診断病理・病理病態学

市民の皆様へ

病理診断科とは、病理診断、術中迅速病理診断、細胞診、病理解剖を行う診療科です。患者さんが直接病理診断科にかかることはないので、馴染みは薄いかもしれませんが、胃カメラなどで胃の粘膜の一部をとって調べるとき、その診断は病理診断科においてなされます。これを、病理診断といいます。

病理診断は文字どおり確定診断で、これに基づいて治療方針、手術式などが決定されます。例えば、乳腺のしこりの一部をとって調べた結果、病理診断が癌であれば、乳房切除術などの手術がおこなわれ、がんでなければ、そのまま経過観察になったりします。また、手術中に手術切除部に病変があるかどうかの診断や、腫瘤が悪性か良性かの診断を短い時間内で行ない(術中迅速病理診断)、その結果により手術の術式が変わったりもします。手術後には手術が適当であったかどうかの判定のため、また、手術後の治療方針の決定のために摘出された臓器の病理診断がなされます。特に癌の診断は必ず病理診断を必要としますので、がんの患者さんやがんの疑いのある患者さんは全員病理診断を受けていることとなります。特に現在の医療においては正確で迅速な診断が求められています。このためには病理診断がキーとなるため、病理診断件数は増加の一途であり、当診断科でも病理診断件数が14000件を超えています。

もう一つの病理診断科の仕事である病理解剖は、病死の時に行われる解剖です。病理解剖の目的は、なぜ患者さんが亡くなったのか、死因を明らかにすることです。がんの患者さんであっても、必ずがんで亡くなるとは限りません。最後の直接死因は感染によるものであったり、出血によるものであったり、場合によっては治療が原因であったりします。病理解剖は患者さんが受けることのできる、唯一で最後の、最も正確な診断の機会です。病理解剖を通じて、患者さんに対する診断や治療が適当であったのかどうかなどが検討されます。その結果は多数の医師による症例検討会で報告され、次の患者さんを治療するときに役立てられます。したがって病理解剖を積極的に行っている病院ではそれだけ良い医療を受けられることになります。