大阪市立大学 大学院医学研究科 泌尿器病態学

学会報告(2012)

TTS2012  学会記
大阪市立大学医学部泌尿器病態学 前期研究医 壁井和也

2012年度TTS(The Transplantation Society)がドイツのベルリンで開かれ、このたび出席させていただいたので報告いたします。参加メンバーは内田先生、町田先生、壁井の3人でした。

会場Messe Berlineにて3人で(左から町田Dr、内田Dr、壁井)ベ ルリンはドイツの首都であり都市人口は350万人とドイツでは最大の都市で欧州連合の市域人口ではロンドンに次いで2番目に多く、都市的地域の人口は7番 目に多いとされています。また、ベルリンはヨーロッパ平原に位置し温帯の季節的な気候の影響を受け、市域の3分の1は森林、公園、庭園、河川や湖で構成さ れているそうです。7月の真夏の日本を出発した私達にとっては、大変過ごしやすい気候でした。
今回はヨーロッパの学会に初参加ということでしっかり移植の勉強をしたいと考えていたため、イスタンブール経由でドイツに到着した初日にホテルに荷物を置い てさっそく学会会場に向かいました。会場となるMesse Berlineの入り口には“TTS 2012”の横断幕が張ってありすぐに分かり、上級医の町田先生とともに入り口で写真撮影をしました。中で受付を済 まして、TTS2012のショルダーバッグと重いパンフレットをもらい午後のセッションを聞きました。最初の講演は移植免疫を中心とした基礎研究の講座で 内容も難しかったのですが、その後は昨年発売となった新しい免疫抑制剤NulojixR(belatacept)による臨床研究や副作用(主にリンパ増殖 性疾患)などに関するもので大変興味深いものでした。日本で標準的に用いられているカルシニューリン阻害剤のタクロリムスやシクロスポリンと比較して腎毒 性がないことが最大の利点で、長期間使用しても腎の線維化による腎機能悪化は起きません。ただし副作用としてリンパ増殖性疾患の発症率が高いことが問題点 ですが、Rituximbを投与することである程度は解決できているそうです。このように、日本では未発売の免疫抑制剤の勉強をすることが出来たのはとて も初のポスターセッション良 い経験でした。翌朝にはポスターセッションのために朝8時に会場に到着して、日本より持参した演題ポスターを貼りました。とりあえず仕事を果たした気分に なり、自己満足します。PMに講師の内田先生のミニオーラルセッションを見学した後、町田先生と2人でベルリン観光へ向かいました。ベルリンの観光名所と いえばやはりブランデンブルグ門、戦勝記念塔、ベルリンの壁などがあります。それらをタクシーや地下鉄で乗り継ぎながら一通り見学して写真撮影をしまし た。さらに海外のおみやげやお菓子が大好きな私はあちこちで買いものもしました。少しずつ荷物が増えて財布の中身が減っていきます。夕方からはグルメの町 田先生がチェックしていたドイツ料理の有名なレストランに向かいました。地下鉄を乗り継いで辿り着いた先はZUR LETZTEN INSTANZという創業1621年のベルリン最古の老舗レストランで、ナポレオンも来たという伝説があります。(詳しくはインターネットで)夜の8時で も満席のその店は相席でもよいという条件で入ることが出来ました。8人がけのテーブル席で4人で楽しそうにビールを飲んでいたドイツ人たちは、途中から来 た私たちに気さくに話しかけてくれました。日本から学会に来たと話した瞬間に、「TTS?」と聞かれて「YES!」というと彼らは学会で医療器具を販売す るメーカーの社員たちと判明しました。今回の学会でも企業ブースで展示していること、自分たちはマイクロサージェリーで使う手術器具を取り扱っているこ と、おいしいドイツ料理などいろいろな話をしてくれて楽しい時間を過ごすことができました。
レストランでドイツ人と乾杯
もちろん名門店のドイツ料理は味付けもボリュームも満点で、私と町田先生はチョリソーやアイスバイン(豚すね肉の料理)に大満足でした。ドイツビールをたくさん飲んで、最後はドイツ人の奢ってくれたテキーラで乾杯して、千鳥足でホテルへと帰っていきました。
最後の日も学会の会場に朝7時から向かい、モーニングセッションに参加しました。このセッションのテーマは移植医の教育についてというテーマで、各グルー プに分かれて話し合ったあとその結果を代表者が発表するというものでした。今までのスライドを眺める発表とは違って、医学教育に関する自分の意見を求めら れて英語でディスカッションに参加する必要があり英語力の足りなさを痛感しました。英語論文の抄読ももちろん大切ですが、英会話でのリスニング能力やスピ -チ能力がなければ海外の学会では通用しないと思いました。その後はショッピングをしてホテルに戻り荷物をまとめて空港へと向かって関西国際空港に向かっ て飛び立っていきました。
私のような研究医の立場でこのような学会に参加させていただき、仲谷教授をはじめとした大阪市立大学泌尿器科医局のスタッフの先生方に深く感謝しておりま す。海外の学会は初めてで戸惑うことも多かったのですが、アメリカやヨーロッパでは日本とはまた違う医療が行われていることを実感しました。特に日本では まだ導入されていない免疫抑制剤を用いたデータの発表を聞いて視野が広がったように思います。今後もこの経験を活かしてよりよい医療を実践していけるよう に研鑽していきたいと考えております。以上をもちまして学会記とさせていただきます。

 

ページトップへ