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大学院医学研究科

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大阪市立大学

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核医学教室

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Osaka City University

Department of Nuclear Medicine

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医学部附属病院

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核医学科

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核医学教室 河邉讓治

核医学検査の原理と実際 臨床編 Gaシンチ

1ヶ月ぶりじゃな。みんな元気じゃったかな?今月は、Gaシンチと骨シンチについて語ることにしたわい。あんまり多くて体がもたんというメールもあっての。他のシンチは、後日別の機会でしゃべるからの。解ったか?

わかりました。でも、K先生、言葉遣いがなんか変よ。

よそいきでしゃべるのに疲れてしまったんじゃ。このほうが良いんじゃ。
それでは、今日はまず、ガリウムシンチについて話をすることにしる!

先生は実はチャネラーだったのね。言葉遣いが

先生、無理しなくても良いのよ。で、ガリウムシンチってなあに?

ガリウムシンチというのは、1968年に世界ではじめてEdwardとHayesらが悪性リンパ腫であるホジキン病の頚部リンパ節の描画にして以来、全世界で広く使われた腫瘍シンチ製剤じゃ。悪性病変の検出に現在でも広く用いられている。また、炎症にも集積するので炎症性疾患の診断にも使われるのじゃ。

何で悪性腫瘍に集積するの?そのメカニズムは?

非常に難しい問題じゃ。まだ、解明されておらんのじゃ。ただ、いくつかの説が唱えられておりだいたいこうじゃろうというところまではいっておる。そのうち、非常に有力な説に 

血管内にGaを注射する。すると、Gaは、血中のトランスフェリン(Tf)と結合して血液中を流れていくのじゃ。
やがて腫瘍細胞のところまで来るとトランスフェリンレセプターを介してGaが腫瘍細胞中に運び込まれると言う仕組みじゃ。

集積の仕組みはさておき、Gaシンチが実際にどんな病気に有用か下の表をみてごらん。

先生、ガリウムシンチはこの前のFDG-PETに比べたら保険適応がアバウトですね。いろんな、疾患に使えちゃうのね。

炎症性病変っていっても検査する前に病名わからないと思うんだけどなあ。

無論、検査をすることで初めてわかる病名もある。でも、どこに病気があるか分わかっている場合も多いじゃろう。治療した結果どうなったか知りたいこともおおいんじゃよ。検査というのは

腫瘍検査に当てはめるとどうなるの?

1は、病変の検出。2は、治療方針の決定。3は、治療効果の判定。4は経過観察や再発の検出ということじゃ。

先生、難しいことはいいから、画像見せてください。ボク、ガリウムシンチって見たことないんだよ。

向かって左がガリウムシンチの正常像だ。Gaは正常像で強く集積する部位がある。これをよく理解しておく必要があるのじゃ。向かって右の図に書き込まれた矢印は生理的なRI集積の部位を示しているんじゃ。ここに見られる集積は異常じゃないということだ。

これは、正常の場合のガリウムシンチで病気のある人のじゃないんだね。病気の人の画像はどうなっているの?

これから見ていくとしよう。Gaシンチの有用症例というとまず、悪性リンパ腫ということになる。アメリカにおける悪性腫瘍のガリウムシンチ検査のためのガイドラインでは、下にあるとおりなんじゃ。それじゃ、悪性リンパ腫を例にして悪性腫瘍に対するガリウムシンチをせつめいするぞ。

だから早く画像を見せてツーの。

まあ慌てるなぃ。ギコくんは悪性リンパ腫がどんな病気か知っているのか。ガリウムシンチをどう使うかという事を理解してもらうためにまず、説明じゃ。

そんなの知ってるよ。早く画像を見せてよ。

じゃ、説明してごらん。

悪性リンパ腫というのは、白血球のうちのリンパ球のがんです。
ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があります。日本人は非ホジキンリンパ腫が9割程度です。

非ホジキンリンパ腫は、リンパ節が多いが全身どこにでも発生します。
いろんな種類がありますが日本ではB細胞リンパ腫が多いそうです。
年齢分布は60歳代で高齢者に多い。

初発症状は頚部や、腋窩、鼠径、などリンパ節が腫れてくるが痛みは無いことが多い。
そのうち、熱発、体重減少、全身倦怠感、寝汗、かゆみなどがでてくるのです。
確定診断は腫れたリンパ節に針を刺して細胞を取り出し病理学的に調べます。

すごい!

                          で、治療はどうなるんですか?

治療をするために病期分類を行う必要があるんです。つまり、病気の広がりによって治療方法が変ってくるんだ。

この分類法を

次に図をクリックしてごらん。
II期は、図のように、

もう1回クリックして、
III期は、

最後にもう1回クリックして。
IV期は

治療は、原則的にはI,II期には放射線治療を中心に治療を行うのじゃ。III、IV期になると化学療法が中心になる。

たから、悪性リンパ腫であるとわかっても、病期がどの状態であるのかを把握することはとても大事なんじゃ。

通常、病期診断には、触診、視診、頚部、胸部、腹部、骨盤部のCT,血液検査、骨髄検査、超音波検査などおこなうのだが、核医学検査である

左の図を見てごらん。
ガリウムシンチやFDG-PETは全身撮像ができるのに被曝はそんなに多くないんじゃ。それに対し、CTは頚部、胸部、腹部、骨盤部と多くの場所を撮像しなければならないので被曝がおおいんじゃ。まあ、それほど問題になる量ではないがの。

ガリウムシンチは、全身撮像できるが被曝は少ない。また、全身診ることができるので、病期分類に非常に有用。また、後でいうが悪性リンパ腫はガリウムシンチで強い異常集積を示すことが多いので、状況証拠から悪性リンパ腫の診断を早期に予測することができる。治療の準備ができるんじゃ。

では、ガリウムシンチ画像を見てもらおうか。

やっと、画像だ。遅すぎるぜ、ゴルァ!

64歳男性。右頚部腫脹で受診。

はじめの正常像とは全然違うぜ。上から、頚部右側、両側鎖骨上窩、左腋窩、両側肺門部、傍大動脈部、両側鼠径部に強いガリウムの異常集積が認められるな。

そうじゃ、悪性リンパ腫は強い異常集積を示すことが多いんじゃ。あと、左骨盤骨(腸骨)転移もあるぞ。

先生、この症例は、横隔膜の上下に病変部があり、骨転移もあるから病期はIV期になるのね。と言うことは、全身化学療法が治療法ね。

CHOP療法という化学療法を6クールしたんじゃ。

でどうなったの?そうか。治療効果判定にまたガリウムシンチが有用なのね。

ルミ子君。なかなか冴えてるね。治療終了3ヶ月後に再びガリウムシンチをしたんじゃ。

あら、異常集積が全部消えてるわ。と言うことは治療成功?

一応ね。このあと、半年から1年ごとに再発していないかチェックをしていくことになるんじゃ。その時にもガリウムシンチが役立つというわけじゃ。

55歳男性。右精巣原発の悪性リンパ腫で病期診断中、皮膚に病変出現。

なんじゃ、こりゃ。

もしかして、これは悪性リンパ腫の皮膚転移?

そうじゃ、こんな形で病変出現じゃ。
そこでガリウムシンチをしてみたんじゃ。

さっきの足の写真に一致するのが右下腿の異常集積だね。あと、右精巣や、左鼠径部、そして、腹部にも小さな異常集積があるね。これはみんな悪性リンパ腫なの?

そうじゃな、みんな悪性リンパ腫じゃ。右精巣と皮膚と、リンパ節外の病変が多いのでIV期じゃ。この人も結局CHOP療法6クールしたんじゃ。

そして、終了6ヶ月後、

さすが全身化学療法ね。治療前の異常集積は全部消えているわ。

ところがじゃ、気の毒なことにさらに6ヶ月後

胸部の皮膚に再び病変が出現したんじゃ。

そこで、再びガリウムシンチじゃ。

胸部右側から腹部にかけて、強い異常集積が連なって存在している。これらは、側面像でもわかるようにすべて、胸部腹部表面の皮膚病変じゃ。また、後面像(POST)で小さな病変が描画されている。

この患者さんは再び化学療法をすることになっているんじゃ。

この様に、悪性リンパ腫でも、それ以外の悪性腫瘍でも、ガリウムシンチは、

せんせい、悪性腫瘍以外にも炎症性疾患でもガリウムシンチというのは使うんでしょ。どんな症例で使うのか説明してね。

炎症性疾患は、おもに、その

43歳男性。徐脈性の不整脈で原因精査と治療目的で入院した。心サルコイドーシスの除外目的でガリウムシンチを施行した。

サルコイドーシスは

心筋に発生すると

一方、心サルコイドーシスとわからずに見過ごされると、結局、ペースメーカを入れることになりかねません。

このサルコイドーシス病変に対してもガリウムは明瞭に集積するんじゃ。

このガリウムシンチ像で病変は矢印で示したところにある。上から2番目の矢印は心臓部を示している。つまり心サルコイドーシスに対するガリウムの異常集積を示しているわけじゃ。

これは、上の症例の心臓部のSPECTじゃ。やはり、矢印で示すように心臓の筋肉に一致するように赤くなっておるじゃろう。

で、この後ステロイド治療をしたんですか?

そうじゃ、ルミ子君はよくわかるのう。下に、治療後のガリウムシンチを示すぞ。

ステロイド治療って効くのね。

前回見られた異常集積が今回全くなくなっているわ。

まったくだ。こんどは、この時のSPECT画像を見せるぞ。

SPECTでは、まだ矢印のところの心筋に異常集積が残っておるのじゃ。したがって、ステロイド治療をもう少し継続することになったんじゃ。症状はそれなりに回復しているんじゃが。

このように、炎症性疾患でも、

次は、ガリウムシンチの検査で検査目的として非常に多い、不明熱の原因精査じゃ。

 

症例は、38歳男性、不明熱が続くのでガリウムシンチを施行。

右の鼡径部に強い異常集積が見られるわね。これが不明熱の原因だったの?でも、わからないものなのかなあ?

ガリウムシンチの画像を見てから、そこを見たらしいけど表面からはわからなかったらしいよ。

ここに、針を突き刺して生検してみると、なんと、ノカルジアというカビがここから出てきたそうじゃ。やっぱり、ここが不明熱の原因じゃったんじゃ。

ということで、切開して洗浄し、抗真菌剤を投与して3ヶ月後再びガリウムシンチをしたんじゃ。

異常集積は全くなくなっているわ。

これで安心して退院できるというものじゃ。治療効果を

 

まあ、これで、ガリウムシンチは終了。次は骨シンチじゃ。

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