ごく簡単に理解すると、危険度の高い順に、1〜5類に感染症を分類した法律で、危険度に応じた対応によって、感染の蔓延を阻止することが主な目的である。
 1類は、ほとんどがウイルス性疾患で、エボラなどのヒト-ヒト感染する出血熱性疾患と痘瘡(天然痘、すでに地球上からは撲滅している)である。唯一、細菌性疾患としてペストが指定されている。2類は、ポリオと、飛沫または空気感染でヒト-ヒト感染が拡大する呼吸器疾患として結核、ジフテリア、SARS、MERS、鳥インフルエンザH5N1とH7N9が含まれる。ポリオ、結核、ジフテリアは、2007年の制定当時から指定されているが、H5N1、H7N9、SARS、MERSは、制定後に追加された疾患である。今後も、新たな疾患の出現によって追加される可能性が高い。実際に、2020年2月新型コロナウイルス感染症(国際的な正式名称はCOVID-19)が追加された。3類は、全て細菌性疾患、消化器感染症で、腸管出血性大腸菌感染症、赤痢、腸チフス、パラチフス、コレラの5疾患のみである。4類と5類は数が多く、今後も増える可能性があるため詳細は省く。1〜4類は、全数把握で、直ちに保健所に届け出る義務があるが、5類は一部のみが全数把握で、その他は定点把握となっており、7日以内に届け出ることになっている。

2020年3月26日開設 2020年3月26日更新