その他

巨赤芽球性貧血

写真)著しく大型で核クロマチン構造が繊細顆粒状で幼若な印象である赤芽球が増加しているのが特徴的である。また右下には大型の過分葉好中球が見られる。多核赤芽球、核分葉異常を伴う好中球も認める。

(巨赤芽球性貧血)赤芽球の重要な機能である赤血球系細胞数の増加、すなわち細胞分裂による増殖が障害されることによって大球化が起こる。ビタミンB12、葉酸の欠乏はDNA倍増を遅延させ、そのため、細胞分裂の時期を失い、分裂により2個の細胞となるべきものが1個とし存在する結果、巨赤芽球となる。巨赤芽球性変化は血小板系、顆粒球系にも及ぶ。このため、巨大後骨髄球、巨桿状核球、過分葉好中球となったものと考えられる。 核の発育の未熟な細胞は成熟の過程で早期に崩壊し(間接ビリルビン上昇、LDH上昇が見られる)、産生低下による汎血球減少が生じる(無効造血の亢進)。巨赤芽球は核網が未熟に対して細胞質は正常に成熟している。
鑑別診断としては骨髄異形成症候群、赤白血病、congenital dyserythropoietic anemia(CDA)が挙げられる(赤芽球系の変化は巨赤芽球様変化と称される)。これら疾患の場合にはビタミンB12あるいは葉酸値の低下は見られない。





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