EDUCATION

Research Guidance

国際基準に則ったエビデンスに基づく診断力を身につけた臨床医の育成には,診療に必要な基本的技術と知識力の関係を縦軸と横軸の正の相関関係で習得していく必要があります.さらに,法的・倫理的な側面を含めた社会的コミュニケ―ション力も身に着けなければ,全人的医療を提供できる良医とはいえません.

法医学の視点から見ると,初期臨床研修のなかでは,診療のなかで受療者の傷病に関わる固有の法的問題の感知と医療が受療者に及ぼす危険の回避を実践できる能力を養えるように支援し,臨床医が活躍しやすい場を作ることが重要な役割であり,法医実務を臨床医学へフィードバックできる体制づくりが,卒後教育の基盤であると考えます.

法医学が果たす役割は,社会的センスを養う場を提供することにあり,法医実務の社会的意義が再認識されるよう臨床研修システムを充実させるために,様々な傷病に関する知識を学ぶ過程で,臨床医学的知識や臨床技能の向上とともに,法の精神の理解を法医・社会医学的視点をもって学ぶことが大切と思われます.

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