消毒とは、感染性がなくなる程度に微生物を減らすことであり、滅菌とはすべての微生物を殺滅することである。 したがって、滅菌の方がよりレベルの高い除去法である。
 主な消毒方法は、アルコール次亜塩素酸ナトリウムである。アルコール(特に70%エタノール)は、安全性が高く、手指消毒を含め頻用されるが、無効な病原体があることに注意する。 アルコールが無効な病原体のうち、感染制御上重要な病原体は、ノロウイルスとC. difficileである。これらの病原体には、次亜塩素酸ナトリウムが有効である。 次亜塩素酸ナトリウムは、消毒効果が高い一方で、手指消毒には不向きである。 滅菌法も多数があるが、実際的には、オートクレーブを知っておけば十分であろう。 オートクレーブは、2気圧の飽和水蒸気(121℃に相当)で、15分以上(場合によっては1時間程度)処理する方法で、煮沸に抵抗性の芽胞形成菌も殺滅することが可能である。

2020年3月26日開設 2020年3月26日更新