ビダーザ
骨髄異形成症候群治療剤
ビターザ注射用100mg
注射用アザシチジン
日本新薬株式会社

治療成績
高リスク群を対象とした臨床第III相試験

[特徴]
@ 全FAB分類の骨髄異形成症候群患者に対して認可された薬剤である。
A 殺細胞作用及びDNAメチル化阻害作用を示す。
B 高リスクの骨髄異形成症候群患者に対して、従来の治療と比べ、生存期間を延長
し、2年間の生存率が約2倍となった。
C 血液学的寛解および血液学的改善作用があり、輸血回数を減少させて輸血非依存
性状態に導くことが証明された。
[作用機序]
アサシチジンは細胞内に取り込まれた後、細胞内リン酸化仮定を経てアザシチジン三リ
ン酸(Ara-CTP)となりRNAへ取り込まれる。一方、アサシチジンはリボヌクレオチドリダ
クターゼによるデオキシ体への変換反応を経てアザデキオキシシチジン三リン酸(Aza-
dCTP)となり、DNAに取り込まれる。アサシチジンは新たに合成されるRNAに取り込ま
れるとタンパク質合成阻害を引き起こし、殺細胞効果を示す。また新たに合成される
DNAに取り込まれると、DNAメチルトランスフェラーゼと不可逆な複合体を形成して非競
合的な酵素阻害作用を示し、遊離DNAメチルトランスフェラーゼを枯渇させる。その結
果、アザシチジンの組み込まれていないDNA鎖のメチル化を阻害して、細胞の分化誘導
作用や増殖抑制作用を示す。
[効能・効果]
骨髄異形成症候群
[用法・用量]
通常、成人にはアサシチジンとして75mg/sqを1日1回7日間皮下投与又は10分かけて
点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。尚、患者の状態に
より適宜減量する。
[用法・用量に関連する使用上の注意]
@ 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
A 原則として皮下投与を行う事。出血傾向等により皮下投与が困難な場合は点滴静注
を行う事
B 本剤の投与については、以下の基準を目安に適切に減量、治療開始の延期(休薬)
及び投与中止の判断を行うこと。
(1) グレード3以上の非血液毒性が発現した場合、治療開始前の状態に回復するまで休
薬する。次サイクル開始予定日から21日以内に回復しない場合、又は当該毒性が重篤
化した場合は投与を中止する。
(2) 血液学的検査値による投与量調整
a) 治療開始前値が白血球数≧3000/μl、好中球数≧1500/μlかつ血小板数≧75000
/μlの全てを満たす患者について、
* 当該サイクルの最低値が好中球数<1000/μl又は血小板数<50000/μlであった
場合→@次治療開始前値からの減少量の50%が回復(血球数≧最低値+[0.5×(治療
開始前値-最低値)]した後、次サイクルを開始する、A14日以内に回復しない場合、次
サイクル投与量を50%量に減量する
b) 治療開始前値が白血球数<3000/μl、好中球数<1500/μl又は血小板数<75000/
μlのいずれかに該当する患者
* 当該サイクルの最低値が白血球数、好中球数又は血小板数のいずれかが治療開始
直前の50%以下に減少(但し、同時にいずれかに輸血等の処置なしで当該サイクル開
始時よりも増加が認められる場合は該当しない)→@治療開始前値からの減少量の
50%が回復した後、次サイクルを開始する、A14日以内に回復しない場合、下表に従
う。
骨髄密度次サイクル投与量
>50% 
15-50% 
<15% 
100%量で継続する
21日以内に回復しない場合、50%量に減量する
21日以内に回復しない場合、33%量に減量する

(3)腎機能及び血清電解質による投与量調節
a)当該サイクルにおいて血清重炭酸塩<20mEq/Lであった場合には次サイクル投与量
を50%量に減少する、b)BUN又は血清クレアチニンが施設基準値上限を超え、治療開
始前値の2倍以上に上昇した場合には施設基準値又は治療開始前値に回復した後、次
サイクル投与量を50%量に減量する
C 注射液の調整法及び投与法
(1) 皮下投与
1バイアルにつき注射用水4mLを注入し、バイアルを激しく振り混ぜて均一に懸濁させ
る。投与直前に再度均一な懸濁液とすること。投与量に応じて、複数箇所に分けて投与
すること。
(2) 点滴静注
1バイアルにつき注射用水10mLを注入し、バイアルを激しく振り混ぜて完全に溶解す
る。溶解液の必要量を生理食塩液又は乳酸リンゲル液50mLに混合すること(本剤の分
解を促進する可能性があるため、5%ブドウ糖液、ヘタスターチ及び重炭酸塩を含む溶
液とは配合禁忌)。

禁忌
次の患者には投与しないこと
1. 本剤の成分(主成分アザシチジン、添加剤D-マンニトール)の成分に対し過敏症の既
往歴のある患者
2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(動物実験でヒトの臨床用量を下回る用量
で、胚・胎児の死亡及び奇形の発生が報告されている)

慎重投与
1. 感染症を合併している患者
2. 肝障害のある患者(転移性癌による広範な腫瘍病変を有する患者(特に血清アルブミ
ン値<3.0g/dLの患者)に対し本剤を投与中、進行性肝性昏睡により死亡に至った例が
報告されている
3. 腎障害のある患者(国内外の臨床試験では腎障害例が除外されているため、腎障害
を有する患者に対する安全性は確立されていない、本剤及びその大差物の大部分は腎
臓を介して排泄される)
4. 高齢者(一般的に高齢者は生理機能が低下している可能性があるため、慎重に投与
することが望ましい)

副作用(国内53例中53例に発現)
1) 骨髄抑制
好中球減少(発熱性好中球減少症を含む)(88.7%)、白血球減少症(84.9%)、血小板
減少症(84.9%)、赤血球減少症(62.3%)、リンパ球減少症(52.8 %)、汎血球減少症
(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)等があらわれることがあるので、定期的に血液検
査(血球数算定、白血球分画測定等)を実施するなど観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと
2) 感染症
敗血症(1.9%)、肺炎(13.2%)等の感染症が現れることがあるので、観察を十分に行
い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと
3) 出血(頻度不明)
脳出血、頭蓋内出血、消化管出血、眼出血、処置後出血等が現れることがあるので、観
察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこ

4) 心障害
心房細動(3.8%)、心不全(1.9%)等の心障害が現れることがあるので、観察を十分に
行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5) ショック・アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、バイタルサインのモニタ
リングや自他覚症状など、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
6) 肝機能障害、黄疸
ALT増加(37.7%)、AST増加(34.0%)、ALP増加(34.0%)、血中ビリルビン増加(24.
5%)等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常
が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7) 腎不全、腎尿細管性アシドーシス(頻度不明)
腎不全、腎尿細管性アシドーシス等の腎障害があるので、定期的に検査を実施し、観察
を十分に行い、異常が認められた場合には投与を注しするなど、適切な処置を行うこ
と。
8) 低血圧(頻度不明)
起立性低血圧、低血圧があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には適切な処置を行うこと。

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