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子宮筋腫
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MEA(マイクロ波子宮内膜アプレーション)について
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どんな病気?
子宮筋腫は、子宮を形成している筋肉の一部が変化してできる良性腫瘍で、子宮にできる腫瘍のなかでは、もっとも頻度が高いです。
腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍の二種類があります。悪性腫瘍の代表的なものが癌(がん)、良性腫瘍の代表的なものが筋腫です。悪性腫瘍は、浸潤(しんじゅん)や転移をすることで周囲の細胞を破壊しつつ広がっていきますが、良性腫瘍は他の細胞を破壊することはなく、周りの正常な筋層を押しのけながら、時間をかけて少しずつ成長していきます(サイズが大きくなる)。良性腫瘍が生命にかかわることは基本的にはありません。
子宮筋腫は、成人女性の3人に1人が持っているといわれていますが、まれに20歳以下の女性や閉経後の女性にも発生することがあります。
こんな症状があらわれます
子宮筋腫は無症状のことも多いのですが、筋腫が大きく成長すると強い月経痛や過多月経(月経時の出血量が多いこと)、不正出血、出血過剰による貧血症状(息切れ、めまい、顔色不良など)、また不妊症の原因となる場合もあります。直腸や膀胱を圧迫し便秘や尿が近くなるという症状もあらわれます。 これらの症状のうち、過多月経、月経痛、不妊は子宮筋腫の三大症状と言われています。
子宮筋腫イラスト
こんな検査で診断します
「問診」「内診」「超音波検査」「MR2検査」で子宮筋腫の診断ができます。
MR2検査の結果、悪性の病気(筋腫によく似た悪性の病気に内腫という病気があります)が否定できない場合には大阪市大が開発した針生検法にて診断します。
こんな治療法があります
子宮筋腫の治療は、筋腫の状況によって異なります。
子宮筋腫は良性の腫瘍ですので、無症状の場合や、症状が軽い場合には経過観察を行って様子を見ます。強い症状がある場合や筋腫が大きく成長した場合には、対症療法(鎮痛剤・止血剤・鉄剤・漢方など)、ホルモン療法、手術療法などの治療法があります。
手術療法としては、筋腫のこぶだけをとる筋腫核出術と、子宮全部をとる子宮全摘術があります。筋腫核出術は、今後の妊孕性(にんようせい:妊娠の可能性)を残したいという希望がある方にお勧めの方法です。
手術の方法も従来の開腹術から腹腔鏡手術へ変わってきています。その適応は施設の設備や技術により異なります。
過多月経の治療には子宮温存できるマイクロ波を用いた子宮内膜焼灼術という方法もあります。
関連リンク
特記事項
  • 2011年2月10日更新