臨床的分類
酵母様真菌、子嚢菌類
概要
カンジダ症の原因として最も代表的な真菌は、Candida albicansであり、C. albicansとそれ以外(non-albicans Candida)に分類され、C. glabrata、C. tropicalis、C. parapsilosis、C. kruseiなどが含まれる。
本属の真菌は、ヒトに親和性が強く、常在菌として消化管などの粘膜や皮膚の表面に存在している。病原性は高くないものの、免疫抑制剤使用時や抗腫瘍療法中に、内因性の日和見感染症を起こす。病型としては、口腔カンジダ症のような軽度のものから、カンジダ血症・播種性カンジダ症のような重篤なものがあり、いったん発症すると致命的な感染症もある。
多くは消化管の常在菌であり、内因性感染すると考えられている。病原性は弱く日和見感染。菌種によって、常在する部位が異なり、C. albicansは上部、C. glabrataは下部消化管に常在していると考えられている。
C. albicansの多くは、一般的に抗真菌薬の感受性は良好であるが、C. glabrataの一部はアゾール耐性、C. kruseiはFLCZに一次耐性を示す。C. parapsilosis、C. guilliermondiiはキャンディンに耐性を示すことがあり、C. lusitaniaeはポリエン耐性である(表1)。
アゾール | キャンディン | ポリエン | |
---|---|---|---|
C. albicans | ○ | ○ | ○ |
C. glabrata | △(株による) | ○ | ○ |
C. krusei | FLCZ×、VRCZ△ | ○ | ○ |
C. parapsilosis | ○ | △〜× | ○ |
C. tropicalis | ○ | ○ | ○ |
C. guilliermondii | ○ | × | ○ |
C. lusitaniae | ○ | ○ | × |
2020年8月24日開設 2020年8月24日更新