診療案内

外来診療・担当医

平成20年10月現在

曜日
担当医名   諸冨 嘉樹     吉田 達之
[外来受付時間]
初診受付時間午前9時から午前10時30分
診療時間  :午前9時30分から午後4時30分
(紹介状は必ずしも必要ではありません)

外来診療は火曜日(諸冨嘉樹 医師)、金曜日(吉田達之 医師)に行っており、紹介状は必ずしも必要ではありません。また火曜日、金曜日以外も可能な限り、診察を行っておりますのでお問い合わせください。

「お問い合わせ・診療予約」をご覧ください。

診療内容

「小児外科」とは主に15歳以下のこどもに外科治療を行う診療科です。最近では生まれたての赤ちゃん(新生児)や幼児だけでなく、お母さんのおなかの中にいる赤ちゃん(胎児)も診療の対象となります。あつかう病気や臓器は多種多様で、心臓や中枢神経を除くほとんどの外科的疾患が治療の対象になります。
また治療を行ったあとも子どもの生活をみまもり、学校生活や社会生活を快適に送れるように支援していきます。

主な対象疾患
ヘルニア関連疾患(鼠径ヘルニア・臍ヘルニア・陰嚢水腫・精索水腫等)
小児泌尿器科疾患(停留精巣・包茎・水腎症・尿道下裂等)
小児急性腹症 (虫垂炎・腸重積・腸閉塞等)
小児胸部外科疾患(漏斗胸・肺嚢胞性疾患等)
新生児外科疾患(食道閉鎖・小腸閉鎖・鎖肛・ヒルシュスプルング病等)
頚部嚢胞性疾患(正中頚嚢胞・側頚嚢胞等)
小児固形腫瘍(神経芽腫・腎芽腫・肝芽腫等)
胆道閉鎖症、胆道拡張症
便秘症
肛門周囲膿瘍

病気の説明は日本小児外科学会を参照してください。

大阪市立大学小児外科臨床 トピックス

腹腔鏡下そけいヘルニア手術(LPEC法)
小児外科の中で最も多い手術がそけいヘルニア(脱腸)の手術です。足の付け根のそけい管内にある胎児期の袋が残ってしまうことがこの病気の原因です。今まではこのそけい管を切って開くことで、原因となる袋の根本を縛ることができました。腹腔鏡手術が発達したことでそけい管を切らずに袋の根元を縛れるようになりました(この方法は徳島大学の小児外科医嵩原先生が開発しました)。腹腔鏡はさらに進歩し、当科では径2mmの細い器械を使用してさらに手術侵襲を少なくしています。以前の手術では皮膚を3cm程度切る必要がありましたが、このLPEC法では創の長さは2mmで済みます。手術時間も10-20分程度です。また片方ずつしかできなかった手術も、新しい方法では同じ視野で行なえ、隠れている袋も見つけることができるようになりました。2005年よりこの方法を開始し現在までに400例近く行なっています。陰嚢水腫、精索水腫にも適応でき、再発、対側発生の起きづらい手術として認められています。もちろん保険医療として認可されています。
胸腔鏡補助下胸骨挙上術(漏斗胸の手術)‐Nuss法
前胸部が陥凹している状態を漏斗胸といいます。肋軟骨の変形のため胸骨が沈んでいるのが原因です。胸のへこみが強いと肺や心臓圧迫して症状がでることがありますが、通常は無症状です。しかし胸がへこんでいるという身体的特徴から悩むことが多いようです。いじめ、不登校、ひきこもりが問題になることがあります。以前の手術では前胸部の皮膚を切開し、変形した肋軟骨を切除して胸骨を挙上していました。したがって傷跡が目立つことと、手術時間が長いこと、術後呼吸管理がいるなどの問題がありました。1998年に米国のNuss先生が発表した方法は、胸の横から胸骨の下に金属のバーを入れて、へこんだ前胸部を持ち上げるという画期的なものでした。このバーは2年から3年程度留置してから抜去します。この術式ではからだの正面には傷跡が残りません。脇の隠れる部分に傷跡が付きます。手術時間は1時間程度と短くなりました。入院期間も約1週間程度に短縮しています。当科では1999年から本術式を採用しており、満足な結果を得ています。
漏斗胸の方は思春期以降になって思い悩む方が多く、当科ではこどものみでなく思春期、成人の方も関連病院の呼吸器外科と提携して本術式を行なっています。