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神経精神医学教室を代表して一言ご挨拶申し上げます。
当教室は、本学の前身である大阪市立医専に昭和 20年に開講し、平成 7年には開講 50周年を迎え、現在は 71年目にあたります。旧帝国大学のように 100年を超える歴史ではありませんが、戦後間もない頃からしがらみなく自由闊達に精神医学に向き合ってきた教室としての歴史と伝統には誇るべきものがあります。附属病院は大阪市内中心部に位置し外来患者数の多さは日本でも有数であることから、臨床を中心とした研究は当然としながらも、脳病理、生物学的研究など様々な研究活動を行ってきました。そしてこれまでに多数の優れた臨床医、研究者を輩出し、その活躍の場は大阪を中心としながらも全国に広がっています。
私自身の経歴を少し述べますと、入局後切池信夫名誉教授(前教授)に師事し、摂食障害の臨床や生物学的基盤研究を行っておりました。摂食障害は食物に関する嗜癖行動がその病態の中心とも考えられ、脳内機序の検討や認知行動療法的アプローチなどを行ってきました。心身相関の良いモデルでもあり、摂食障害を診療することで得た病態理解や治療技術は他の疾患にも応用できるものが多いように思います。その後、労働者の燃え尽き ( Burnout) と関連する仕事依存 ( Workaholic) 的心性は摂食障害の依存症的心性と類似点があると考え、産業精神医学をその活動分野としております。国は近年様々な法律を作って労働者のメンタルヘルス不調の一次から三次予防を試みるようになっており、その流れとともに我々の研究や活動が評価され、産業医活動などを含めて更なる広がりを見せています。
当教室は様々な分野の専門家が集まり、かつ垣根を作らず連携して臨床や研究を行っています。うつ病、双極性障害、不安障害、統合失調症、児童思春期精神障害、老年期精神障害、嗜癖性障害など、精神医学の領域は極めて広いので、これから専門をお考えの先生であっても興味を引く領域が必ずあると信じています。私は後輩の育成においてもこれまでの自由闊達な風土を重視しています。まずは先輩医師について基本的な知識、臨床手技や研究の進め方をしっかりと学んでいただきますが、その後は、各医師が様々な自己実現に向かって羽ばたいていただきたい、それを応援したいと思っています。興味をお持ちの方はぜひお気軽にご連絡を下さい。
神経精神医学 教授 井上幸紀