研究グループのご紹介

スポーツグループ

スポーツグループの研究紹介

スポーツグループでは関連病院との連携を強めることによって、それぞれの特色を生かしています。年に2回、関連病院のドクター、理学療法士、トレーナーとの合同スポーツミーティングを行い、テーマに沿ってディスカッションを行っています。3ヶ月の1回、若手医師、学生に対してモデル膝を用いて、関節鏡セミナーを開催しています。2週に1回、ドクター、理学療法士、学生で合同の勉強会と、学生に対してスポーツよろず相談室を開催しています。

スポーツよろず相談室

学生に医師の診察と理学療法士の運動療法を体験してもらい、運動器に興味を持ってもらうと同時に、若手医師の教育も行っております。
今現在グループとしての活動は以下の3つを行っております。

  1. 臨床経験からフィードバックされた臨床的研究
  2. 近未来的治療を目指した基礎的研究
  3. スポーツドクターとしてのフィールドワーク活動

以上のように、臨床、基礎研究、社会貢献の3本柱で日夜励んでいます。

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臨床経験からフィードバックされた臨床的研究
前十字靭帯付着部の骨形態研究
近年前十字靭帯損傷に対する再建術はめざましい発達を遂げ、正常前十字靭帯を再現するような2重束再建術がなされるようになっています。より精度の高い手術を行うためには骨孔位置を術中に正確に把握する必要があるため、当グループでは靭帯付着部と骨形状に注目し、解剖学的研究を行っています。そこで前十字靭帯付着部には骨性の「丘」があることがわかり、実際の手術ではこの「骨性隆起」を指標にして骨孔を作成し、より再現性のある手術を行っています。
後十字靭帯付着部の骨形態研究
後十字靭帯手術においても前十字靭帯手術と同様に解剖学的な再建が必要と考えられます。そこで後十字靭帯付着部と骨形状を調べたところ、前十字靭帯と同様に「骨性隆起」が認められました。
前十字靭帯再建術における骨孔位置の研究
「骨性隆起」を指標にして骨孔作成された術後評価について、レントゲンだけでなくCTも使用して評価、骨孔状態の変化、位置と術後成績等を島田病院と連携して調査しています。
前十字靭帯不全膝における回旋不安定性の定量的評価
前十字靭帯は前後方向のみならずねじれの方向にも制動しています。
しかし、ねじれに関して、定量的な評価は困難で、どうしても徒手的検査しか評価できませんでした。そこで我々はMRIを用いて、ねじれの変化をMRIの画像として捉える試みを行い、pivot shiftの動きを画像化することに成功しました。
膝関節鏡手術後の深部静脈血栓症、肺塞栓発生に関する検討
近年航空機に乗ると足を動かすことと水をたくさん飲むことが必ず案内されます。
これはエコノミー症候群を予防するためですが、長時間足を動かさないことで下腿静脈血栓症が発症すると言われています。下肢の人工関節置換術では予防的投薬もなされていますが、靭帯再建、半月手術を代表とする関節鏡手術でも下腿静脈血栓症は発生する可能性があります。当院では術後造影CTを撮像することによって肺塞栓、下腿静脈血栓症を早期に発見し、治療しています。
膝靭帯再建術における術後ドレーン排液量の検討
靭帯再建時に骨孔を作成しますが、骨孔から出血し、血腫を形成します。血腫は時によっては感染の原因になるためドレーンを入れています。我々はドレーンの出方と炎症所見、下肢の腫れに関して研究を行っています。また人工骨を挿入して出血対策も行う予定です。
膝靭帯再建術術後軟骨変性に対する早期定量的評価に関する検討
前十字靭帯を代表とする膝靭帯再建術は膝安定性を得るために行う手術で、膝不安定性を放置すると膝関節の破壊が進行し、変形性膝関節症を惹起することはすでに知られています。しかしながら、膝靭帯再建術によって安定性が得られたとしても、膝関節の軟骨変性が進行することがあると言われています。以前から軟骨変性の評価として、再度関節鏡手術という比較的侵襲度の高い処置が必要でした。そこで我々はより低侵襲である採血や高性能で特別なMRI検査によって軟骨評価を行う試みをしています。
軟骨欠損、損傷患者に対する自己骨髄間葉系細胞を用いた軟骨再生
大きな膝外傷、離断性骨軟骨炎、靭帯損傷に伴い、軟骨が損傷します。軟骨が損傷すると、元通りには戻らず、線維軟骨という、正常ではないかさぶたのような組織で修復されます。完全に正常である硝子軟骨で治そうとすると他の場所から移植する(骨軟骨柱移植)することになります。当院では平成24年秋から線維軟骨修復を加速させるための「関節鏡視下己骨髄間葉系細胞移植による関節軟骨欠損修復」の臨床治験を開始予定しています。
軟骨欠損患者に対して、術前に骨盤から骨髄血を採血し、共同研究施設である大阪大学未来医療センターで骨髄間葉系細胞を培養、後日当院にて「関節鏡視下骨髄刺激法と細胞移植」を行います。
本治療をうけることに抵抗のある方は、いつでも拒否することができます。
  また、一度同意いただいた事項に関してもいつでも撤回することができます。
  そのような場合は整形外科担当医までお申し出ください。

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近未来的治療を目指した基礎的研究
骨形成因子(BMP)を用いた骨靭帯移行部の再生
前十字靭帯再建術の成績を決定する要因として、骨孔位置、移植腱の初期張力、移植腱の選択と骨孔と移植腱の治癒などが言われています。現在、半腱様筋腱に代表されるsoft tissue graftは取り扱いが簡便で、採取部痛が少ない一方、腱を骨孔に通す手法であることから、正常の骨腱移行部の再現はなされず、骨―移植腱間の力学的弱点が指摘されています。一方、骨-靭帯―骨構成体である膝蓋腱は正常の骨腱移行部(enthesis)構造が存在し、これを使用することが理想的と思われますが、採取部の疼痛が問題です。そこで我々はsoft tissue graftにBMPを作用させることで、人工的に骨-靭帯―骨構成体を再生させる試みを行いました。
そこで我々はラビットを用いてBMPを直接腱に注入することによって腱内に骨化を生じさせたところ、正常エンテーシスと近似した組織像を呈し、力学的にも有利でした。この成果が認められ、2007年第25回日本骨代謝学会優秀ポスター賞を頂きました。
現在、この技術を使用して、新しい靭帯再建術の開発し、腱を人工的に膝蓋腱のような骨付き腱にすることに成功しました。この成果が認められ、2010年第7回 Combined Meeting of the Orthopaedic Research Societies New Investigator Recognition Awardsを受賞しました。
BMPを用いた半月板再生
半月板は再生能力が少なく、その代替材料が現在のところありません。海外では他家半月板移植が行われているが本邦では使えません。自家腱を用いた半月移植が可能であるが、組織量の差、組織学的に正常半月板とはいえません。我々はラビット腱内に骨形成因子(BMP)を注入すると、骨化前段階の腱内に軟骨細胞を認め、半月板の組織像と類似していることに着目し、半月板再生を試みています。
BMPを注入した再建半月板には軟骨基質が出現し、半月板様組織像が得られたことから、単一のサイトカイン(BMP)を用いることによって、比較的簡便に、正常に近い組織を持った関節内構成体の再建が今後可能になるかもしれません。

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スポーツドクターとしてのフィールドワーク活動
スポーツドクターとして、臨床が充実していることは当然として、社会貢献の立場からフィールドワークが必要と考えています。当グループでは春の選抜野球救護ドクター、セレッソ大阪チームドクター、デビスカップ、関西、全日本ジュニアテニス選手権、世界スーパージュニア選手権トーナメントドクターでの活動を行っています。また、市大医学部スポーツ研究サークルと情報を共有し、それぞれのフィールドワークに参加して頂き、整形外科の魅力を伝えています。
これらの功績が認められ、2009年第38回日本整形外科スポーツ医学会 学生の部最優秀賞、2010年第39回日本整形外科スポーツ医学会特別賞に選ばれました。
2009年第38回日本整形外科スポーツ医学会 学生の部最優秀賞に選ばれました。
受賞歴
2011 第1回テニス・スポーツ医学研究会best paper賞 
 日本ジュニアエリートテニス選手の傷害発生率調査 橋本祐介
2010 The 7th Combined Meeting of the Orthopaedic Research Societies
 New Investigator Recognition Awards

 A New Application for Ligament and Meniscus Reconstruction using BMP-2
 Yusuke Hashimoto; Yoshifumi Naka; Kenji Fukunaga; Nakamura, H, Kunio Takaoka
2010 第36回日本整形スポーツ医学会特別賞
 医学部体育系クラブにおけるトレーニング意識調査
 高田尚輝(大阪市立大学 医学部), 橋本祐介, 森山美知子, 山脇聡, 森口寛子, 冨田晶子,
 錦野匠一, 中村博亮
2009 第35回日本整形スポーツ医学会 学生部門最優秀賞
 スポーツ医学サークル立ち上げ経緯と活動紹介
 古川枝里子、橋本祐介、錦野匠一、西田洋平、中村博亮
2011年度の参加学会
国際学会
・国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(ISAKOS)(1演題)
・国際テニススポーツ医科学会議(STMS)(1演題)
国内学会
・日本テニススポーツ医学研究会(1演題)
・日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会JOSKAS(3演題)
・日本臨床スポーツ医学会(3演題)
2010年度の参加学会
国際学会
・アメリカ整形外科基礎学会(ORS)(1演題)
・ヨーロッパスポーツ膝関節鏡外傷会議(ESSKA)(4演題)
・整形外科基礎合同会議(CORS)(1演題)
国内学会
・日本整形外科学会(3演題)
・日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会JOSKAS(5演題)
・日本整形外科スポーツ医学会(1演題)
・日本臨床スポーツ医学会 (1演題)
業績紹介
詳細はPDFをご覧ください。PDF

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