口腔ケアチーム



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口腔ケアパンフレット



Q1.なぜ口の中を清潔にしておくことが大切なのでしょうか?
 口の中には多くの細菌が存在します。唾液1gの中には1000万個、歯垢1gの中には
10億個の細菌が存在すると言われています。普段は、唾液が口の中を洗い流し、細菌
に対しての抵抗力もあるので口内炎ができることはありません。しかし、治療を行うと、
薬の作用により口腔粘膜に障害と炎症を生じます。また、白血球が減少することで感染
しやすくなり、口の中に炎症が起こりやすくなります。口の中の炎症は、一般的に治療を
始めてから2〜10日で出現し、治るまでに2〜3週間かかります。
 口の中を正しくケアしておかないと、この炎症が重症となり、強い痛みとなります。痛み
どめをしても食べられない・眠れないなどの苦痛が現れることが多く、体力が低下しま
す。炎症部位から細菌が血液の中へ侵入し、全身にも影響を及ぼし、感染症を引き起こ
す恐れもあります。@口の粘膜障害の予防、A口腔粘膜障害の発症を遅らせること、B
口の中の細菌を減らし、粘膜障害の重症化の予防をするためには、治療前からていね
いなブラッシングとうがいを多く(頻回に)することで、口の中の清潔を保つことが重要で
す。

Q2.なぜ、治療前から口腔ケアをしなければならないのでしょうか?
歯垢とは、「歯の表面についた白っぽいネバネバ」のことで、これは単なる食べカスでは
なく、生きた細菌の大集団が苔のようにへばりついた状態です。この歯垢をほっておく
と、2日ほどで歯石という固い物質になってしまい、歯科医に行かないと取れなくなりま
す。治療前から正しいブラッシングとうがいの習慣をつけて、口の中と歯肉を良い衛生状
態に保つことが大切です。

Q3.では実際の口腔ケアの方法は?




 歯垢を取り除くためには、ブラッシングが重要です。歯石はブラッシングでも取り除けま
せんので、歯石にならないように毎日ブラッシングを継続してください。食べた後は、歯
垢がたまる前に、きちんと歯磨きとうがいをしましょう!口の中には常にたくさん細菌が
います。歯磨き、うがいをした直後、細菌はほとんど消えますが、2時間もすればもとの
細菌の量に増殖します。食事がとれない場合や、吐き気があったりしてしんどい時でも、
最低1日1回、寝る前にていねいな歯磨きと、頻回に水うがいをしましょう!!痛みが強
い時期は粘膜に触るだけで苦痛ですが 、汚れた状態で放置すると粘膜は二次感染を起
こし、ますます悪化します。やわらかくヘッドの小さい歯ブラシに変えたり、スポンジブラ
シで磨いたり工夫をして、口の中の清潔を保ちましょう。
治療が始まると、口腔乾燥が現れる可能性が高くなります。口腔粘膜の障害の予防に
は口の中の湿潤(潤っている事)と清潔が、最も重要です!!口の中が乾燥していると、
唾液の分泌が少なく、細菌が繁殖しやすい状況になります。その時はうがいを頻回に行
い、口の中の菌を減らしましょう。特に起床時、食前は、唾液の分泌が少なく、口腔内の
菌の量が多い時です!水でガラガラ・ブクブクうがいをすることで、菌の量を減らしましょ
う。予防的に、唇にはリップクリーム、口の中には潤滑クリームや保湿剤の使用をお勧
めします。保湿剤はサンプルやカタログがありますので、ご相談ください。


 
 歯の磨き方は自己流になっていませんか?正しいブラッシングの方法を身につけて継
続してください。自分の口に合った口腔ケア用品や効果的なケア方法について、歯科医
や歯科衛生士から指導を受けることができます。口腔内のチェックや歯石除去・虫歯治
療も重要です。定期的に歯科を受診するようにしてください。
     

Q1.歯ブラシの選び方は?
・柄はまっすぐで、小さ目のヘッド(前歯2本分くらいの大きさ)でシンプルなもの。ソフト、
やわらかい毛の歯ブラシを使いましょう。
取り替え時期は1ヶ月に1回。(感染しやすい状態の時は1週間に1本程度。)たとえ毛先
が広がっていなくても毛の弾力が弱くなっています。
・歯ブラシは水でよく洗い、乾燥させて保管しましょう。

Q2.ブラッシングの方法は?
基本的に歯ブラシは力が入りすぎないように鉛筆持ち(ペングリップ)にしましょう。
・歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの間にあてて、歯ぐきを痛めないように、歯と歯ぐきの境
目を意識して、やさしく磨きます。歯ブラシで磨くというよりも、ブラシのコシを使ってすく
いとるようなイメージでします。
歯ブラシは毛先を意識して、1ミリ幅の気持ちで小刻みに動かし、1〜2本ずつ丁寧に
磨きます。大きく動かしすぎて横磨きにならないように注意します。
・表側の正面と左右、裏側の正面と左右の6つの方向から1本ずつ丁寧に磨いていきま
す。歯並びの悪い方に特にお勧めです。
・前歯や奥歯、裏側を磨くときは、歯ブラシを図のように45度の角度で当てて毛先を歯
と歯ぐきの隙間に入らせ、細かく振動を与えるように磨きます。
磨きにくいところは歯ブラシを縦向きに
使用するとよいでしょう。

・噛み合わせ面は毛先をぴったり当てて、細かく動かします。
・ブラッシングの順番を自分のしやすいように決め、いつも決まった場所から1つの歯も
残さないように、丁寧に磨きます。特に上下の前歯や歯の裏側は、磨き忘れてしまうこと
が多いので、意識して磨きましょう。鏡を見ながら歯ブラシを当てる場所を意識して磨き
ましょう。

★磨き残して歯垢がたまりやすいところは…★
   ・歯と歯ぐきの境目   
  ・歯と歯の間
   ・歯並びが悪いところ
   ・まばらに残った歯
   ・前歯の裏側
   ・奥歯の後ろ
   ・治療したあとのところ

Q3.磨きにくいところを磨くには?
・歯と歯ぐきの境目は、毛先をほんの少し歯肉に入れるような感じで当てるとよいでしょ
う。力を入れて磨くと出血をしたり、歯肉を痛める原因になります。
・歯と歯の間は歯ブラシの毛先を歯間に挿入するようにして磨く方法があります。デンタ
ルフロスや歯間ブラシ、ヘッドの小さいワンタフトブラシを使用すると磨きやすくなります。
・歯並びの悪いところや、まばらに残った歯は、歯ブラシを入れる角度を工夫して、ブラ
シの先端や側面、かかと(後端)を使い分けましょう。それでも磨きにくい場合は、ワンタ
フトブラシを使う方が効果的です。
・奥歯の後ろや前歯の裏側など鏡で見ても見えない部分は、デンタルミラーを使用すると
汚れが確認できます。

Q4.舌の上に白いものがついているのは?
舌の上に白色または黄色のコケのようなものがつくことがあります。これは死んだ細菌
や粘膜のはがれた細胞、食物ののこりかすなどがついています。うがいだけでは取り除
くことができないので、舌ブラシや、やわらかい歯ブラシできれいに磨いて除去しましょ
う。
・できるだけ舌を前に出し、気持ちが悪くならない程度に舌の奥までブラシを入れ、毛先
を舌の表面に当て、舌の奥から前に向かって軽い力で動かします。
・水でぬらしただけのブラシを使いましょう。

 




きちんと入れ歯の手入れもしましょう。細菌の繁殖の場になってしまいますよ。
1.入れ歯の種類
部分入れ歯(局部義歯)          総入れ歯(総義歯)

2.入れ歯の特徴と注意点
●プラスチック製の入れ歯は吸水性があり、汚れや細菌が付着しやすい。
●臭いなども吸着されやすく、清掃を怠ると口臭発生の原因になります。
●装着中は、粘膜と入れ歯との隙間に細菌が繁殖しやすい環境にあります。
●プラスチックはキズがつきやすく、間違った手入れ方法で入れ歯の表面にキズをつけ
るとさらに細菌が付着しやすくなります。
●噛むことによって入れ歯が微妙に動き、軟らかい粘膜面をこすって刺激します。その
ため粘膜は傷がつきやすく、入れ歯を不潔にしておくと口内炎などができやすくなりま
す。
■入れ歯の清掃が不充分だと……
*義歯性口内炎の原因になります。
*口臭の原因になります。
*入れ歯に色素沈着や歯石沈着がおこります。
*部分入れ歯の場合、維持装置(クラスプ・バネなど)のかかっている歯や残っている歯
がムシ歯や歯周病になりやすくなります。
3.入れ歯の清掃方法
毎食後、入れ歯をはずして清掃しましょう。
ブラシによる機械的清掃と義歯洗浄剤による化学的清掃の併用が理想です。
一日一度は義歯洗浄剤で殺菌洗浄しましょう。
入れ歯をはずしにくくなったり、はめにくくなった時は、無理して、はずしたり、はめたり
しないでください。また痛みがあるときは、入れ歯が合わなくっていたり、入れ歯と隣接す
る歯に何らかの原因で歯肉の炎症が起こっていることがあります。早くに、主治医に報
告し、歯科受診を依頼してもらいましょう。


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