スプリセル2

定義
European LeukemiaNetによる、初発慢性期CMLの効果判定基準
Optical response:同一投与量でのグリベック治療の継続により、望ましい長期治療効果が得られる
3ヶ月→CHR達成
6ヶ月→PCyR達成
12ヶ月→CCyR達成
18ヶ月→MMR達成
Suboptimal response:グリベック治療の継続で効果が得られる可能性はあるものの、長期予後の観点から増量を検討
3ヶ月→CHR未達成
6ヶ月→PCyR未達成
12ヶ月→CCyR未達成
18ヶ月→MMR未達成
時期を問わず:Ph+細胞における付加的染色体異常/MMRの消失/変異(グリベック感受性のやや低い変異)
Failure:他の治療法への変更が推奨される
3ヶ月→HRなし(不変/病勢進行)
6ヶ月→CHR未達成あるいはCyRなし
12ヶ月→PCyR未達成
18ヶ月→CCyR未達成
時期を問わず:CHRの消失/CCyRの消失/変異(グリベック感受性が極めて低い変異)
Warning:慎重なモニタリングを要する
診断時:ハイリスク/del9q+/Ph+細胞における付加的染色体異常
12ヶ月:MMR未達成
時期を問わず:BCR-ABL遺伝子レベルの上昇/Ph-細胞におけるその他の染色体異

慢性期CML
血液学的完全寛解(complete hematological response、CHR)
@白血球数が施設基準値の上限値以下
A血小板数が45万未満
B末梢血中に芽球または前骨髄球を認めない
C末梢血中の骨髄球と後骨髄球の和が5%未満
D末梢血中の好塩基球が20%未満
E肝腫大および脾腫を含め、髄外白血病を認めない

細胞遺伝学的効果
@細胞遺伝学的Major寛解(Major cytogeneic response、MCyR)
(a)細胞遺伝学的完全寛解(complete CyR、CCyR)
骨髄分裂中期細胞中のPh染色体陽性細胞の割合が0%
(b)細胞遺伝学的部分寛解(partial CyR、PCyR)
骨髄分裂中期細胞中のPh染色体陽性細胞の割合が>0%かつ≦35%
A細胞遺伝学的Minor寛解(MinorCyR)
骨髄分裂中期細胞中のPh染色体陽性細胞の割合が>35%かつ≦65%
BMinimal CyR
骨髄分裂中期細胞中のPh染色体陽性細胞の割合が>65%かつ≦95%
C非寛解(non-response、NR)
骨髄分裂中期細胞中のPh染色体陽性細胞の割合が>95%かつ≦100%

移行期・急性期CMLおよびフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
Overall血液学的寛解(overall hematological response、OHR)
(1)血液学的Major寛解(major hematological response、MaHR)
(a)血液学的完全寛解(complete hematological response、CHR)
1.白血球数が施設基準値の上限値以下
2.好中球数が1000/μl以上
3.血小板数が10万/μl以上
4.末梢血中に芽球または前骨髄球を認めない
5.骨髄中の芽球が5%以下
6.末梢血赤の骨髄球と後骨髄球の和が5%未満
7.肝腫大および脾腫を含め、髄外白血病を認めない
(b)血液学的部分寛解
1.白血球数が施設基準値の上限値以下
2.末梢血中に芽球または前骨髄球を認めない
3.骨髄中の芽球が5%以下
4.末梢血中の骨髄球と後骨髄球の和が5%未満
5.肝腫大および脾腫を含め、髄外白血病を認めない
少なくとも以下のいずれかを満たす
6.血小板数が2万/μl以上、10万/μl未満
7.好中球数が500μ以上、1000/μl未満
(2)血液学的Minor寛解(Minor hematological response)
1.骨髄中および末梢血中の芽球が15%未満
2.骨髄中および末梢血中の芽球と前骨髄球の和が30%未満
3.末梢血中の好塩基球が20%未満
4.肝臓および脾臓以外に髄外白血病を認めない

臨床成績要約(製品情報概要(ブリストル・マイヤーズ株式会社))より抜粋

A.慢性期慢性骨髄性白血病
1.国内臨床試験第I/II相試験
対象
イマチニブに対して治療抵抗性(初期あるいは獲得抵抗性)であるか、不耐容の慢性期
CML患者。第I相、第II相はそれぞれ18例、12例。
血液学的効果:第I相期ではダサチニブ投与期間中央値24週でCHRが88.9%、第II相期
では91.7%に認められた。
細胞遺伝学的効果
第I相期では細胞遺伝子学的Major寛解が50%およびCCyRが44.4%に認められた。第
II相期はMCyRが58.3%、CCyRが41.7%に認められた。
2.国内臨床第II相試験
対象:イマチニブに対し治療抵抗性であるか、不耐容の慢性期CML患者23例(100mg1
日1回投与群11例、50mg1日2回投与群12例)
血液学的効果および細胞遺伝学的効果
@100mg1日1回投与群ではCCyRは27.3%、MCyRは45.5%、またCHRは90.9%であっ
た。
A50mg1日2回投与群ではCCyRは58.3%、MCyRは91.7%、CHRは83.3%であった。
3.海外臨床第II相試験
対象
イマチニブ抵抗性または不耐容の慢性期CML患者387例に対してダサチニブを1回
70mg、1日2回投与。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果
ダサチニブ平均投与期間中央値24.15ヶ月で、MCyRは62.0%、CCyRは53.5%に認め
られ、CHRは91%であった。
無増悪生存期間および全生存期間(図1)
慢性期から移行期あるいは急性期への進行、CHRの喪失、MCyRの喪失、白血球数の
増加または死亡を病態の悪化(増悪)と定義した。387例中322例(83.2%)が無増悪生
存であった。増悪した65例中46例が病態の悪化、19例が死亡であった。増悪が見られ
た46例の内訳は移行期への悪化(10例)、MCyRの喪失(14例)、CHRの喪失(14例)、
白血球数の増加(8例)であった。

4.海外臨床第II相無作為試験
対象
イマチニブ抵抗性の慢性期CML患者150例をダサチニブ投与群(70mg/回、1日2回投
与)n=101と高用量イマチニブ投与群(400mg/回1日2回投与)n=49に無作為割付を行っ
た。12週後に細胞遺伝学的効果を評価、@疾患の進行、AMCyRが得られない場合、
B忍容できない有害事象が発生した場合、にクロスオーバーする。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果
(a)クロスオーバー前:12週目の評価時点、ダサチニブ投与群のMCyRは35.8%、CCyR
は21.8%、高用量イマチニブ群ではそれぞれ28.6%、8.2%とCCyRの差は13.6%と有意
であった(p=0.0409)。2年の追跡期間においてダサチニブ投与群はMCyR53.5%、
CCyR43.6%、CHR93.1%、高用量イマチニブ群はそれぞれ32.7%、18.4%、81.6%であ
り、CCyRの差は25.2%と有意であった(p=0.00025)。
(b)クロスオーバー後:ダサチニブ投与群101例中20例、高用量イマチニブ投与群49例
中39例がクロスオーバーを行った。MCyR、CCyR、CHR率を示す。高用量イマチニブ投
与→ダサチニブ投与群においては48.7%、38.5%および94.9%、ダサチニブ→高用量イ
マチニブ投与群においては15.0%、0%および65.0%であった。
無増悪/増悪:ダサチニブ投与群101例中13例(12.8%)、高用量イマチニブ群49例中10
例で疾患の増悪が認められた(20.4%)。

B.骨髄芽球性急性期慢性骨髄性白血病-海外臨床第II相試験
対象:イマチニブに抵抗性あるいは不耐容の骨髄芽球性急性期CML患者109例に対し
て1回70mg、1日2回投与し、無効の場合には1回100mgまで増量可とした。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果:ダサチニブ投与期間中央値3.5ヶ月でCHR25.
7%、MCyR33.9%、CCyR26.6%であった。
無増悪生存期間および全生存期間
CHRの喪失、白血球数の増加または死亡を病態の悪化(増悪)と定義した。109例中34
例(31.2%)が無増悪生存であった。無増悪期間中央値は5.6ヶ月であった、病態が悪化
した75例中20例が病態悪化、55例が死亡であった。無増悪生存期間、全生存率は24ヶ
月でプラトーに達しておらず、それぞれ約20%、約38%であった。

C.リンパ芽球性急性期慢性骨髄性白血病
海外臨床第II相試験
対象
イマチニブに抵抗性あるいは不耐容のリンパ芽球性急性期CML患者48例に対して1回
70mg、1日2回投与し、無効の場合には1回100mgまで増量可とした。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果:ダサチニブ投与期間中央値2.9ヶ月でCHR29.
2%、MCyR52.1%、CCyR45.8%であった。
無増悪生存期間および全生存期間
CHRの喪失、白血球数の増加または死亡を病態の悪化(増悪)と定義した。48例中8例
(16.7%)が無増悪生存であった。無増悪期間中央値は5.6ヶ月であった、病態が悪化し
た40例中12例が病態悪化、28例が死亡であった。無増悪生存期間、全生存率は24ヶ月
で、それぞれ約4%、約26%であった。

D.フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
1.国内臨床第I・II相試験
対象
前治療に対し治療抵抗性であるか、不耐容のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性
白血病症例13例に対して、開始用量を1回70mg(1日2回)とし(第I相試験で忍容性が認
められた)、3ヶ月間(12週間)連続経口投与を行った。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果
ダサチニブ投与期間中央値11週で、血液学的Major寛解(MaHR)は38.5%、MCyRは
53.8%およびCCyRは46.2%に得られた。
2.海外臨床第II相試験
対象
前治療に抵抗性あるいは不耐容のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の
患者に対して、1回70mg、1日2回投与し、無効の場合は1回100mgまで増量を可能とし
た。また、有害事象により2段階(1回50mgおよび40mg)の減量を可能とした。
血液学的効果および細胞遺伝学的効果
ダサチニブ投与期間中央値3ヶ月で、CHRは34.8%、MaHRは41.3%、MCyRおよび
CCyRはそれぞれ56.5%、54.3%に認められた。
無増悪生存期間および全生存期間
CHRの喪失、白血球数の増加または死亡を病態の悪化(増悪)と定義した。46例中9例
が無病生存であった。無増悪期間中央値は3.3ヶ月、病態が増悪した37例中27例(イマ
チニブ不耐容例1例、イマチニブ抵抗性例26例)が脂肪、10例(イマチニブ抵抗性例)が
病態の悪化であった。全例の2年無増悪生存率は約12%、全生存率は約30%であっ
た。

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