大阪市立大学附属病院 小児科・新生児科
 

小児科・新生児科トップ診療診療グループ

代謝グループ 新宅治夫、濱崎考史、瀬戸俊之
 

フェニルケトン尿症、ビオプテリン代謝異常症、ムコ多糖症では日本有数の患者数を診療し、診断と治療において指導的な役割を果たしています。その他、ガラクトース血症、糖原病、リピドーシス、シトリン欠損症、有機酸代謝異常症など広い分野の先天性代謝異常症の診療を行っています。酵素診断、遺伝子解析、ビオプテリン分析、アミノ酸分析、ムコ多糖分析などの特殊診断・検査を施行し、PKUや糖原病の食事療法やムコ多糖症などの酵素補充療法、ビオプテリン補充療法などの治療を行っています。遺伝相談外来もあり、予約制で相談を受けています。

神経グループ 瀬戸俊之、佐久間悟、野村志保、服部妙香、山下加奈子、保科隆男、匹田典克(登録医)、松岡収(非常勤)、田中勝治(非常勤)
 

当グループでは、てんかんなどのけいれん性疾患、脳炎・脳症、先天代謝異常症や染色体異常症に伴う中枢神経障害、神経筋疾患などの小児神経疾患を中心に診療しています。診察では、まず今までの経過について順を追って問診させていただき、母子手帳や内服薬剤の確認、お子様の身体の診察を行います(既に他院にかかられている場合には紹介状、検査データをご持参ください)。その上でさらに検査が必要な場合にはご家族へ説明ののちに、外来もしくは入院での検査へと進めさせていただきます。当科では覚醒および睡眠時脳波、入院によるビデオ脳波同時記録検査、聴性脳幹反応(ABR)、視覚誘発電位(VEP)検査などの電気生理学的検査、脳磁図(MEG)、MRI、SPECT、ポジトロンCT(PET)など先進的画像診断検査、臨床心理士による心理発達検査等が可能です 。お子様が動いてしまってはできない検査に関しては、薬剤による入眠処置を考慮させていただく場合があります。
尚、当科は日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本人類遺伝学会の専門医研修指定施設となっています。

消化器グループ 徳原 大介、趙 有季
 

国内最先端の小児消化器研究を展開する一方で、 非侵襲的な検査を診療に積極的に取り入れた肝臓消化器診療を提供しております。肝臓疾患としては、B型・C型肝炎や原発性硬化性胆管炎、シトリン欠損症、先天性代謝異常症に関連する肝障害、胆汁うっ滞型肝障害を診療しており、遺伝子解析やフィブロスキャンを含めた最先端の診断・治療法を駆使しております。フィブロスキャンは、針を用いた侵襲的な肝生検と異なり痛みを伴わない肝臓検査であり、2013年から日本の小児施設としては初めて導入しました(詳細はこちら→ https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2015/150924)。フィブロスキャンを用いた小児の検査経験数は500件を超えており、肥満小児の脂肪肝のスクリーニングと積極的治療介入に有用であることを趙医師が世界で初めて報告しております(Cho Y, Tokuhara D. PLOS ONE 2015)。 フィブロスキャンによる脂肪肝評価を取り入れた肥満診療を積極的に展開しています。
シトリン欠損症に関しては、20名以上の患者さんを長期にわたって診療しており、診断法の開発にも貢献してまいりました(Tokuhara D. Mol Gen Met. 2007)。また、ガラクトース血症の大きな原因である門脈大循環シャントは15名以上の診療実績があり、長期フォローアップにおける新知見を当科の趙医師が2014年に報告しました(Cho Y, Tokuhara D. Pediat Res. 2014)。
消化管疾患としては、潰瘍性大腸炎やクローン病、蛋白漏出性胃腸症、機能性胃腸症、過敏性腸症候群を主に診療しております。特に消化管疾患に関しては、低年齢児に対しても積極的に胃カメラ・大腸ファイバー検査を取り入れて早期診断と入念な経過観察を行なう一方で、非侵襲的な消化管の内視鏡検査としてカプセル内視鏡検査を積極的に導入しています。当科は日本で初めて小児に対するカプセル内視鏡の臨床研究を行った施設であり(Tokuhara D. J Gastro. 2010.)、100件以上の検査実績があります。原因不明の小児の消化管出血に対してカプセル内視鏡を用いた積極的な精査を行い診療に役立てております。また、カプセル内視鏡の腸管での危険な滞留を事前に評価するためのパテンシーカプセル検査を導入し、小児での安全なカプセル内視鏡検査体制を提供しています(詳細はこちら→http://www.med.osaka-cu.ac.jp/pediat/research.html#group11)。
研究面では、クローン病の病態解析と消化管粘膜を含めた幅広い粘膜組織の免疫機構の解明を軸にすすめており、粘膜免疫学を基盤とした消化管感染症に対する予防・治療薬の開発も行っており(Tokuhara D. PNAS. 2010, J Clin Invest. 2013)、近年は新生児の免疫学研究を基盤とした小児の腸管免疫研究にも力を注いでおり、有効なワクチンが開発しにくい新生児に対してZymosanという物質が効果的な免疫増強物質となりうることを、臍帯血を用いた研究によって世界で初めて明らかにしました(Nohmi K, Tokuhara D. J Pediatr. 2015)。

糖尿病グループ 川村智行、 広瀬正和、 橋村夏野子、 堀田優子、比嘉勇介、柏原米男(登録医)、東出崇(非常勤)、橋本友美(登録医)
 

1型糖尿病の患者数は日本で最も多く、糖尿病キャンプをはじめ日常生活の指導にも力を入れています。急性期の治療から継続的な治療に速やかに導入できるような教育システムをとっており、初発患者さんでも数日で退院できるようにしています。インスリンポンプ療法(本邦最多の患者数)など、最新のインスリン療法を患者さんに応じて導入し、また本邦では先駆けてカーボカウント法による食事療法を導入するなど、患者のQOLを高める努力をしています。2型糖尿病の治療も内科や他院との連携支援ネットワークを作成し、医学的のみならず社会的・心理的なサポートを行っています。

腎臓グループ 川村智行
 

学校検尿で見つかった腎疾患の診断と治療をはじめとして、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、先天性の腎疾患の診療をしています。難治性ネフローゼ症候群では、パルス療法や各種免疫抑制剤を組み合わせ、QOLを重視した治療を心がけています。慢性糸球体腎炎では、腎生検による診断を元に工夫したカクテル療法を行っています。また、腎不全患者の腹膜透析(CAPD)から他院と協力した腎移植による治療などを行っています。

内分泌グループ 濱崎考史、藤田敬之助(非常勤)、稲田浩(非常勤)、鶴原昭史(非常勤)
 

下垂体、甲状腺、副腎、性腺、カルシウム関連などの内分泌の異常に関係した多様な疾患の診断・治療を行い高い評価を得ています。具体的症候としては、低身長、高身長、肥満、思春期発来の異常など、発育に関連したものを多く承っています。内分泌負荷テストや骨塩量測定などの検査を行い、治療に関しては、成長ホルモンの自己注射をはじめとするホルモン補充療法その他の薬物療法だけでなく、心理・行動療法的なアプローチも重要と考えています。

血液・腫瘍グループ 時政定雄、中矢雅治
 

白血病(急性リンパ性、急性骨髄性、慢性骨髄性)、リンパ腫、神経芽腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、脳腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症などの固形腫瘍のほか、各種の貧血、好中球減少症、難治性特発性血小板減少性紫斑病、血友病などの血液疾患、さらに全身性エリテマトーデスや若年性特発性関節炎、皮膚筋炎などの自己免疫疾患の診断、治療を幅広く行っています。難治性の白血病の患者様には血縁者からの骨髄移植や臍帯血バンクからの臍帯血移植を行っています(当科は骨髄バンクからの骨髄移植は行っておりません)。また難治性の固形腫瘍に対して自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行っています。疾患の性質上長期入院になる患者様の生活の質を高めるために、学生ボランティアの導入、院内学級、訪問学級の充実、また保育士の常在により、子供たちがつらい治療を少しでも楽しく受けられるように療養環境の整備の整備に力をそそいでいます。

新生児グループ 新宅治夫、斉藤三佳、 野村志保
 

NICU6床と新生児病床11床で新生児の集中治療を行っています。新生児専門医の研修指定施設であり年間十数例以上の低出生体重児をはじめとして、未熟児、病的新生児の診断・治療を産科・小児外科と連携して行っています。HFO対応人工換気装置による超低出生体重児の人工呼吸管理や一酸化窒素(NO)吸入療法による原発性肺高血圧症の治療、サーファクタント補充療法による呼吸窮迫症候群(RDS)の呼吸管理、近赤外線酸素モニター装置(NIRO)やデジタル脳波による脳機能の評価などを行い、インタクトサーバイバルを目指しています。

循環器グループ 野村志保、村上洋介(非常勤)、若原良平(非常勤)
 

先天性心疾患や川崎病の診断と治療を行っています。先天性心疾患に関しては新生児グループや心臓外科と連携した診療をしています。心エコー、心臓カテーテル検査、トレッドミルやホルター心電図などの心電図検査などを施行しています。川崎病では、ガンマグロブリン療法等の治療を行っています。

アレルギーグループ 新宅治夫、春日彩季、若原良平(非常勤)、藤川詩織(登録医)
 

気管支喘息、アトピー皮膚炎、慢性じんましん、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の診断と治療を行っています。血液検査などによる原因の検索、抗アレルギー剤や吸入ステロイド剤などによる急性期の治療と長期のコントロールに関わる薬物治療の他、食物負荷検査を行っています。教条主義的な治療に陥ることなく、常に患児や家族のQOLに配慮した診療が行えるよう心がけています。

ウイルス感染症グループ 瀬戸俊之、匹田典克(登録医)
 

2009年から2010年にかけて新型インフルエンザ感染症が猛威をふるいました。市大関連施設でも地域の基幹病院に設置された発熱外来での対応をはじめ、地域の診療所に至るまで、小児科医は大活躍しています。このように小児科一般臨床では日常的に感染症の診療に携わっており、新型インフルエンザ流行時ような新興・再興ウイルスの勃発時の対応にとどまらず、ウイルス感染にまつわる様々な興味深い症例、診断に苦慮する症例に出くわすことが少なくありません。われわれはそのような症例に対する診断と治療をはじめ、基礎ウイルス学教室と共同して病態の解明にも取り組んでいきたいと考えています。

 
大阪市立大学 医学部附属病院 小児科・新生児科