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不妊症
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不妊症とは?
日本では妊娠を希望されているご夫婦が2年以上妊娠に至らない場合を不妊症といいます。世界的には1年以上妊娠されない場合を不妊症と定義する場合が多いです。
現在、結婚年齢の上昇により、結婚後妊娠可能な期間が減少しています。挙児を希望される場合、不妊症の定義にとらわれることなく検査治療を開始すべき場合が多く存在しています。
不妊の原因
不妊となる原因は様々です。卵・精子の形成から受精、着床にいたる過程のいずれかに問題があれば、妊娠が困難となります。現在では男女ともに、半々程度の割合で原因があると考えられています。
  1. 男性因子
    精子減少症、精子無力症、無精子症、射精障害
  2. 女性因子
    様々な排卵障害、子宮筋腫、子宮内膜症、高プロラクチン血症、卵管閉塞
不妊症の検査
精液は精巣で形成され、男性生殖管を通り、膣内に射精されます。その後子宮頸管、子宮内膜をへて受精の場である卵管に到達します。
卵は卵巣で成熟し、腹腔内に排卵され、卵管に取り込まれます。卵管において受精が行われ、受精卵は卵管内を子宮内膜に向け移動します。子宮では子宮内膜が妊娠成立に向け変化し、受精卵の到着を待ちます。上手く着床すれば妊娠成立です。この過程の何処に問題があるのか、不妊症に対する検査はそれをそれぞれ検査していくことになります。
女性の検査
基礎体温、女性ホルモン検査、超音波検査などで排卵に関する因子を検討します。超音波検査、子宮卵管造影検査、通水検査などにより子宮卵管の形態異常を検査します。高温期には、排卵後の内膜の状態を超音波で検査し、妊娠維持のためのホルモン検査を行います。
男性の検査
基本的には精液検査を行います。特に問題が無ければそれで終了ですが、異常を認めれば、泌尿器科的検査を行うこととなります。
夫婦間の因子に関する検査
妊娠成立には、男性女性それぞれに原因が無くとも、夫婦間での問題がある場合があると考えられます。それに関しては多くはわかっていませんが、ヒューナー検査という精子が子宮内に到達しているかどうかの検査、抗精子抗体検査がなされています。
こんな治療法があります
以上の検査で原因が判明すれば、原因除去のための治療を行います。しかしながら、明確な原因が判明しない場合もしばしばです。原因が複合している場合、受精着床障害、卵管の機能異常など、従来の検査法では検査の仕様がない問題が存在すると考えられます。
明らかな原因が存在しない場合は、妊娠の確立が高い方法を段階的にとって行くということになります。

◆タイミング療法 
◆薬物による排卵誘発法 
◆人工授精 
◆体外受精に代表される生殖補助医療

30代になると年齢が上昇するにつれ、妊娠確立は低下してきます。30代後半の場合は、従来の不妊症の定義にとらわれることなく、検査治療をお受けになることをお勧めいたします。
関連リンク
特記事項
  • 2011年3月3日更新