大阪市立大学附属病院 小児科・新生児科
 

小児科・新生児科トップ診療検査

当科で施行している検査ならびに院内他部門と協力して施行している検査には以下のようなものがあります。
同じ内容の検査であっても成人とは異なり、正確な検査結果を得るために工夫を要することや、
検査結果を評価する際の正常標準値が年齢によって異なるので、
小児科独自で施行している検査が多くあります。

一般血液検査・尿検査

骨髄検査
 

通常の血液・尿検査は中央検査部で採血と検査を行っています。結果は、小児の年齢別正常値に基づいて、主治医が判断します。なお、3歳未満のこどもさんや病状により採血の極めて難しい方は、小児科外来処置室で医師により採血を行なっています。

 

血液の成分(白血球、赤血球、血小板)は、もともと骨髄といわれる骨の内部にある組織で作られます。そのため、血液成分に異常のでる病気(白血病、貧血、紫斑病など)などでは、その大元である骨髄の状態を調べることで多くのことがわかります。検査は、通常は腸骨という腰の骨に表面を麻酔して、針(骨髄針)を刺して、その部分の骨髄を吸いだします。得られた骨髄は染色して顕微鏡で見たり、免疫学的な性質をみるための検査をしたりするのに使われます。当科では、骨髄検査は血液の専門医が担当しています。

脳波検査

誘発電位検査
 

脳波は、脳神経細胞の電気活動を頭蓋の表面に置いた電極で測定するものです。脳機能の評価の基本的な検査方法です。てんかんなどのけいれん性疾患の診断には不可欠です。それ以外にも、意識障害や発達障害などの評価に検査します。小児の脳波の診断は、年齢的な変化を熟知した小児神経科医が担当しています。通常の脳波検査以外にも、脳波を測定しながらビデオで同時に観察して発作の診断を行うビデオ脳波同時記録、カセットテープに脳波を記録して24時間の脳波記録を行う長時間脳波記録も行うことができます。

 

音や電気刺激(触覚)、光などの刺激に反応する脳神経の反応を記録します。通常の脳波よりもさらに小さな反応を記録するために、100回から2000回の刺激に対する反応をコンピューターで加算・計算して、目的とする刺激に対する神経の反応を得るようにします。それらの反応の反応時間(潜時)や大きさ、左右差、経時的変化などを調べます。小児科で施行しているのは、音刺激(聴性脳幹反応・ABR)、手足の神経の電気刺激(体性感覚誘発電位・SEP/SSEP)、光刺激(視覚誘発電位・VEP)です。それぞれの刺激に関係する神経経路の障害の有無について知ることができます。専門医により検査を行っています。

筋電図・神経伝導速度

脳磁図
 

私たちの手足は、脳からの刺激が末梢神経を伝わって、多数の筋肉を収縮させることで動きます。筋肉の収縮は電気活動を伴っていますので、筋肉内に電極(針電極)を差し込んで、その活動を記録することができます(針筋電図)。そのパターンから筋肉の病気が神経からくるものか(神経原生)、筋肉そのものの病気か(筋原生)を知ることができます。また、神経を電気で刺激して、神経を伝わる速さをさまざまなルートで調べることもできます(神経伝導速度)。この結果、神経のどの部位がどのような障害を受けているかを調べます。検査は専門医が担当して行っています。

 

大脳の神経細胞の電気活動にともないその周りに微細な磁場が生じます。脳磁図(MEG)は、その微細な磁場を超伝導干渉素子(SQUID)というセンサーを多数組み込んだヘルメットのような装置で測定するものです。測定は地球環境の磁場をシャットアウトした磁気シールド室の中で行います。その結果をコンピューターで解析することにより、脳のどの部分が活動したかをミリ単位の正確さで推定でき、ダイポール(電流双極子)としてMRI画像の上に表すことができます。てんかん焦点の推定や、脳外科手術に先立つ脳機能マッピングに用いられます。放射線を使わないので、こどもさんにも非侵襲的な検査です。当科は、我が国でも最も早い時期から小児のMEG測定を行ってきた実績があります。

発達心理検査

心臓超音波検査(心エコー)
 

こどもさんの発達を問診や観察・テストによって評価しています。乳幼児期は新版K式発達テスト、小学校以降はWISC-IIIを用いることが多いです。小児科外来内部に設置された心理検査室で行います。検査は専門の心理士が担当し、通常1時間から1時間半を要します。結果は発達指数(DQ)や知能指数(IQ)として数字で示される以外に担当心理士による詳細な報告もあります。必要に応じ、性格テストやバウムテストなどの他の臨床心理検査も行っています。なお、検査は大阪市立大学生活科学部の臨床心理部門の心理士が交代で担当しています。

 

超音波の反射を利用して、心臓の形や心筋・弁の動きをリアルタイムで見ることのできる検査です。血液の流れを見ることもできます。先天性心疾患における構造の異常や欠損部位の大きさなどを計測したり、川崎病などで冠動脈にできる動脈瘤を観察するなどの目的で行います。検査は安静にして、プローベという超音波を出す装置を体の表面にあてるだけです。当科では、心臓の専門医が担当しています。

代謝異常の検査
 

各種の先天代謝異常症の化学分析、酵素診断や遺伝子診断を行っています。
また、高度先進医療「培養細胞を用いた先天代謝異常症の診断」を行っています。

 

 

1)化学分析:

(1) アミノ酸分析
(2) プテリジン分析
(3) ムコ多糖分析
(4) ガラクトース分析
(5) 有機酸分析

→化学分析詳細  (43KB)

2)酵素解析:

(1) フェニルケトン尿症:
呼気テストによるin vivo フェニルアラニン水酸化酵素
(2) ガラクトース血症:ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼ(GALT)、ガラクトキナーゼ(GALK)、UDP-ガラクトース4’-エピメラーゼ(GALE)
(3) 高インスリン高アンモニア血症
(グルタミン酸脱水素酵素)

→酵素解析詳細  (79KB)


3)遺伝子解析:

(1) フェニルケトン尿症
(フェニルアラニン水酸化酵素)
(2) 高インスリン高アンモニア血症
(グルタミン酸脱水素酵素)

→遺伝子解析詳細  (79KB)

腹部超音波検査(腹部エコー)

骨塩定量
 

超音波の反射を利用して、おなかの中の臓器の形や性状を調べることができます。肝臓や胆嚢、すい臓、腎臓、膀胱をはじめとしてあらゆる部分を対象としています。全く害のない検査であり、繰り返し変化をみるには大変有用です。検査は、安静にしてプローベという超音波を出す装置を体の表面にあてるだけです。

 

カルシウム関連及び骨代謝疾患、成長障害をきたす疾患、性腺関連疾患などでは、小児期のカルシウムの骨への沈着の異常で(骨密度の低下)、骨折や骨病変のリスクが高まる可能性が考えられます。骨塩定量検査は非常にわずかのレントゲンでこれらの状態を詳しく評価することが可能です。

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