本文へスキップ

正しい食事は、主食、主菜、副菜のバランスから 超簡単 1:1:1お弁当箱栄養管理法!                        OCT 14.2022

1:1:1お弁当箱栄養管理法とは..

 生活習慣病が気になる方の生活改善ポイントとして、毎日の食事での栄養素バランスの改善が大切です。
 
しかし、朝食や夕食はご自宅での管理ができても、昼食は外食や市販のお弁当をご利用される方が多いのではないでしょうか。
 そこで、今回お手持ちのお弁当箱を使って簡単に栄養価を判定するだけでなく、栄養素のバランスも考えた食事ができる「1:1:1お弁当箱栄養管理法」を提唱することにいたしました。

1)1:1:1お弁当箱栄養管理法の概念
2)なぜ、1:1:1なのか
3)バランスの良い食事とは
4)あなたにあった主食量とは

1)1:1:1お弁当箱栄養管理法の概念

 大阪公立大学医学部附属病院では、病院給食で提供する料理や管理栄養士がそれぞれ料理を持ち寄り、370食以上の詰め合わせを調査し、 主食:主菜:副菜を1:1:1の割合で詰めた174食の結果、その容量と重量に強い関係があることを確認しました。
 
 


 今回提唱する「1:1:1お弁当箱栄養管理法」では容量と重量から概ねの栄養価を把握することができるとともに、バランスの良い食事で、かつ体に合った一定の食事量を毎日継続することが可能となります。
 正確な食事の栄養価を知るためには、各食品の量から栄養価を計算する必要がありますので、主治医、担当管理栄養士にご相談ください。

【お弁当に詰めるコンセプト】
 ① 主食、主菜、副菜を1:1:1の割合で詰める
 ② 料理が動かないようにしっかり詰める
 ③ 同じ調理法のおかずを重ねない
(油の多い料理は1品にする)
 ④ おいしそうにきれいに詰める
  ※おいしそうに詰めることが何より大切です。

Top

2)なぜ、1:1:1なのか

 私たちの食事環境、特に外食では、「食べ放題」や「大盛サービス」などお得感を煽ったサービスがよく見られます。
 健康な方であれば、時折のイベントで利用されても問題ないかと思いますが、生活習慣病の方(特に肥満が問題となる方)には、大きな問題となります。
 最近の飲食店では、1食の栄養価をメニューに表記されているところもたくさんありますので、注文の際には確認してみましょう。

★何を食べ過ぎているのか? 2つの視点から考えてみましょう。

1.食事量全体の食べ過ぎ(総エネルギーの過剰)
 血糖が気になる方の標準的な摂取エネルギー(カロリー)量の設定は、標準体重から求めることができます

【Step1】
  身長(m) × 身長(m) × 22 = 標準体重(kg)

   例えば、身長が165㎝の方なら、身長をまずm(メートル単位)に換算し

   1.65(m) × 1.65(m) × 22 = 59.9(kg)

   標準体重は、およそ60kgとなります。

【Step2】
  摂取エネルギー(カロリー)量は、 標準体重 1 kg に対し 25~30 kcalとされて
 いますので、

  60(kg)× 25~30(kcal) = 1500 ~ 1800 kcal
                                 となります。

 一般的な外食では、食べ方によっては1食で1000 kcalを超えてしまう食事も少なくありませんので、注意が必要です。

2.糖質(炭水化物)の食べ過ぎ
 食事量全体の食べ過ぎでは、エネルギーとなるたんぱく質、脂質、炭水化物などすべての栄養素の摂り過ぎとなりますが、炭水化物の摂り過ぎは、食後早期に血糖を上昇させる糖質の過剰摂取となり血糖に大きな影響を与えます。
topimg

 糖質(炭水化物)は、特に食後の血糖が高くなりますので要注意です。

 外食では、ラーメンとチャーハンや、うどんと丼物などのような主食となる食品のまとめ食べに要注意です。

 1:1:1お弁当箱栄養管理法では、主食の量を最適に設定し、一定に保つことができます。
 ※ 炭水化物には、血糖を上げる「糖質」と血糖を上げない「食物繊維」を含みます。
     
 当部では、これらの問題点を、一度に解決する簡易な方法として、食事の全体量だけでなく、各栄養素もバランスよく摂取できる「1:1:1お弁当箱栄養管理法」を提唱いたします。
Top

3)バランスの良い食事とは

★食事に求めるバランスとは、「食事の組み立て」と「食品の組み合わせ」!

1.食事の組み立てを考えたバランス
  バランスの良い食事には、主食、主菜、副菜を正しく組み合わせることが大切です。
   
   
 ※プラスアルファとして「牛乳、乳製品」 や「くだもの」もミネラルやビタミンを多く含
  む食品として有効です。
 ※主食、主菜、副菜をそろえて食べることで、様々な栄養素が摂取できることとなります。

2.エネルギー(カロリー)摂取からからみた栄養素のバランス
  食べ物をたべることで、私たちは栄養素から体の熱や力の源であるエネルギーを体に取
 り入れます。
  ごはんに多く含まれている「炭水化物」はそのエネルギー源の代表選手ですが、たんぱく
 質や、脂質からも私たちはエネルギーを得ています。

  エネルギーを生み出す栄養素
   たんぱく質  1g あたり おおよそ 4kcal
   脂質     1g あたり おおよそ 9kcal
   炭水化物   1g あたり おおよそ 4kcal
   (アルコール 1g あたり おおよそ 7kcal)
  
※ビタミンやミネラルなど他の栄養素はエネルギー源になりません。

  食品は、それぞれ固有の割合で多様な栄養素を含んでいます。私たちは、主食、主菜、副
 菜として食物を食べ、それらの食品全体に含まれている、炭水化物、たんぱく質、脂質を吸
 収し、エネルギーに変換して利用しているのです。
  厚生労働省では、私たち日本人の食事状況を調査し、日本人の食事摂取基準2015版とし
 て、エネルギーを生み出す栄養素の目標値を発表しています。(PFC比)

     たんぱく質(P) : 脂質 (F) : 炭水化物(C)
      13~20%  : 20~30% : 50~65%


  この割合を、具体的な事例に当てはめてみましょう。
  日本人の食事摂取基準2015版(厚生労働省)では、50~69歳男性で、身体活動レベルが
 「ふつう」の方の「推定エネルギー必要量」が 2370 kcal となっていますので、この配分
 を当てはめると、

   たんぱく質 (20%) おおよそ  490kcal (123g)
   脂質    (25%) おおよそ  613kcal ( 68g)
   炭水化物  (55%) おおよそ 1348kcal (337g)

                               となります。
Top

4)あなたにあった主食量とは

   
  外食で提供される一般的な「丼物」のごはん量は、概ね280g~300gあり、
 約500kcalの摂取となります。また、めん類のめん1玉は、約240kcalありますので、
 「丼ぶり物+めん類」や「ラーメン+チャーハン」といった外食の定番定食メニューでは、
 1食の「ごはん」や「めん」だけで一般男性の1食分のエネルギー820kcal(1日分の
 「推定エネルギー必要量 2370 kcal 」のおよそ1/3)を占めてしまいます。
  また、「ごはん」や「めん」は糖質(炭水化物)を多く含む食品でもあり、注意が必要で
 す。
  バランスの良い食事とは、主食、主菜、副菜が適正な配分で揃っていることが大切です。
  まずは、その軸足となる主食について血糖管理が必要な方を例としてご紹介いたします。

 例)標準体重(目標体重)が60kgの場合
    摂取エネルギー(カロリー)量= 標準体重(kg) × 25~30 kcal
      60(kg)× 25~30(kcal) = 1500 ~ 1800 kcal
となります。
   設定する摂取栄養量を、1500~1800kcal → 1650 kcalとしましょう。

 ※順を追って主食量(ご飯の量)を考えてみましょう。
炭水化物のエネルギー比を55%とした場合のエネルギー量 908 kcal 
炭水化物量(1g当たり4kcalとして) 227  g
炭水化物量全体に対する主食の炭水化物量(75%として) 170  g
昼食に割り振る炭水化物の割合(朝30%、昼夕35%として) 60  g
炭水化物量をご飯量に換算(ごはん100当たり炭水化物量37.1gとして) 161  g
望ましい主食量(炭水化物エネルギー比が50%から60%を想定して) 145~175  g
 ※標準体重60kgの方の主食量は145g~175g程度が理想的と言えそうです。

 【実際のお弁当箱(850mlタイプ)にご飯を詰めてみました】

  お手元のお弁当箱でいつものご飯の量を調べてみませんか?
  あなたに最適な主食量をお弁当箱に詰めてみましょう。
  適切な主食量がおおむね1/3量になるお弁当箱に、主食:主菜:副食が1:1:1にな
 るように詰めてみてください。バランスの良い食事量になるかと思います。
 
 ★当院では、これらのコンセプトをもとに、
   
配分と量で理想的な一食を学ぶ1:1:1バランス弁当
  の販売を始めました。食のベストバランスを考えるお役に立てていただければ幸いです。