本文へスキップ

大阪市立大学大学院医学研究科 総合医学教育学/大阪市立大学医学部附属病院 総合診療センター

クリパー通信 01

診断に苦慮する発熱患者には、いま一度全身の皮膚を観察すべし!

解説:
一般外来や救急外来において、診断に苦慮する発熱患者に遭遇することは少なくない1)
その際、いま一度注意深く全身の皮膚を観察することで、患者も気付かなかった皮疹を発見し、診断の一助となることがある。

  • 自己免疫性疾患関連では、成人スティル病(発熱時のサーモンピンク疹)、全身性エリテマトーデス(蝶形紅斑、ディスコイド疹)、ベーチェット病(結節性紅斑、ざ瘡、表在性血栓性静脈炎)、サルコイドーシス(結節性紅斑を始め、多種多様な皮疹)の様な疾患を見出すきっかけとなる。特に若年者における発熱時の皮疹は、診断に苦慮する成人スティル病患者の診断に大きく寄与する2)
  • 感染性疾患関連では、結核、淋菌、梅毒、感染性心内膜炎といった疾患で、全身の皮膚の観察から診断に至る可能性がある3)
    例えば、結核では皮膚結核や結核疹、淋菌では疱疹、下疳、膿瘍、梅毒ではバラ疹、感染性心内膜炎では点状出血、爪下線状出血、Osler結節、Janeway疹などである。また、患者が海外渡航後であれば、デング熱といったまれな疾患も考慮する4)
  • 意思疎通困難な患者では、症状を訴えないことから診断に難渋することが少なくないが、全身の皮膚を診ることで、蜂窩織炎や褥瘡といったよく遭遇する疾患や、胃癌、大腸癌、悪性リンパ腫、前立腺癌、肺癌に代表される腫瘍随伴性皮膚症状(Leser-Trélat徴候)を見逃さずに診断するきっかけとなる5)

参考文献:
1) Cunha B.A. Fever of unknown origin: clinical overview of classic and current concepts Infect. Dis Clin North Am 2007;21(4):867-915.
2) Diogo M, et al. Adult-onset Still disease as the cause of fever of unknown origin. Acta Med Port 2010;23(5):927-30.
3) Fred A Lopez, et al. Fever and rash in the immunocompetent patient. UpToDate ver.9.0.
4) Hill DR. Evaluation of the returned traveler. Yale J Biol Med 1992;65(4):343-56.
5) Silva JA, et al. Paraneoplastic cutaneous manifestations: concepts and updates. An Bras Dermatol 2013;88(1):9-22.

文責:小林正宜


Information

〒545-8585
大阪市阿倍野区旭町1-4-3
大阪市立大学大学院医学研究科
           総合医学教育学
大阪市立大学医学部附属病院
           総合診療センター


医局の見学をご希望の方は
下記へご連絡下さい。

mail:soshin@med.osaka-cu.ac.jp
電話番号:06-6645-3797(医局)
担当:鈴木(スズキ)