当教室では膨大な手術経験をもとに新たな手術方法を次々に開発し、世界に普及させてきました。その代表的なものに、頭蓋底病変及び間脳下垂体病変に対する外科手術があります。 頭蓋底手術は、難しい脳腫瘍や脳動脈瘤に対する脳底面からの手術方法であり、脳腫瘍や脳動脈瘤の治療成績はこれにより飛躍的に向上し、現在では世界のスタンダードとして広く行われています。また、近年ハイビジョン内視鏡の普及に伴い、頭蓋底病変及び間脳下垂体病変への経鼻内視鏡手術の適応が広がってきています。経鼻内視鏡手術を含め病変に応じた最適な手術方法を選ぶことで安全かつ確実な手術を行っています。
頭蓋底外科が応用される疾患は、髄膜腫、聴神経鞘腫、三叉神経鞘腫、頚静脈孔神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、脳動脈瘤、下垂体腺腫、奇形腫、類皮腫、海綿状血管腫、脊索腫、軟骨肉腫、顔面痙攣、三叉神経痛、頭蓋底部悪性腫瘍などです。 われわれは、これからも「患者第一」の基本姿勢を変えることなく、頭蓋底病変及び間脳下垂体病変の治療成績向上に努めたいと考えます。