フルダラ錠
新薬情報(適正使用ガイドより抜粋)
商品名 フルダラ錠10mg
一般名 リン酸フルダラビン
発売開始年月 2007年7月
販売 バイエル
形状 錠剤(10mg)
効能又は効果 低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫
用法及び用量 通常、成人にはリン酸フルダラビンとして40mg/sq(体表面積)を1日1
回5日間連日経口投与し、23日間休薬する。これを1クールとし、投与
を繰り返す。なお体表面積により、次の投与量を1日用量とする。ただ
し、患者の状態により適宜減量する。
体表面積(sq)
)1日用量(1日あたりの錠数
0..89-1.13
40mg(4錠)
1.14-1.38
50mg(5錠)
1.39-1.63
60mg(6錠)
1.64-1.88
70mg(7錠)
1.89-2.13
80mg(8錠)
2.14-2.38
90mg(9錠)
用法・用量に関
連する使用上の
注意
(@腎機能が低下している患者(クレアチニンクレアランスが30-70mL
/分)では、腎機能低下に応じて投与量を減量し、安全性を確認しな
がら慎重に投与すること。
A本剤による治療中に高度の骨髄抑制が認められた場合には、次
のような目安により、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこ
と。
骨髄機能の回復の指標
投与量の調整
好中球数1200/μl以上
及び
血小板数75000/μl以上
次クール開始にあたり、好中球数及び血小板数が左記の指標に回復する
*1週後までに回復した場合は40mg/sq/日で投与を継続する。
*2週後までに回復した場合は30mg/sq/日に減量する。
*2週後までに回復しなかった場合は投与を中止する。

B国内臨床試験において、本剤の6クールを超える投与での有効性
及び安全性は確認されていない。6クールを超えて投与を行う場合に
は、投与継続について慎重に判断すること。
禁忌 @重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクレアランス(24時間畜尿
により測定)が30mL/分未満の患者)。
A妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
Bペントスタチンを投与中の患者。
Cリン酸フルダラビンにより溶血性貧血を起こしたことのある患者。
D本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
禁忌解説
@フルダラビンの血漿中主代謝物である2F-ara-Aは主として腎臓か
ら排泄されるため、腎障害のある患者では身体が過剰の薬剤に暴露
されることになり、副作用が発現しやすくなると考えられる。
A海外でフルダラビン注の投与期間中に妊娠が判明した慢性リンパ
性白血病患者で奇形を有する児を出産したとの報告あり。
B成人T細胞白血病、有毛細胞白血病、慢性リンパ性白血病で使用
されるペントスタチンを併用した患者で致命的な肺毒性(間質性肺
炎、肺感染症)が報告あり。
Cフルダラビン注の投与により溶血性貧血を起こしたことのある患者
に再投与した際に、重篤な溶血性貧血を起こし、治療抵抗性であった
報告あり。
慎重投与 @腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30〜70mL
/分の患者)
A感染症を合併している患者
B肝障害のある患者
副作用 国内臨床試験(第I相及び第II相臨床試験)での副作用発現率は
100%。
悪心40.6%、食欲不振35.9%、疲労34.4%、下痢31.3%、血尿23.
4%、頭痛23.4%、上気道炎20.3%、便秘20.3%、発疹18.8%、鼻咽
頭炎15.6%。
臨床検査値異常はリンパ球減少96.9%、白血球減少96.9%、好中球
減少95.3%、ヘモグロビン減少65.6%、赤血球減少60.9%、血小板減
少54.7%、CRP上昇45.3%、ALT上昇42.2%
重大な副作用 @骨髄抑制:汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン
減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがあるので、頻
回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合
には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
最低値到達までの期間
(クールごとの中央値)
回復までの期間
(クールごとの中央値)
最低値となった
(全クールを通じて)
白血球数
8-14日
8-14日
49.5日
好中球数
15-21日
7-8日
61.5日
リンパ球数
7日
7-15日
68.5日
ヘモグロビン値
14-21日
6.5-8日
72.0日
血小板数
14-15日
7-11日
89.5日
*最低値から、各クール投与開始前のグレードへ改善するまでの期


A間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十
分に行い、呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速や
かにX線検査を行い、本罪の投与を中止するとともに、副腎皮質ホル
モン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
B精神神経障害:錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、末梢神経障害
等の精神神経障害が現れることがあるので観察を十分に行い、異常
が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
C腫瘍崩壊症候群:腫瘍崩壊症候群(初期症状:側腹部痛、血尿)が
現れることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カル
シウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全
を伴うことがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止
し、適切な処置を行うこと(本罪の治療効果が投与開始後1週間であ
らわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防
措置を講じること)。
D重症日和見感染:敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれる
ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直
ちに投与を注しし、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与など適切
な処置を行うこと。フルダラビン投与によるCD4陽性リンパ球減少は
遷延性に推移することがあるので、投与終了後も感染症に対する注
意が必要。
E自己免疫性溶血性貧血:致命的な自己免疫性溶血性貧血があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合
には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン
剤の投与など適切な処置を行うこと。
F自己免疫性血小板減少症:自己免疫性血小板減少症があらわれ
ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
G赤芽球癆:赤芽球癆があらわれることがあるので観察を十分に行
い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を
行うこと。
H消化管出血:フルダラ錠の国内臨床試験で血便排泄が64例中2例
に報告。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止
するなど、適切な処置を行うこと。
I出血性膀胱炎:出血性膀胱炎があらわれることがあるので観察を
十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切
な処置を行うこと。
J重篤な皮膚障害:皮膚粘膜眼症候群(スティーブン-ジョンソン症候
群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)があらわれることがあるの
で観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな
ど、適切な処置を行うこと。
K心不全:心不全があらわれることがあるので観察を十分に行い、異
常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこ
と。

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