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診療分野(糖尿病)

 当科では糖尿病専門医の取得を視野に入れ、下記のような研修体制で日々診療にあたっています。

生活習慣病・糖尿病センターについて

 生活習慣病・糖尿病センター(18床:2019年4月末現在)では初期研修医・内科専攻医の先生方に、数多くの糖尿病患者さんを受け持っていただいております。当科では各種糖尿病(2型糖尿病、1型糖尿病、2次性糖尿病、妊娠糖尿病、合併症の進行した例など)の症例を経験していただくとともに、糖尿病性腎症や神経障害、血管合併症など様々な合併症の精密精査の基本も習熟していただきます。
 近年、経口血糖降下薬には7系統の薬剤が臨床使用されており、病態にあわせた理論的な処方や、患者さんの社会的な背景に合わせた処方方法を学んでいただきます。インスリン治療も精密な器具の発展とともに、超速効型、速効型、中間型、持効型、そしてそれらの混合型が使用されており、様々な病態に応じたインスリン治療症例を経験します。最近1型糖尿病患者を中心に利用者が広がりつつあるインスリンポンプ治療症例も経験します。加えて近年はGLP-1受容体作動薬の注射薬や、1週間製剤なども登場しており、多彩な治療薬を用いて専門的に治療する症例を経験することになります。これらは他科に将来進まれる方にも非常に有益な経験になります。

臨床研修について

糖尿病診療チームの診療体制

 当科では、指導医・主治医・担当医の3人一組を基本としたチーム診療を行っています。内科専攻医は主に主治医として、初期研修医は主に担当医として診療にあたります。チーム制をとることによって、わからない点を気軽に指導医に質問することができ、また誰かひとりが忙しいときにもカバーし合える体制を敷いています。

主に担当する症例

 当科では2型糖尿病、1型糖尿病のほか、2次性糖尿病、ステロイド糖尿病、膵性糖尿病、妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠などの多彩な病型の糖尿病症例を担当していただきます。さらには、糖尿病合併症の進行した症例、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖性高浸透圧性昏睡、糖尿病患者に生じた感染症、周術期の血糖コントロール、化学療法中の血糖コントロールなど幅広い糖尿病症例を経験することができます。
当科で主担当する主な疾患・当科で共観担当する主な疾患

女性医師も活躍する医局です

 当科の専攻医、大学院生の半数以上は女性医師です(2019年4月現在)。当科で結婚・出産を経られる方も多く、仕事と育児を両立され、専門医を取得後も当大学病院・関連病院にて活躍されております。

カンファレンスについて

 カンファレンスを大小合わせて週に2回行っています。
 月曜日は内分泌・骨・リウマチ内科、腎臓内科との合同カンファレンスで、糖尿病に関連の深い疾患についての知識を得ることができます。
水曜日は糖尿病カンファレンスで、より専門的な病態検討、治療検討が行われます。また診療チームごとの小カンファレンスの場を個別に設け、より些細な疑問や、気になった点などをより気軽に話し合っています。

画像診断の習得

 画像診断の習得についても、熱心に指導します。当科では腹部エコーを中心に技術を学んでいただけます。

患者教育

 「糖尿病大学」と名付けた入院患者さん向けの教育の場を設けています。
 医師や看護師、薬剤師、管理栄養士がそれぞれの分野を担当し、1回30~60分でスライドやテキストを参照しながら、患者さんに糖尿病について説明します。
 医師は週2回、火曜と木曜の午後を担当し、大学院生や後期研修医が持ち回りで講義を行っています。

学会活動

 日本糖尿病学会をはじめ、日本動脈硬化学会、日本肥満学会、糖尿病地方会、内科地方会など積極的に学会活動を行っています。
 また大学院生が中心ですがアメリカ糖尿病学会など、海外の学会にも参加の機会があります。
学会での思い出

アメリカ糖尿病学会2018@フロリダ州オーランド

研修の事例

大学院生(卒後11年)

卒後年数 経歴
1~2 初期臨床研修
当科入局。関連病院で研修を開始。
大学院進学、附属病院で研修。認定内科医取得
5~6 附属病院で研修。また基礎実験を中心に研究活動も継続。
結婚し、新婚旅行休暇も取得。
学位取得。後期研究医として附属病院で勤務。
糖尿病専門医取得 以降現在に至る。

後期臨床研修医(卒後14年・女性医師)

卒後年数 経歴
1~2 市中病院で初期臨床研修。
当科入局し、附属病院で研修開始。
大学院進学、引き続き附属病院で研修継続。
5~6 内科認定医取得。
1人目の出産・産休を経て職場復帰
研究と育児を両立し、博士課程終了。
8~11 糖尿病専門医取得後、後期研究医として附属病院で勤務。
12 2人目を出産・2回目の職場復帰後、病院講師として勤務。
13 総合内科専門医取得 以降現在に至る。

当科の特色紹介

 当科では大学病院ならではの専門性をもった治療、かつ最新の糖尿病治療を積極的に行っております。

DCT(Diabetes Control Team)

 糖尿病は細小血管症、大血管症、様々な感染症や癌などの合併症を引き起こし、入院加療時には病態に合わせた適切な血糖コントロールが重要です。また栄養療法の変更、化学療法・ステロイド投与時にも高血糖を起こしやすく、このような活動性疾患・複雑な治療経過に応じた血糖コントロールは、医療現場で求められる重要な専門性の1つです。

 当科ではあらゆる診療科と共観しながら、年間約1000例を専門チーム:DCT(Diabetes Control Team)にて担っています。多くの症例経験と現場での密なディスカッションを通して、周術期・周産期・重症疾患急性期・化学療法・ステロイド治療・栄養療法中などの血糖コントロールを習得することができます。

iPump・CGM外来

 近年、糖尿病診療の場における先進デバイスの進歩は目覚ましいものがあります。食事や睡眠、仕事などの生活パターンや内因性インスリン分泌の残存の程度に合わせて細やかにインスリン投与量が調節可能なインスリンポンプと睡眠中を含む24時間の血糖変動パターンを示してくれる持続血糖モニタリング(CGM:continuous glucose monitoring)がその代表です。これら先進デバイスは従来の治療では得ることのできなかった多くの情報を提供してくれる一方で、医療者はそれらの情報を適切に読み解くこと、さらに読み解いた情報を患者さんに還元することが求められます。先進デバイスが与えてくれる情報には生活におけるさまざまな要素が複雑に影響しており、先に述べたような要求に応えるためには、医師に加えて看護師や栄養士などからなるチーム医療が必須です。

 大阪市大病院糖尿病センターでは2017年7月、「iPump・CGM外来」と称してインスリンポンプおよびCGMの専門外来を開設しました。この外来には栄養士による栄養指導、看護師による療養指導、医師による診察が含まれており、それぞれの職種がそれぞれの視点で読み解いた情報を集約し議論を行います。診療時間枠にも通常より余裕をもたせ、じっくりと時間をかけて患者さんに還元しています。当センター医師も2019年4月現在,教員1名,後期研究医1名,大学院生2名(卒後4~5年目)で週に1回担当しております。

 インスリンポンプやCGMのデバイスの進歩は本当に速く、機器を付けておきさえすれば患者さんも医療者も何もしなくてもよいという時代がいずれやってくるかもしれません。しかし現状はまだ、たとえ最新のデバイスであっても、付けているだけではよりよい血糖コントロールは実現できないのが現状です。iPump・CGM外来の”I”には“個別化(individualize)された私(I)自身のインスリン(insulin)療法”を提供したいという意味が込められています(図1)。表1はiPump・CGM外来開設後約1年間ののべ外来受診数です。わたしたちはこの外来を通して、患者さんを中心としたチーム医療の実現と個々の患者さんに合わせた最適な糖尿病治療の提供を目指しています。

iPump/CGM外来の由来 iPump/CGM外来の外来数

Foot team

 糖尿病足病変に関しては内科管理だけではなく、下肢血流の評価、創部の処置、血管内治療、バイパス術などを含めた総合的な治療が必要となります。当院では当科、形成外科、放射線科、循環器科、心臓血管外科、膠原病内科、看護部などの様々な診療科が連携してFoot teamを形成し、糖尿病足病変を含む足疾患の治療を行っております。月に一回、定期的にカンファレンスを行い、患者さんの治療方針について診療科の垣根を越えて活発に議論しています。