上級医とともに受け持ち、毎日開催される病棟カンファレンスにおいて、全員で積極的に議論して、全症例について病態の把握、治療方針の決定を行うことにより、血液内科医に必須の基本的な臨床思考プロセスを習得することを重視しています。
    十分な経験を積んだ後、同種移植症例を担当し、更なる臨床問題解決能力の向上に取り組んでもらいます。また、上級医の指導のもと、中心静脈穿刺や骨髄穿刺、腰椎穿刺、心・腹部エコーなど様々な内科的処置、検査を数多く経験することで、早期に自立することを目指しています。また、他診療科からのコンサルテーション症例を共観で診療することで、内科診療を総合的に学び、多角的な視点の習得にも力を注いでいます。
  • 造血幹細胞移植推進拠点病院として医師、看護師、HCTC、管理栄養士などコ・メディカルの指導・研修を行なっています。

研究指導

  • 文部科学省補助金によるがんプロフェッショナル養成基盤推進プランの大学院生は、がん臨床の専門医、血液専門医、造血細胞移植認定医としてだけでなく、臨床研究のデザイン、実施、管理から最終的な学術報告までの指導を行い、がん臨床研究指導者としても養成しています。

研究について

概要

  • 造血器悪性腫瘍の治癒と患者のQOL向上をめざし、新たな造血幹細胞移植法の開発、移植合併症の予防、早期診断、治療法の開発、各種病態における免疫機構の解明、新規感染症診断法の開発など臨床のニーズに即した臨床研究、基礎研究を中心に行っています。当科では、多くの臨床研究が行われているだけでなく、専門的にサポートをする組織(血液腫瘍臨床研究センター)を独自に持ち、質の高い臨床研究を実施しています。また、厚生労働科学研究など日本の医療の発展のための多施設共同研究にも積極的に参加しています。

教室を代表する業績

業績

  • Nishimoto M, et al. Efficacy and safety of intra-arterial steroid infusions in patients with steroid-resistant gastrointestinal acute graft-versus-host disease. Exp Hematol.2015, 43:995-1000
  • Nakamae H, et al. HLA haplo-identical peripheral blood stem cell transplantation using reduced dose of post-transplantation cyclophosphamide for poor prognosis or refractory leukemia and myelodysplastic syndrome. Exp Hematol. 2015, 43:921-929.e1
  • Nishimoto M, et al. Feasibility of umbilical cord blood transplantation with a myeloablative, reduced toxicity-conditioning regimen. Bone Marrow Transplant. 2014, 49:980-981
  • Nishimoto M, et al. Risk factors affecting cardiac left-ventricular hypertrophy and systolic and diastolic function in the chronic phase of allogeneic hematopoietic cell transplantation. Bone Marrow Transplant. 2013,48:581-62
  • Okamura H, et al. Use of per Rectal Portal Scintigraphy to Detect Portal Hypertension in Sinusoidal Obstructive Syndrome following Unrelated Cord Blood Transplantation. Acta Haematol 2013, 130:83-86
  • Koh H, et al. Serum Cytokine Profiles in Hemophagocytic Syndrome following Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation. Acta Haematol. 2012,127:182-185
  • Koh H, et al. Factors that contribute to long-term survival in patients with leukemia not in remission at allogeneic hematopoietic cell transplantation. J Exp Clin Cancer ResHematol. 2011, 10;30-36
  • Nakane T, et al. Reduced-intensity conditioning by fludarabine/busulfan without additional irradiation or T-cell depletion leads to low non-relapse mortality in unrelated bone marrow transplantation. Int J Hematol. 2011,93:509-16
  • Nakane T, et al. Prognostic value of serum surfactant protein D level prior to transplant for the development of bronchiolitis obliterans syndrome and idiopathic pneumonia syndrome following allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant 2008, 42:43-49
  • Nakamae H, et al. Risk factor analysis for thrombotic microangiopathy after reduced intensity or myeloablative allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Am J Hematol 2006, 81:525-531
  • Nakamae H, et al. Notable effects of angiotensin II receptor blocker, Valsartan, on acute cardiotoxic changes following standard chemotherapy with cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisolone. Cancer 2005, 104:2492-98
  • Nakamae H, et al. Conditioning regimens including high-dose busulfan cause a high incidence of transplant-related mortality after myeloablative stem cell transplantation. Chemotherapy 2004, 50: 178-83
  • Hino M, et al. Ex vivo expansion of mature human neutrophils with normal functions from purified peripheral blood CD34+ haematopoietic progenitor cells. Br J Haematol 2000, 109:314-21
  • Nakamae H, et al. QT dispersion as a predictor of acute heart failure after high-dose cyclophosphamide. Lancet 2000, 355(9206):805-6

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

  • 新規移植法の開発
概要 血縁ドナーから適切なドナーが見つかる確率はおよそ20%程度で、移植適応のある多くの血液疾患患者は骨髄バンクでドナーコーディネートを行うことになりますが、ドナー選定までの日数に時間がかかるため、移植の好機を逸してしまうケースが少なからずあります。
このような現状から、ドナープールの拡大のための研究に期待が寄せられており、当科では移植後に大量のシクロフォスファミドを用いた、血縁HLA半合致同種末梢血移植を本邦でいち早く導入して、前向き介入臨床研究として取り組んでいます。移植後に大量のシクロフォスファミドを用いることでHLAが不一致の移植においても良好な生着が得られ、移植後の免疫再構築も良好です。さらに、慢性GVHDの発症率が低いことが、移植後の生活の質(QOL)の向上にもつながる可能性があり、その開発、確立に精力的に取りくんでいます。
  • 移植後合併症克服のための研究
概要 同種造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(急性GVHD)は重要な合併症の一つであり、移植法の成否にかかわります。移植予後改善のための取り組みとしてGVHDによる治療関連死亡を減少させることは意義のあるアプローチです。こうした背景を元に我々はGVHD予防及び治療として以下の臨床研究を遂行しています。
・Bortezomibを用いたGVHD予防
同種造血幹細胞移植が適応となる成人血液悪性疾患患者において、一般的に第一選択となる血縁HLA一致ドナーおよび、第2選択となる非血縁骨髄バンクHLA一致ドナーを有しない患者を対象として、GVHD発症リスクの高いHLA不一致骨髄バンクドナーからの同種造血幹細胞移植における新たなGVHD予防法を確立することを目的として、Bortezomibを用いたGVHD予防法の臨床試験を遂行しています。
・ステロイド動注療法
初期治療抵抗性の消化管・肝GVHDは世界的にも標準治療がなく、治療に難渋し、患者の苦痛も大きい。安全かつ有効な治療法が求められています。当科では血管カテーテル処置を用いて腸管や肝臓の動脈に直接薬剤を注入するステロイド動注療法を行い、早急に患者の苦痛を取り除き、安全かつ有効な新規治療法として確立できるよう取り組んでいます。
  • CMLに関する研究
概要 第2世代のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の登場により、CMLの治療成績は著明に向上しました。現在では、TKIを投与後に、良好な反応を一定期間維持できた症例ではTKIの中止が可能な症例も出てきています。CMLにおけるTKI治療中止の成功には個体の免疫機序の役割が大きく、その詳細な分析が成績向上につながると考えられます。第2世代のTKIのなかで、ダサチニブは独特の免疫修飾効果を有し、良好な治療予後との関係が報告されており、当科では、ダサチニブによる免疫修飾効果を中心にCMLやその治療における免疫の役割について、臨床観察研究や横断研究を通じて取り組んでいます。
  • 新規感染症診断法の開発
概要 化学療法または同種移植療法中に発症する発熱性好中球減少症は、発症頻度が多く、重要な合併症のうちの一つである。その原因の多くは感染症と考えられていますが、同定は難しいのが現状です。診断のgold standardである血液培養検査の陽性率は低いため、現在も抗菌薬の経験的治療が広く行われており、抗菌薬の過剰使用が問題となっています。
新規診断法により、診断に基づいた標的治療が早期に可能になれば、予後の改善、不必要な抗菌薬使用の削減、耐性菌発現の抑制、更には医療費の削減につながることが期待されます。当科では、臨床研究により、新規の診断バイオマーカー探索に取り組んでおり、感染症診断率の向上に取り組んでいます。また、好中球減少期の感染症の複雑な病態変化(感染症の初期反応、中期、後期と炎症反応の遷延化など)について検討を行い、抗菌薬の変更や中止の指標となるバイオマーカー探索にも取り組んでいます。
  • マウスモデルを利用した基礎的研究
概要  Bcr/abl発現白血病株を若年齢のB6マウスに移植すると白血病を発症し、2週間という極めて早い期間でPD-1陽性T細胞の出現を認め、宿主T細胞の抗原応答性の低下を認めます。このT細胞は通常のT細胞とは全く異なった特徴的な遺伝子発現パターンを示しており、Th1・Th2のいずれの型のサイトカインの産生も低下していることを明らかにしました。この白血病モデルマウスを用いることで、白血病によるT細胞免疫不全の分子機構を解明することを目的として研究を行っています。これは感染や白血病再発の原因と考えられる、ヒトの白血病患者における免疫不全の究明へ結びつくものです。
またヒトhaplo移植モデルとして、B6D2F1マウスの骨髄・脾臓細胞をB6マウスへ移植するHLA半合致移植を施行しています。ホストおよびドナー免疫担当細胞の活性化、再構築、GVHD発症を解析し、さらに生着後の白血病発症に対するDLI療法の最適化についての検討を行っています。

臨床への取り組み

 血液内科・造血細胞移植科では、造血幹細胞移植推進拠点病院として各種血液疾患に対する標準的な血縁および非血縁ドナーからの造血幹細胞移植術(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)に加えて、HLA半合致(ハプロ)移植に重点を置いています。
一方、他の疾患や治療にも十分に対応できるように、専門医師による関連病院ネットワークを構築しています。 当科ではエビデンスに基づく標準的な治療に加えて、治療成績を向上させるために最先端の研究的な治療や新薬の国際共同治験、厚生労働科学研究をはじめ国内外の研究機関との共同研究や施設独自の研究的な治療も積極的に行っております。さらに、造血幹細胞移植においては、他職種からなる移植サポートチームが、それぞれの患者さまに最も適したケアを提供しています。

( → 病院の診療科 http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/29-ketsuekinaika.shtml link

スタッフ

教授 日野雅之
准教授 中前博久
講師 中根孝彦、康 秀男、中嶋康博
病院講師 中前美佳、廣瀬朝生、西本光孝

講座一覧

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