問題1 ( )内を埋めよ(選択肢がある場合にはいずれかを選べ)。

 連鎖球菌(streptococci)は、グラム(1 陽・陰 )性の連鎖状球菌である。生化学的にはカタラーゼテスト(2 陽・陰 )性であり、ブドウ球菌との鑑別となる。溶血性によりα、β、γ溶血性の3群に分けられる。α溶血とは(3 完全・不完全 )溶血、β溶血とは(4 完全・不完全 )溶血、γ溶血とは非溶血性を意味し、一般に、β溶血性の菌の病原性が高い。
 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は、グラム(1)性の双球菌で、血液寒天培地では(5 α・β・γ)溶血性を示す。初代培養には5%の(6 酸素・窒素・二酸化炭素 )が必要であり、また、多くは(7         )感受性を示し、胆汁酸溶解テストで陽性を示す。構造上は、(8    )を有するのが特徴である。(8)は、多糖で構成されており、現在その抗原性により、93の血清型に分類されている。ワクチンにも、(8)多糖が抗原として用いられている。ワクチンは、(8)多糖を抗原として用いており、大きく2つに大別され、PPV23は成人用、PCV7およびPCV13は主に小児用として使用される。PPV23は、T細胞(9 依存・非依存 )性であり、免疫の未発達な小児や免疫不全者における免疫誘導能が低い。また、診断には、喀痰のグラム染色や培養検査のほかに、尿中の(8)抗原を検出する方法がある。なお、現時点で、尿中抗原が診断に利用可能な細菌は、肺炎球菌と(10                   )のみである。
 連鎖球菌は、細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づくLancefield分類法により(11  )群、(12  )群などに分類される。(11)群は、ほぼS. pyogenesと同義であり、(12)群は、ほぼS. agalactiaeと同義である。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、(13     )法で5類全数把握疾患に指定されている。(12)群溶連菌は、生後間もない新生児における(14    )の主たる原因菌である。また、α溶血性の緑色連鎖球菌(viridans Streptococci)は(15    )常在菌であり、弱毒であるが、抜歯などの処置に関連した亜急性型細菌性心内膜炎や歯性感染の原因菌として重要である。


問題1の正解を見る

 連鎖球菌(streptococci)は、グラム(1)性の連鎖状球菌である。生化学的にはカタラーゼテスト(2)性であり、ブドウ球菌との鑑別となる。溶血性によりα、β、γ溶血性の3群に分けられる。α溶血とは(3不完全)溶血、β溶血とは(4完全)溶血、γ溶血とは非溶血性を意味し、一般に、β溶血性の菌の病原性が高い。
 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は、グラム(1)性の双球菌で、血液寒天培地では(5α)溶血性を示す。初代培養には5%の(6二酸化炭素)が必要であり、また、多くは(7オプトヒン)感受性を示し、胆汁酸溶解テストで陽性を示す。構造上は、(8莢膜)を有するのが特徴である。(8)は、多糖で構成されており、現在その抗原性により、93の血清型に分類されている。ワクチンにも、(8)多糖が抗原として用いられている。ワクチンは、(8)多糖を抗原として用いており、大きく2つに大別され、PPV23は成人用、PCV7およびPCV13は主に小児用として使用される。PPV23は、T細胞(9非依存)性であり、免疫の未発達な小児や免疫不全者における免疫誘導能が低い。また、診断には、喀痰のグラム染色や培養検査のほかに、尿中の(8)抗原を検出する方法がある。なお、現時点で、尿中抗原が診断に利用可能な細菌は、肺炎球菌と(10レジオネラ)のみである。
 連鎖球菌は、細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づくLancefield分類法により(11)群、(12)群などに分類される。(11)群は、ほぼS. pyogenesと同義であり、(12)群は、ほぼS. agalactiaeと同義である。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、(13感染症)法で5類全数把握疾患に指定されている。(12)群溶連菌は、生後間もない新生児における(14髄膜炎)の主たる原因菌である。また、α溶血性の緑色連鎖球菌(viridans Streptococci)は(15口腔内)常在菌であり、弱毒であるが、抜歯などの処置に関連した亜急性型細菌性心内膜炎や歯性感染の原因菌として重要である。


問題2 ( )内を埋めよ(選択肢がある場合にはいずれかを選べ)。

 ブドウ球菌は、グラム(1)性の球菌で、名前は、ブドウの房状の集塊に見えることに由来する。連鎖球菌や腸球菌との鑑別は、グラム染色所見のほか、(2カタラーゼ)反応が陽性であることである。(2)反応は、爪楊枝でコロニーの一部をとり、H2O2と反応させることで確認する。また、(3コアグラーゼ)の有無によって、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と(3)陰性ブドウ球菌(CNS)に分類される。CNSのほとんどは、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)である。黄色ブドウ球菌の方が一般に病原性が高いが、CNSも菌血症の原因菌として分離されることもある。ただし、CNSが血液培養などから分離された場合には、汚染菌の可能性を十分に考慮しておく必要がある。黄色ブドウ球菌のほとんどは、ペニシリナーゼを産生するため、治療の第一選択は第一世代セフェムである。しかしながら、近年、(4メチシリン)耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が、院内の黄色ブドウ球菌の多くを占めており、MRSAに対しては、カルバペネムを含め、β-ラクタムは無効である。なお、MRSAの耐性機序は、β-ラクタマーゼによるものではなく、(5mecA)遺伝子にコードされる(6PBP2’)によるものであり、(6)は、(7ペニシリン)結合蛋白の変異によるもので、(7)への親和性が低下していることが原因である。CNSでも同様に、(4)耐性菌が存在し、MRCNSと呼ばれる。抗MRSA薬として、(8バンコマイシン)、テイコプラニン、(9アルベカシン)、(10リネゾリド)、テジゾリド、(11ダプトマイシン)がある。(8)とテイコプラニンはグリコペプチドに属する抗菌薬であり、有名な副作用として(12レッドマン)症候群がある。(9)は、アミノグリコシドに属する抗菌薬であり、(8)と同様に、(13)毒性が問題となる。(10)とテジゾリドは、オキサゾリジノンに属する抗菌薬であり、リネゾリドの主な副作用は骨髄抑制で、特に(14血小板)減少が問題となる。(11)は現時点で最も新しい作用機序の抗菌薬である。また、(11)は、(15肺サーファクタント)によって分解されるため、呼吸器系の感染症、特に、肺炎の適応がない。

問題2の正解を見る

 ブドウ球菌は、グラム(1)性の球菌で、名前は、ブドウの房状の集塊に見えることに由来する。連鎖球菌や腸球菌との鑑別は、グラム染色所見のほか、(2カタラーゼ)反応が陽性であることである。(2)反応は、爪楊枝でコロニーの一部をとり、H2O2と反応させることで確認する。また、(3コアグラーゼ)の有無によって、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と(3)陰性ブドウ球菌(CNS)に分類される。CNSのほとんどは、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)である。黄色ブドウ球菌の方が一般に病原性が高いが、CNSも菌血症の原因菌として分離されることもある。ただし、CNSが血液培養などから分離された場合には、汚染菌の可能性を十分に考慮しておく必要がある。黄色ブドウ球菌のほとんどは、ペニシリナーゼを産生するため、治療の第一選択は第一世代セフェムである。しかしながら、近年、(4メチシリン)耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が、院内の黄色ブドウ球菌の多くを占めており、MRSAに対しては、カルバペネムを含め、β-ラクタムは無効である。なお、MRSAの耐性機序は、β-ラクタマーゼによるものではなく、(5mecA)遺伝子にコードされる(6PBP2’)によるものであり、(6)は、(7ペニシリン)結合蛋白の変異によるもので、(7)への親和性が低下していることが原因である。CNSでも同様に、(4)耐性菌が存在し、MRCNSと呼ばれる。抗MRSA薬として、(8バンコマイシン)、テイコプラニン、(9アルベカシン)、(10リネゾリド)、テジゾリド、(11ダプトマイシン)がある。(8)とテイコプラニンはグリコペプチドに属する抗菌薬であり、有名な副作用として(12レッドマン)症候群がある。(9)は、アミノグリコシドに属する抗菌薬であり、(8)と同様に、(13)毒性が問題となる。(10)とテジゾリドは、オキサゾリジノンに属する抗菌薬であり、リネゾリドの主な副作用は骨髄抑制で、特に(14血小板)減少が問題となる。(11)は現時点で最も新しい作用機序の抗菌薬である。また、(11)は、(15肺サーファクタント)によって分解されるため、呼吸器系の感染症、特に、肺炎の適応がない。