ゲノム医療はゲノム医学の進展により全診療科の全疾患と関わる時代に突入しました。そして診療科を超えて総合的なゲノム医療の実践と発展を担うゲノム医療センターが誕生しました。このゲノム医療センターでは、がんゲノム医療、非がんゲノム医療、遺伝カウンセリング、ゲノム解析などで構成される横断的な役割により、診療科を超えて患者さんの治療や予防に役立てるよう、先進的なゲノム解析を実施しその結果の意味づけを行い、多岐にわたる疾患に関連した遺伝カウンセリングを行っています。
さらに遺伝や遺伝子に関わる心配をお持ちの患者さんとそのご家族への支援体制を整え、また院内外のゲノム解析研究機関や医療機関との連携により、先端的な解析と、患者・家族に資する医療体制を実現しています。
その一つに現在実施している日本医療研究開発機構(AMED)が主導する未診断疾患イニシアチブ(IRUD)の「大阪市立大学医学部附属病院・遺伝診療センターによる大阪市を中心としたAMED 難治性疾患実用化研究事業「未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases(IRUD)):希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究」」は、小児科だけでなく病院全体として取り組みをしています。
大阪公立大学医学部附属病院
名誉教授 新宅 治夫