癌分子病態制御学

Molecular Oncology and Therapeutics

 

癌分子病態制御学

研究室紹介

癌分子病態制御学講座は難治性癌を主たる研究対象にしています。医学発展により癌の治療成績が向上してきました。しかし、癌は本邦における死因の第1位であり、依然予後不良な「難治性の癌」が少なからず存在することも事実です。難治癌は増殖進展が速く高頻度に転移するため根治手術が困難であり、その治療成績向上には新しい治療法や診断法の開発が必要です。
われわれは、このような治療困難な癌の性質を研究することにより、その難治性の原因を分子生物学的レベルで解明し、その病態機序に立脚した分子標的治療を開発するトランスレーショナルリサーチ(基礎データーを臨床応用する研究)を行っています。具体的には、「難治性がん」のスキルス胃癌、膵癌、食道癌を主な対象として、研究プロジェクト①エキソソーム、②癌転移前病変、③分子標的治療、④リキッドバイオプシー、⑤オートファジー、⑥がんゲノム、⑦癌微小環境構築、などの研究などに取り組んでいます(下記詳細)。また、皮膚メラノーマ(悪性黒色腫)、髄膜腫、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)などの研究も開始しています。さらに、平成28年4月から医学研究科に難治がんトランスレーショナルリサーチ(TR)センターが設立されました。本講座は癌の基礎研究と臨床の橋渡しを実践すべく、TRセンターの関連講座としても活動しています。これらの研究活動により難治癌の病態を解明し、その機序に基づいた新規治療法を開発したいと考えています。

癌分子病態制御学講座 担当
八代正和 研究教授 (2018年7月)

2019年度大学院生募集

大学院生が中心となり研究を行っています。我々の研究に興味ある学生の方は是非ご連絡下さい。

連絡先: 八代正和 m9312510@med.osaka-cu.ac.jp

博士課程 (3年コース、 4年コース):選抜試験 2018年8月24日(金)
修士課程 (2年コース):選抜試験 2018年9月1日(土)

http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/admissions/graduate/ishorui

スタッフ

八代正和 研究教授  m9312510@med.osaka-cu.ac.jp
福岡達成 講師  k-naoshi@med.osaka-cu.ac.jp
奥野倫久 大学院 4年  tomo.2blacks@gmail.com
黒田顕慈 大学院 3年  kuroken1985@yahoo.co.jp
栂野真吾 大学院 3年  shingo5262@gmail.com
西村貞德 大学院 2年  d17mb038@vx.osaka-cu.ac.jp
櫛山周平 大学院 2年  m2037860@med.osaka-cu.ac.jp
坪田香代 研究補助員・秘書

留学中

笠島裕明 (Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute:米国 サンディエゴ)
三木友一朗(Karolinska Institutet Biomedicum:スウェーデン ストックホルム)

研究内容

エキソソーム・癌転移前微小環境研究研究グループ  リーダー:奥野

癌周囲微小環境におけるエキソソームの役割は未だ十分に解明されておりません。スキルス胃癌は高頻度に腹膜転移するため極めて予後不良です。我々は、スキルス胃癌細胞から産生される因子が腹膜を転移しやすい環境に変化させていることを明らかにしてきました。細胞が分泌する50ー300 nmの小胞であるキソソームにはDNA, RNA, microRNA, proteinなどが内包され細胞間相互作用に関与していることが知られています。我々は、スキルス胃癌細胞のエキソソームが腹膜転移環境形成に関与しているかを解明し、エキソソームを腹膜転移治療に応用する研究を行っています

癌幹細胞オートファジー研究グループ  リーダー:栂野

オートファジー(Autophagy)とは、細胞内のタンパク質やオルガネラを分解するシステムの一つです。様々な生理的役割を担っており、腫瘍の発生や増殖にも関わっているとされます。また癌細胞の中には、自己複製と多分化能をもち、腫瘍形成や転移再発の根源となる癌幹細胞の存在が推察されています。そこでわれわれは癌幹細胞におけるオートファジーや、その周囲微小環境におけるオートファジーを検討し、難治癌における治療標的分子の研究を行っています。

難治癌分子標的治療薬開発研究グループ  リーダー:黒田

がん細胞がもっている特定の遺伝子やタンパク質をターゲットとして作用する分子標的薬開発が進んでおり,がん治療成績の向上に寄与しています。我々の教室では、FGFR2が難治性スキルス胃癌細胞のドライバー分子であることを明らかにしており,新たな治療標的分子として注目しています。現在、胃癌を含め難治癌において、FGFR2シグナルなどの増殖因子受容体の意義や標的分子としての治療効果を研究しています。

難治がんゲノム解析グループ  リーダー:西村

次世代シークエンサー(NGS)の登場により,がんゲノム解析の技術が飛躍的に向上し,数々のドライバー遺伝子が同定されましたが,スキルス胃癌を含めた難治性がんに関してはまだ未同定なドライバー遺伝子の存在や遺伝子レベルでの腫瘍内heterogenityの関与が示唆されます.そこで我々はNGSを用いた網羅的ながんゲノム解析をすることで,スキルス胃癌を含めた難治性がんの新規ドライバー遺伝子の同定,腫瘍内heterogenityの解明を中心に研究しております.

スキルス胃癌の微小環境構築研究グループ  リーダー:櫛山

スキルス胃癌は間質組織の増生を伴いながら急速に進展し、予後不良な難治性の癌です。スキルス胃癌間質に存在する癌関連線維芽細胞(CAF)は癌細胞との相互作用によりスキルス胃癌増殖進展の一因となっております。CAFの起源細胞の一つとして骨髄由来間質細胞が癌組織に遊走し線維芽細胞に誘導されることが示唆され、また癌幹細胞もCAFの起源細胞の可能性が示唆されます。スキルス胃癌の微小環境構築機序およびその機序に基づいた治療法の開発を研究しています

大阪市立大学大学院医学研究科倫理委員会承認研究課題

  1. 消化器腫瘍の増殖進展における遺伝子異常の解析
  2. 乳腺・内分泌腫瘍の増殖進展における遺伝子異常の解析
  3. 腫瘍の増殖進展に関与する脂質系シグナルの解析-多施設参加臨床研究-
  4. 消化器癌における腫瘍増殖に影響する因子の発現解析
  5. 組織アレイの作成
  6. 悪性腫瘍の増殖・進展に影響する因子の発現解析-多施設参加臨床研究-
  7. 癌細胞の微小環境における骨髄由来細胞の関与の検討
  8. 消化器腫瘍患者における血中循環腫瘍細胞の検討
  9. 胃壁捺印細胞診または腹腔洗浄細胞診陽性症例を対象とした術中腹腔内大量洗浄の意義に関する第Ⅱ相試験

以上の研究に関しては患者様から文書もしくは口頭で説明・同意を得て、実施をしております。既に研究にご参加頂いている患者様におかれましても研究の拒否をご希望される方は下記までご連絡下さい。
担当者:八代正和  : m9312510@med.osaka-cu.ac.jp

また上記の研究とは別に、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用い研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。今後当研究室で行っている研究でオプトアウトを用いた臨床研究についても本ホームページを用いて公開させて頂きます。


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