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一般の方 本学関係者の方

放射線診断学・IVR学
- Department of Diagnostic and Interventional Radiology

基本情報

学域名 病態診断・生体機能管理医学講座 放射線診断学・IVR学
(英語表記)Department of Diagnostic and Interventional Radiology
代表者 顔写真
教授

三木 幸雄
- Yukio Miki
場所 学舎 11階
連絡先 TEL:06-6645-3831
MAIL:radiology@med.osaka-cu.ac.jp
ホームページ http://ocu-radiology.jp/ link
概要  大阪市立大学放射線医学教室は昭和24年に開講され、平成21年で60周年を迎えました。
 放射線診断学・IVR学は幅広い診療分野をカバーしており、現代の医療インフラを担う重要な部門です。装置や技術の進歩とともに更なる発展・進歩が予想され、カバーする臓器・疾患・診療分野が広いため、興味・やりがいを持てる専門分野をきっと見つけることできるでしょう。
 放射線診断学部門には豊富な経験を有する各領域の専門家が揃っており、頭部から胸部、腹部、骨関節の幅広い領域の診断が出来るgeneral radiologistの育成に力を注いでいます。大阪市大病院には最新鋭機を含むCT・MRI装置が各4台ずつ導入されており、検査は概ね全てを放射線科医が担当して行っています。対象疾患に合わせた最適と思われるプロトコールを、最新の知見と検査のスループットを勘案して独自に作成し、ほぼ全ての画像を放射線科医が読影・画像診断報告書を作成しています。
 また、IVR部門にも各領域のスペシャリストが在籍しており、施術件数は年間約700件と大学病院でもトップクラスを誇っています。IVRとはInterventional Radiologyの略で、CTやX線装置の補助下にカテーテルや穿刺針を用いて外科的手術よりも低侵襲に行う治療を総称しています。大阪市大放射線科ではTAE(経カテーテル的肝動脈塞栓術)を開発した山田龍作名誉教授の時代より活発にIVRを行っており、門脈圧亢進症に対するTIPS(経頚静脈的肝内門脈大循環シャント)やB-RTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)、また近年ではハイブリッド手術室を活用したEVAR(大動脈瘤ステントグラフト内挿術)など多彩な治療を行っています。

教育方針

学部教育

  • 画像診断学および、IVRの基本理論と手技について講義し、さらに理解を深めるため臨床現場において実際の診断手法や画像処理、治療手技について実習を行います。
  • 診断学では各種画像診断方法の基本原理と撮像方法、実際の症例を通じた正常画像の理解と病変の抽出手法についての理解を深める教育を行います。IVR学では基本的理念を理解し、実際の治療を通して手技を指導していきます。

臨床教育(研修医の育成)

  • 上記学部教育に加え、日本医学放射線学会や日本インターベンショナルラジオロジー学会など各種学会の認定医・専門医を目指すため、学会発表や論文作成などを指導・支援しています。
  • 放射線(画像)診断領域における指導方法としては、まずteaching fileの作成を日々実施し、各人がレビューできるようにしています。現在ではすでに1万例近くのteaching fileが作成されています。これに加え、毎週2回の放射線科内画像診断カンファレンス(中枢神経領域と全身領域)と他の10以上の診療科との画像カンファレンスを開催し、重要と思われる症例については特にインタラクティブな指導を心がけています。
  • 附属病院だけでなく、多くの関連施設と連携して教育体制を整えており、多彩な症例経験を積むことが出来ます。また、全国で行われる院外の勉強会や研究会にも積極的に引率して指導しています。

研究指導

  • 豊富な経験を有する各領域の専門家により、最新の知見をあわせ、研究指導を行っており、臨床研究とともに基礎研究も行っています。若手医師に対して、活発に発表や論文の指導が行われています。
  • 臨床研究は、画像診断部門では、MRIを用いた脳温度計測やアミロイドの描出などの最先端の研究をおこない、成果を出しています。IVR部門では腹部IVRにおけるC-arm CTの臨床的有用性に関する研究を血管造影装置メーカーとも協力して行っています。また、ラジオ波焼灼術を行った後に免疫賦活化物質を追加することにより腫瘍に対する免疫を活性化させ、全身の腫瘍に対しても抗腫瘍効果を得ようとする試みも研究中です。
  • 基礎研究では磁力を利用したカテーテルデバイスの開発やRF磁界の体外照射により高効率に発熱する体内埋め込み式熱凝固治療システムの開発などを研究しています。

研究について

概要

  • 研究を志す方は大学院への進学および博士号の取得も可能です。診断学・IVR学の各分野の指導医の元で多様な研究を行っており、新たな撮像技術・診断技術・治療法などをテーマとした研究を行える体勢を整えています。
  • 国外留学に関してもUniversity of Bordeaux (France)・Thomas Jefferson University (USA)・Oregon Health Sciences University (USA)・University of Texas at San Antonio (USA)・University of Iowa (USA)・Lund University (Sweden)・ Malmo University Hospital (Sweden)・University of Bonn (Germany)・Aachen University of Technology (Germany)・Nantes University (France)などへの留学実績があります。

教室を代表する業績

業績

  • 大阪市立大学 放射線医学教室の名誉教授であります山田龍作先生によりRadiology誌に報告された、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓療法の論文がまず挙げられるでしょう。その後、山田先生が第一人者として、TAEの発展に大変寄与されたことは皆が知るところです。
  • 三木幸雄教授は、下垂体腺腫に対するダイナミック造影MRIを開発し、また、多発性硬化症のMRIや高磁場MRIの臨床応用においても多くの業績を挙げています。
  • 当教室には学会での受賞や雑誌での受賞論文が多数あります。その中でも、濱本晋一先生によるRadiologyの論文は、北米放射線学会の基調講演やRadiologyの論説で取り上げられたほどの優れた論文であり、当教室の誇りであります。

論文

  • Yamada R, Sato M, Kawabata M, Nakatsuka H, Nakamura K, Takashima S. Hepatic artery embolization in 120 patients with unresectable hepatoma. Radiology. 1983;148(2):397-401
  • Miki Y, Matsuo M, Nishizawa S, Kuroda Y, Keyaki A, Makita Y, Kawamura J. Pituitary adenomas and normal pituitary tissue: enhancement patterns on gadopentetate-enhanced MR imaging. Radiology 1990;177(1):35-38
  • Miki Y, Grossman RI, Udupa JK, Wei L, Kolson DL, Mannon LJ, Grossman M. Isolated U-fiber involvement in multiple sclerosis - preliminary observations. Neurology 1998; 50(5):1301-1306
  • Hamamoto S, Okuma T, Yamamoto A, Kageyama K, Takeshita T, Sakai Y, Nishida N, Matsuoka T, Miki Y. Radiofrequency Ablation and Immunostimulant OK-432: Combination Therapy Enhances Systemic Antitumor Immunity for Treatment of VX2 Lung Tumors in Rabbits. Radiology. 2013;267(2):405-413

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

  • 新しい脳MRI技術の臨床応用
概要 MRI技術は日進月歩ですが、大阪市大 放射線診断学・IVR学教室では、そのなかでも特に、拡散強調画像による脳温度測定と位相差強調画像の各種脳疾患の臨床応用に力をいれています。脳温度と脳代謝は密接な関係がありますが、脳の温度を体外から測ることは困難です。拡散強調画像を解析することによって、脳温度測定が可能となり、これまでに多発性硬化症患者の脳温度が低いことや(Sai A, et al. JMRI 2014;40:649-54)健常女性の脳温度と体温に関係があることを明らかにしました(Tsukamoto T, et al. JJR, in press)。他の脳疾患にも応用中です。また、位相差強調画像は、石灰化・出血や脳の線維束などの種々の構造物・物質を区別できることが期待されていますが、この画像を脳腫瘍やアルツハイマー病などに臨床応用し、有用性を検討しています。
  • 免疫ラジオ波焼灼術
概要 通常肝悪性腫瘍や肺悪性腫瘍に対して行われるラジオ波焼灼術は、一回につき一つの腫瘍に対する焼灼を行う治療(局所治療)であり、抗がん剤治療をはじめとした全身に対する抗腫瘍効果を得る治療(全身治療)とは異なる。放射線科では、ラジオ波焼灼術を行った後に免疫賦活化物質を追加することにより、腫瘍に対する免疫を活性化させ、全身のその他の腫瘍に対しても抗腫瘍効果を得ようとする試み(免疫ラジオ波焼灼術と命名)を研究中であり、動物実験での結果を報告した(Hamamoto S, et al. Radiology 2013;267:405-13、Kageyama K, et al. CVIR 2013;36:1383-92)。この効果が確認されれば、ラジオ波焼灼術を行う事により局所治療効果だけでなく全身治療効果も得ることができるようになることが期待できる。
  • 腹部IVRにおけるC-arm CTの臨床的有用性に関する研究
概要 フラットパネル技術や画像再構成方法の開発により、血管造影装置にて断面画像を再構築し標準的なCT装置と同様の画像(C-arm CT画像)を得ることが可能となった。従来は撮影中の動きに弱いC-arm CTの活用は動きを抑制しやすい脳血管内治療の領域が中心で、呼吸や臓器の動きを長時間抑制することが難しい腹部領域における活用は進んでいなかったが、近年の技術進歩により撮像時間の短縮が可能となったことで、腹部領域への応用が進みつつある。我々は腹部IVRへのC-arm CT画像の活用を探求している。
  • 新しいImplantable thermal ablation deviceの開発
概要 RF磁界の体外照射により高効率に発熱する体内埋め込み式熱凝固治療システムの開発を目的として、長径約5mmの共振回路を組み込んだ体内埋め込み型電極(インプラント)と、体外からRF磁界を照射するための発信機を作成した。これらのデバイスを用いてラットによる動物実験を行い、いずれの個体もサーモグラフィーによって局所加温達成が確認された。この新しいシステムにより従来の穿刺電極式RFAと異なった低侵襲的熱凝固療法の臨床応用が可能であることが示唆された。(Matsui H, et al. BJR 2012;85:e734-9)
  • 頭頸部腫瘍の画像診断における質的(組織)診断
概要 頭頸部腫瘍においてCTやMRIを用いての画像診断における質的診断向上を目指している。CTやMRIで描出される腫瘍本体の性状からだけでなく、頭頸部腫瘍に付随するリンパ節の性状や異常リンパ節の分布などからも、良悪性の区別を含め画像診断が質的診断に寄与するかを検討している。そのリンパ節も触診や視診で評価不能で画像でしか評価出来ない臨床上非常に重要な深頸部リンパ節であるルビエールリンパ節などに注目し検討している。今まで、ルビエールリンパ節腫大は鼻腔副鼻腔後部の悪性腫瘍や咽頭の悪性腫瘍からの転移として認められることが多いとされていたが、我々の研究では必ずしも鼻腔副鼻腔後部の悪性腫瘍だけでなく、鼻腔副鼻腔前部の悪性腫瘍においても転移として生じることが証明された。この結果により鼻腔副鼻腔におけるリンパの流れなどがどのようなものであるかが推察される。(Sai A, et al. Neuroradiology. 2014.12;56:1097-102)
  • 急性腹症疾患における画像診断を用いた予後予測
概要 急性腹症は、臨床上最も頻度の高い救急疾患である。それらの疾患を初診時に正確に診断することはもちろん重要であるが、合併症や予後を予測することができれば、臨床上非常に有用である。我々は、急性腹症の中でも、頻度が高く、かつ様々な合併症を生じ重篤になりうる急性膵炎に注目し、それに伴う合併症が生じうる予測ができないかを検討した。その結果、遅発性消化管穿孔という病態が、特に結腸に生じやすく、頻度もまれではないことが明らかになり、その予測に単純CTが非常に大きな役割を果たしていることを証明した。(Nakanishi N, et al. JJR, in press)

臨床への取り組み

 大阪市大(診断部門)放射線(画像)診断領域において、通常の読影業務においてだけでなく、毎週~定期の院内放射線科と10個以上の他科合同画像診断カンファレンスを実施し(放射線科医師のみならず他科若手医師だけでなく、そこに参加している学生、前期研修医に対してもインタラクティブな指導を心がけています)、結果がフィードバックされる体制を整えています。また院内だけでなく、院外の他科の大阪市立大学関連施設合同のカンファレンスにも招かれ、関連施設のデータまでフィードバックされる体制を整えています。既述のごとく豊富な臨床症例フィードバックを、皆で共有閲覧できるようデータベースを構築し、これを利用して臨床研究応用に役立てています。
 (IVR部門)腫瘍性病変に対して動脈塞栓術や動注化学療法などの血管内治療、およびラジオ波焼灼術などの穿刺治療を行っています。閉塞性血管病変や大動脈瘤に対しては血管拡張術、ステント・ステントグラフト留置術などを行っています。静脈瘤や難治性腹水などの門脈圧亢進症に対しては静脈瘤塞栓術(BRTO、経皮経肝的静脈瘤硬化術など)や先進医療としてのTIPS(経頸静脈肝内門脈大循環短絡術)などを行っています。
( → 病院の診療科 http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/13-houshasenka.shtml link

スタッフ

教授 三木 幸雄
准教授 下野 太郎・小山 孝一
講師 山本 晃・大隈 智尚・城後 篤志・濵本 晋一
助教 寒川 悦次
病院講師 影山 健・植木 愛

参考写真

【写真1】毎年春に学舎の中広場にて撮影する大阪市大放射線科医局員の集合写真です。


【写真2】火曜日イブニングカンファレンスの様子です。大変勉強になるカンファレンスであり、大阪市大病院の放射線科だけではなく、他病院の放射線科や他科からも大勢の医師が参加されます。ぜひ皆さんもご参加ください。


【写真3】昨年11月に開催した、大阪市立大学放射線科の若手放射線科医による研修医や学生のための講義です。初めての試みだったのですが、若手放射線科医によるプレゼンテーションが上手でわかりやすい講義内容であったことから、参加いただいた大勢の先生や学生に大変好評でした。今年も開催予定ですので、ぜひご参加ください。


【写真4】2014年に大阪市立大学 放射線診断学・IVR学/放射線腫瘍学教室が主催した日本医学放射線学会関西地方会での写真です。

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