
めまい外来は毎週月曜日に行っております。現在めまいを主訴に受診された患者様は初診時に眼振検査、聴力検査、血液検査などを行い、後日に温度刺激検査や視運動眼振検査・追跡眼球運動検査、必要があれば頭部の画像検査、video Head Impulse Test(vHIT)、Vestibular evoked myogenic responses (VEMP), subjective visual vertical(SVV)、Foulage test(足踏み検査)、Head up tilt試験(Schellong試験)、蝸電図検査などを行っています。また、難治症例に対しては入院下でのリハビリテーションなども行っております。
– 良性発作性頭位めまい症
浮遊耳石置換法を行い良好な成績をおさめております。
– メニエール病
めまいの発作頻度が多く、内服、点滴等でコントロールが困難な患者様には中耳加圧療法、ゲンタマイシンの鼓室内注入、内リンパ嚢開放術を施行しております。
– 起立性調節障害(自律神経機能異常を含む)
ふらつきの原因として疑われる場合にはHead Up Tilt試験を行い、確定診断後に薬物治療を中心とした治療を行います。
– PPPD
慢性的なめまいの代表的疾患で治療法は確立されていませんが、入院下のリハビリテーション(リハ科と協力)などを試みています。
– 外リンパ瘻
病歴より強く本疾患が疑われる場合には、CTP検査を行い、必要であれば安静入院や内耳窓閉鎖術を行っています。
当院では
詳細については下記リンクをご参照ください。 大阪公立大学医学部附属病院にめまいで受診された患者様へ
慢性中耳炎外来は検査結果・病状説明・方針決定を毎週火曜日に、毎週水曜日に再診を行っております。手術適応の判断、治療の方向性の検討、および術後の定期管理を行います。
– 真珠腫性中耳炎
顕微鏡下耳科手術(MES)のほか、TEESも積極的に行っています。将来的な再発が疑われる症例には、段階的鼓室形成術を行っています。
– 慢性中耳炎(鼓膜穿孔含む)、耳硬化症、真珠腫
TEESを中心に行っています。さらに、リティンパを用いた鼓膜再生療法も積極的に行っています。

当科では以前より難治性で苦痛度の高い耳鳴症例に対してTRTという耳鳴治療を導入しており、大きな成果を上げています。補聴器を主とした耳鳴治療を目的に、他病院からの紹介も多数頂いています。
実際の適応については基本的に耳鳴苦痛度の高い患者様を対象に症例ごとに判断しながら導入を決めています。補聴器が無効な両側重度難聴症例に対しては人工内耳の加療をしております。
新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査やその後の補聴器装用指導、療育機関と連携を取りながらの聴覚管理も行っております。
当院では「耳鳴症状の悪化や改善に対する因子」に対する臨床研究を行っております。
これまでの遺伝外来を改変し、遺伝・機能性難聴外来を開設しております。
外来は大きく遺伝難聴をはじめとする遺伝疾患に対する遺伝カウンセリング、遺伝子検査の実施と、小児から成人に至る、機能性難聴(心因性難聴)、聴覚情報処理障害(APD)に対する対応とに分けられます。
– 遺伝難聴・遺伝疾患
先天性難聴の中で遺伝難聴の占める割合は50%を超えており、100種類以上の難聴遺伝子が同定されています。外来では新スク後の乳幼児から成人までの難聴の原因検索のため、まず遺伝難聴に対するカウンセリングを行い、同意を得て保険検査を行い、変異が認められなかった場合は追加検査を実施しております。追加検査は東京医療センターと共同研究を行っており、次世代シーケンサーを用いた分析100種類以上の遺伝子の検索が可能です。2016年9月の検査開始以来150例以上の検査を実施しています。難聴遺伝子の解析は年ごとに進歩しており、遺伝子の同定により難聴の原因が同定されることによりiPS創薬などにより治療薬の開発も進んでいます。
– 機能性難聴(心因性難聴)、聴覚情報処理障害(APD)
学校検診で発見されることの多い、機能性難聴の中に発達の問題を持つ児が80%以上いることが明らかになっており、機能性難聴の発達面の評価の重要性が高まっています。このため、当外来では機能性難聴を、聴力(純音、語音、音場言語、ABR、ASSR、OAE)、発達(WISC-IV、WISC-III、K-ABCなど)の両面から評価して適切な支援を提供しています。また、聞き違いを訴えるにも関わらず、純音聴力検査が正常な、いわゆる聴覚情報処理障害(APD)は、現在、非常に注目されており当科はAPD研究の第一人者である国際医療福祉大学の小渕千絵先生の助言を得てAPD検査を導入し、APDの診断、支援を開始しています。近隣他府県より多くの紹介を得ています。機能性難聴、APDとも自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害(LD)との関連も注目されています。
当院では「聞き取り困難症(LiD)/聴覚情報処理障害(APD)」に対する臨床研究を行っております。
詳細については下記リンクをご参照ください。
当科では、病理学的に頭頸部悪性腫瘍診断確定後は、腫瘍初診外来(月曜午後:予約制)を受診していただき、病状説明および治療方法についてインフォームドコンセントを行い、治療方針を決定しております。
手術では、当科単独で施行する頭頸部癌手術に加え、形成外科や腫瘍外科(消化器外科)の協力のもと、再建を要する手術を行っています。また、表在型咽喉頭癌に対して、消化器内科と共同で行う経口的切除や内視鏡下治療、ダビンチ手術も行っております。
当院では、日本頭頸部癌学会の主導する頭頸部悪性腫瘍登録事業に参加しております。
詳細については下記リンクをご参照ください。