研究内容


ライン

難治性抗酸菌症の治療と診断

結核菌の仲間に非結核性抗酸菌があります。
そのうち、鳥型結核菌であるMycobacterium avium intracellulare complex 
(MAC)の感染症は、都会を中心に増加しており、薬剤の効かない場合もあるので
その診断や治療方法の研究が望まれています。
私たちは以下の研究を進めています。

Glycopeptidolipid を用いた血清診断
 MACの血清型別診断        
  Vitamin D の抗菌作用機作の解明

  Glycopeptidolipidを用いた血清診断

 結核と症状が似ている非結核性抗酸菌症(MAC症)は、結核との鑑別診断が大切です。それは、結核に効く薬と抗酸菌症に効く薬が、異なるからです。
 確実な診断は、患者さんから分離された菌を同定することですが、常に分離されるとは限りません。そんなとき、MACの細胞膜に存在する特異的な糖ペプチド脂質(Glycopeptidelipid(左図))を用いた血清診断が、有効です。


左図の赤い部分が抗原の glycopeptidolipid
   
血清型別の診断
 肺 MAC 症には28種類の血清型(glycopeptidolipid)があることが知られています。それぞれの血清型で病態が異なる可能性があり、血清型を迅速に測定できる診断法を開発しています。
 
   血清型を決める因子の質量分析スペクトル
血清型は、細胞膜抗原のひとつ、糖ペプチド脂質(Glycopeptidolipid)できまります。Glycopeptidolipid は各血清型に共通なペプチド脂質(lipidcore) とそれぞれ異なる糖鎖(oligosaccharide)からなります

 
  Vitamin D と抗酸菌症
 Vitamin D は単球内で結核菌や抗酸菌を殺菌することが知られています。そこで、この殺菌機構を研究し、新しい治療戦略を開発しています。
     
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