大阪公立大学大学院医学研究科
整形外科学Dept. of Orthopedic Surgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine

過去のご挨拶

平成30年

まず始めに 先日来西日本豪雨によって尊い命がたくさん失われたこと、紙面をお借りして心からお悔やみを申し上げたいと思います。まだ行方不明の方がたくさんおられるとのこと、一刻も早い救出を祈っております。

今年の蝉の鳴き始めは7月9日でした。毎年蝉の鳴き声で夏本番の到来を感じます。これから暑い暑い大阪の夏が始まり、夏祭りが7月いっぱいは続きます。最も有名なのは大阪天満宮の天神祭り(7月24、25日)でしょうか。昔は町内会の存在する地域により、氏子になる神社が決まっており、私は生國魂神社の氏子でお祭りの時にはいつも子供太鼓をたたいておりました。この当時も暑かったですが、今の大阪のような頸から肩にかけて何かがまとわりつく感覚をもつほども暑くなかったようにも記憶しています。8月末の地蔵盆のころになると、夏休みが終わりで悲しい気持ちになるのと同時に、お地蔵さんにお供えされたお菓子がもらえることが楽しみの一つでもありました。

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに27%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。この要支援、要介護の原因の第1位は運動器疾患で、健康寿命増進のためには、整形外科医の活躍が不可欠です。整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける判断、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴です。「内科的治療の限界を見極めて内科から外科へ」、あるいは「外科的治療で一定の区切りがついたため内科へ」といった患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんと付き合う期間は長くなります。

また、整形外科は扱う疾患が非常に多く、科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。また、2018年度からは専門医制度自体が第三者機関である日本専門医機構によって認定されることになり、大きな変革の時期を迎えています。我々大阪市立大学では、従来から関連施設をローテーションするクリニカルフェローシップシステムを導入していますが、それを発展させた形で新専門医制度に対応しています。連携施設は34施設あり、指導医は141名在籍しています。総新患数は約1万5000人、総手術数3万件と豊富な症例により十分な研修が行えます。後期研修の初期段階では、骨折外傷治療を含めた整形外科の基本を中心に研修する目的で、連携病院をまずローテーションすることを原則としています。一定の手術経験を積んだのちにアカデミックワークを補うために大学病院を6か月から1年、ローテーションしていただきます。これは大学病院から研修を始めるプログラムが多い中で、我々のプログラムの一つの特色でもあります。連携病院は、大阪市内を中心に大阪府下にほとんどが存在し、地域研修病院としては奈良県生駒市や兵庫県西宮市など、大阪から通勤できる範囲内にあります。後期研修入会時にテストなどによる制限は一切設けておらず、これまで志望者全員を受け入れています。また、女性医師に対しても出産、育児の間は十分にそれを考慮し、かつ十分な研修を受けられえるように配慮しています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成29年

毎年感じることですが、特に昨年の秋はことのほかドタバタし、夏が終わると瞬く間にクリスマスがやってきました。昨年を振り返ってみたいと思います。

昨年1年を私なりに振り返ってみて、キーワードを“世界激震”“日本激震” “テロ”“文春砲”“オリンピック”に絞ってみました。

“世界激震”についてですが、6月にはイギリスでEU離脱の国民投票が行われ、大方の予想を覆して、EU離脱が“決断”されました。10月には米国の大統領選挙でドナルドトランプ氏が選出されたことにも驚きました。ビジネスマンとしての実績は十分でも、政治経験のない方を自国のリーダーに選出するのは、かなり思い切った“決断”がいることだと思うのですが、これが現実になるのがアメリカらしさなのでしょうか?その後にはフィリピンのトランプ氏といわれるドテルテ氏が大統領になりましたが、すぐお隣の韓国では、大統領は弾劾決議を受けてその交代は必定でしょう。

“日本激震”ですが、こちらは文字通り地面が揺れています。4月の熊本地震をはじめ、11月の福島沖地震では、津波警報も発令されました。熊本地震では本震の前に大きな余震があるという前代未聞のことが起こり、前震という言葉を初めて耳にしました。被災された方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。いわゆる南海トラフ地震、東海大地震の発生時期が近づいているのか、その予想は極めて難しそうですが、その一瞬にどのように“決断”をするのかで、運命が左右されるかもしれません。一方、政府機能が東京一地域に集中している日本では、東京が大災害に見舞われた場合、政府機能がマヒするように思えます。ただ、東京都は別の意味ですでに大揺れ状態のようです。

“テロ”も例年になく多かったように思えるのは悲しいことです。3月のベルギー多発テロやフランスニース、バングラデイシュ、ドイツミュンヘンなど、多様なテロが繰り返されてきました。特にバングラデイシュでは日本人の方々も犠牲になられ、彼らの攻撃対象から日本人が例外ではないのだということが明確になりました。今後、日本が政府対応として大きな“決断”を迫られるような事件がおこらなければ良いのですがーー。もちろん人命は地球より重いことはいうまでもありません。

“文春砲”も昨年の大きな話題の一つでしょう。1月に甘利大臣を辞任に追い込んだのをはじめとして、芸能人や政界人のゲス不倫報道、それに舛添氏の金銭疑惑問題など枚挙にいとまがありません。舛添氏の唯一の業績はsekoiという言葉を、internationalにしたことでしょうか?それにしても政務活動費の不正使用を指摘されて辞任する地方議員の多かったことにもあきれました。有権者は、選挙の時だけきれいごとを並べる候補者をよく見極めて、投票を“決断”する時期になったといえそうです。

リオで開催された“オリンピック”にも様々なドラマがありました。時差の関係で寝不足になられた方も数多いと推察します。水泳、卓球、柔道、バトミントン、体操などなど、多くの方がメダルを取られました。しかし、女子レスリングは強かった。伊調薫さんの4連覇は見事というしかありませんが、翌日には霊長類最強といわれた吉田沙保里さんが惜しくも金メダルを逃しました。泣きじゃくっていた顔が印象的でしたが、私のような凡人には理解のできない少しの“決断”の狂いがあったのかも知れません。しかし、立派な銀メダルで、日本人の心にいつまでも残ることは間違いなさそうです。ちなみにラグビー7人制もメダルには届かなかったのですが、大健闘であったのですが、ワールドカップほどは取り上げられなかった感があるのは残念でした。

余談ですが、昨年の大河ドラマは真田丸で、私の大好きな真田幸村が主人公として取り上げられました。脚本がどこまで史実に忠実かはわかりませんが、物語をみるかぎり、豊臣家勝利の道筋は少なからずあったように思えました。豊臣秀頼にもう少し勇気ある“決断”ができていたら良かったのですがーー。

以上のことから2016年の漢字は、個人的に“断”がいいのではないかと思っていました。発表された漢字は “金”でしたが、”きん”とも読め、同時に”かね”とも読めるこの言葉は、昨年の世相を表すのにピッタリかもしれません。一方、流行語大賞には【神ってる】が選ばれました、広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝は、たしかに神っていました。わが阪神タイガースも2017年は神ってほしいものです。もともとチーム名に神という字が入っているのですから?

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに25%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。健康寿命増進のためには、整形外科医の活躍が不可欠で、その果たすべき役割がクローズアップされます。整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんと付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。また、2017年度からは専門医制度自体が第三者機関である日本専門医機構によって認定されることになり、大きな変革の時期を迎えていますが、 我々の教室では、従来からのクリニカルフェローシップ制度をさらに発展させて、新制度に対応するべく委員会を立ち上げて検討を重ねています。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、われわれの力が少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成27年

中村博亮 教授今年のセミの鳴き始めは7月10日の朝でした。はっきりと記憶に残っています。毎年ほぼ同じ時期にセミが鳴きはじめるのは、不思議ではありますが、このころまで嘘のように涼しかった気候が一変し、激しい暑さが襲ってきました。暑さが増すとともにとともにいわゆる蝉しぐれは激しくなり、現在原稿を書いている8月12日時点でも継続しています。また、先日来午後3時ころには雷を伴った短時間の大雨があり、いわゆる夕立が続きました。“夕立3日”というそうで、一旦夕立があると3日程度は続くという意味だそうですが、昔のかたはよく言ったものです。

今年は大阪市立大学医学部が西日本医科学生体育大会を主管しており、連盟理事長を拝命している関係上、今の時期は学生たちとともにそのお世話に取り組んでいます。この大会は44大学、17,000人の選手が参加する国体に次ぐ規模の大会で、多くの選手が大阪に集まっています。大会は2015年8月7日から19日までで、現在大会の真最中ですが、選手たちが日ごろの成果を十分に出せるとともに、大きな事故がない事を切に祈っております。

話題は変わりますが、われらの阪神タイガースは、現時点で貯金5、首位ですが、下位チームとの差は少なくここ一番の勝負どころに弱い伝統のあるチームのファンとしては、悲観的な展望も持たざるをえません。江越や岩崎など若い選手が活躍していますが、すでに1勝を挙げている山本選手などをもっと積極的に使ってほしいですね。夕立のように3日とは言わず、もっともっと首位を続けてほしいものです。

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに25%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。健康寿命増進のためには、整形外科医の活躍が不可欠で、その果たすべき役割がクローズアップされます。整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんと付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。また、2017年度からは専門医制度自体が第三者機関である日本専門医機構によって認定されることになり、大きな変革の時期を迎えていますが、我々の教室では、従来からのクリニカルフェローシップ制度をさらに発展させて、新制度に対応するべく委員会を立ち上げて検討を重ねています。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、われわれの力が少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成26年

暑い夏がやってきました。今年は梅雨入り宣言が早く、宣言したとたんに雨が降らなくなってしまったので、梅雨明け宣言がなされても、どうせまた雨が降るのだろうと思っていると、突然のしかも大阪独特の暑さが襲ってきました。それを待っていたかのように、ある朝一斉にセミが鳴きだしましたが、蝉時雨の始まりは突然の様です。

さて“時雨“という言葉について調べてみました。”時雨“とは、晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨をいう。万葉集にもすでにその言葉は登場しているようで「九月(ながつき)のしぐれの雨に濡(ぬ)れ通り春日(かすが)の山は色づきにけり」など、秋に重点を置きながら、紅葉(万葉では黄葉)を染めたり散らしたりするものと考えられていたようです。一方蝉時雨は多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた語で、当然夏を表すものです。しかし今年の夏は暑すぎる。少々ばて気味ですが、毎年こんなに暑かったでしょうか??

話題は変わりますが、われらの阪神タイガースは、これまで大検討でしたが、例年通りここにきて大失速しています。長い間阪神ファンをやっているとこれくらいのことでは驚きませんが、ここ一番の勝負弱さは相変わらずのようです。その中にあって、高卒出のルーキー藤浪は、すでに7勝を挙げており、素晴しいの一言につきます。先日の巨人相手の快投は、この暑さの中の寝不足でもやもやしていたものを吹き飛ばしてくれました。あとは個人的にもっと試合に出してほしいと思っていた今成が活躍しているのもうれしいニュースです。ここでひと踏ん張りして、蝉時雨の様に夏がおわれば、鳴りをひそめてしまうというようなことがないように頑張ってほしいものです。

さて、さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。

整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。

我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。日本整形外科学会では、各専門分野を万遍なく研修することを専門医取得の条件にしており、これは年々厳しくなる傾向にあります。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、このシステムが少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成24年

4年に1度の夏季オリンピック大会が行われました。国際スポーツ大会が一同に会するオリンピックは、国民の大半が愛国者となる貴重な機会でもあります。選手たちは国旗にむかって整列し、君が代を斉唱します。これほど日本という国を意識する瞬間もないように思います。日本選手たちの活躍は眠っていた「日本人の誇り」を思い出させてくれます。彼らは心にきっと大和魂という言葉を思い描いて、試合に臨んだに違いありません。

今大会では特に女性の活躍は目覚ましいようです。サッカーにバレーボール、柔道にレスリング、そういえば柔道では女ウルフこと松本薫選手が見事金メダルを獲得しましたが、試合前の気迫はテレビを介しても十分に伝わってきました。レスリングにいたっては女性3人が金メダルを獲得し、そのうち2人が3連覇、国民栄誉賞に十分値すると思いますがいかがでしょうか。サッカーではなでしこジャパンがアメリカに敗れはしましたが、堂々としたフェアープレーはすがすがしくもありました(見るまいと思っていましたがliveでみてしまい寝不足です)。ペナリテイーエリアでのハンドもどきの反則についての誤審もあったように報道されていますが、試合後に監督はもとより選手の誰一人としてこの点を指摘しなかったのはなんとも潔く思えます。銀は金より良いとの言葉は、なでしこたちの試合後の正々堂々とした態度と相まってさらに素晴らしい言葉となりました。となれば銅は金と同じ値打ちがあるということになります。

さて、撫子(なでしこ)の語源を『古語辞典』で調べてみました。「初秋、淡紅色の花を開く草花の名。唐撫子(からなでしこ)に対して大和撫子(やまとなでしこ)ともいう」。「秋の七草の一つ。また『枕草子』(まくらのそうし)の「花の色は」には、「夏の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし」とあるようです。以上のようなことから、「撫子」は「かわいがっている子供」というような意味になり、「大和撫子」は「夏の強い陽射しに弱りそうな小さい花に見えながら、決してしおれず、美しい色で健気に咲いている日本女性」という意味になっていったようです。なでしこジャパンの選手たちにぴったりと当てはまる言葉で命名者に敬意を表します。一方、冒頭にかいた大和魂ですが、こちらも平安時代に端を発している歴史のある言葉のようです。この語の初出は、『源氏物語』とされており、漢才、すなわち中国などから流入してきた知識・学問をそのまま日本へ移植するのではなく、それを日本の実情に合わせて応用的に政治や生活の場面で発揮するという意味で使われ始めた由です。机上の知識を現実の様々な場面で応用する判断力・能力を表すようになり、同時に「情緒を理解する心」という意味でも用いられていたようです。江戸時代には「仏教や儒学から離れた日本古来から伝統的に伝わる固有の精神」のような概念が発見・付与されていき、大正・昭和と下るに連れて、日本への強い意識が込められるようになり国家への犠牲的精神という意味も付加されていったようです。大和魂ということば一つをとっても長い歴史の中ではその時々の思想あるいは政治の影響をうけて変遷するもののようです。

さて、さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。

整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。

我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。日本整形外科学会では、各専門分野を万遍なく研修することを専門医取得の条件にしており、これは年々厳しくなる傾向にあります。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、このシステムが少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成23年

3月11日という日が我々の記憶に深く刻まれる日になってしまいました。東日本大震災でお亡くなりになられた方々、ご家族の方々には心からお悔やみを申し上げます。また、被災された方には心からお見舞いを申し上げます。まだまだ、避難生活を余儀なくされている方々も数多くおられると思います。我々の大学また教室からも被災地への医療支援が行われていますが、被災地があまりにも広範に及び、救援活動も分散される傾向にあると伺います。1日も早い被災地の復興をお祈りしております。

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。

整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。

我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。日本整形外科学会では、各専門分野を万遍なく研修することを専門医取得の条件にしており、これは年々厳しくなる傾向にあります。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、このシステムが少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成22年

平成21年4月に当教室の教授に就任させていただいてから、はや1年が経過しました。対外的な所用が増え、なれない仕事に直面してきたこともあって、教室運営にはあまり時間が割けなかったように思えますが、教室の若い先生方は着実にその実力を蓄えておられます。

つい先日新年を迎えたと思ったら、もう桜が満開に近付いており、月日の流れるのがますます速くなっている様な気がします(ひょっとすると地球の自転が速くなっているのかも???)。今年のような残り寒波のきびしい年でも、桜は自らの咲くときを知っているかの様に、毎年ほぼ同じ時期に開花を迎えます。気温の変化よりもむしろ日照時間の変化に敏感なのでしょうか。

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、脳疾患や心臓疾患、悪性腫瘍、生活習慣病に対する対策とともに、痴呆と運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。

整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。

我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。質の高い整形外科専門医を養成することは、超高齢社会を迎えた今、最重要課題となっているのではないでしょうか。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

平成21年

暑い日が続きますね。今年は梅雨の時期がはっきりしていたように思います。梅雨明け後突然夏がやってきて、ここまで約1カ月うんざりするような暑さが続き、。熱中症でたくさんの方が倒れられています。自覚がないうちに脱水が進むことが原因のようですが、夜に十分な睡眠がとりにくいことも遠因でしょう。しかし、一昔まえには、熱中症になられた方がこんなに多かったとは記憶していないので、地球の温暖化が影響しているのでしょうか??

さて、本邦では65歳以上のいわゆる高齢者の方の人口比率はすでに21%を超えたといわれており、これに伴って要介護、要支援の方は増加の一途をたどっています。高齢になっても元気な方の人口比率を増すためには、運動器疾患に対する対策が重要で、今後はこれら疾患への予防が必要になってくるでしょう。ここに整形外科医の果たすべき役割がクローズアップされます。

整形外科は、外科という名前が付いているものの一般外科とは異なり、一人の患者さんを発症から診断、保存的治療と手術的治療を必要に応じて使い分ける治療、またその後のケアーに至るまで単科で行うのが特徴で、内科的治療の限界に伴う外科への患者の流れはなく、おのずと一人の患者さんとの付き合う期間は長くなります。

また科の中に関節外科、脊椎外科、骨軟部腫瘍外科、上肢外科、小児整形外科、リウマチ外科、スポーツ整形外科、外傷外科、リハビリテーションなどの各専門分野があり、これらをひととおり研修した後に、自分に適合した領域を専門分野として選択することも可能です。

我々の教室では、後期研修にクリニカルフェローシップ制度を設けており、4年間で大阪府下の関連病院を効率よくローテーションし、より良き専門医の育成を目指しています(クリニカルフェローシップの項参照)。日本整形外科学会では、各専門分野を万遍なく研修することを専門医取得の条件にしており、これは年々厳しくなる傾向にあります。これから整形外科を目指す若い先生方の専門医取得に、このシステムが少しでもお役に立てばと考えています。

大阪市立大学整形外科 第6代教授 中村博亮

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