

3月11日という日が我々の記憶に深く刻まれる日になってしまいました。東日本大震災でお亡くなりになられた方々、ご家族の方々には心からお悔やみを申し上げます。また、被災された方には心からお見舞いを申し上げます。まだまだ、避難生活を余儀なくされている方々も数多くおられると思います。我々の大学また教室からも被災地への医療支援が行われていますが、被災地があまりにも広範に及び、救援活動も分散される傾向にあると伺います。1日も早い被災地の復興をお祈りしております。
さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。
整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。
また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。
我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。日本整形外科学会では、各専門分野を万遍なく研修することを専門医取得の条件にしており、これは年々厳しくなる傾向にあります。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、このシステムが少しでもお役に立てばと考えています。
大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮