学域名 | 都市医学講座 法医学 (英語表記)Legal Medicine |
---|---|
代表者 |
![]()
教授
石川 隆紀
- Takaki
Ishikawa
|
場所 | 学舎13階 |
連絡先 |
TEL:06-6645-3767 MAIL:legalmed@osaka-cu.ac.jp |
ホームページ |
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/legalmed/ ![]() |
概要 |
沿 革 法医学講座は、昭和32年(1957)病理学の馬場教授が兼担、発足し、同年5月1日に専任教員として助川義寛助教授が大阪大学から着任。大阪大学大村得三教授が兼任講師となる。昭和33年(1958)大阪大学を定年退官となった大村教授を専任の初代主任教授として迎えた。昭和36年(1961)4月より、助川助教授が第二代主任教授に就任、平成2年(1990)3月定年退職。同年10月金沢大学前田均助教授が第三代主任教授に就任。大阪市立大学は大学院改革の一環として、2000年4月に大学院が再編された。法医学講座は敢えて名称変更をせず、都市医学大講座に属することになった。前田均教授は、平成27年(2015)3月定年退職。同年4月鳥取大学から石川隆紀教授が第四代主任教授に就任した。 講座領域の特徴と研究 これまでの歴史の中で、当教室は、急死の死因・病態分析のための病態生理生化学的研究、外傷性ストレス強度の客観的評価のための法医神経病理・神経精神医学的研究、乳幼児突然死症候群の診断基準の作成、交通災害や医療事故などに関する法医賠償医学的研究などを行ってきた。 現在は、「ストレスによる中枢神経系・内分泌系器官の形態学的および分子生物学的研究」と題し、様々なストレスによる死へのプロセスを解明すべく、剖検例における種々の病態に対するホルモン動態、 また各種器官培養細胞を用いた薬剤感受性やマウスを用いたストレス環境下における影響などに関する研究を行っている。また、これまでの当教室の研究理念を引き継ぎ、「エビデンスに基づく客観的な法医病理診断のための傷病発生あるいは発症時の急性反応」の目安となる生理生化学検査や死後画像検査などを法医実務のルーチンワークとして、現在においても応用している。 法医業務 昭和34年(1959)開始以来令和2年(2020)12月末までの鑑定総数8,244件。 その他刑事裁判および民事裁判に関し、全国各地の裁判所、検察および弁護士などからの鑑定を数多く手がけてきている。 |
概要 | 法医解剖は外因死や突然死のように広く社会・法的問題を孕む“異状死”について死亡の原因と経過、関与した基礎疾患や合併症などを明らかにするために行われることから、多くの症例では病歴や死亡状況に関する情報に乏しく、その情報の有無に関わらず客観的根拠に基づく評価が求められる。従来は形態学的所見に大きく依存した診断が行われてきたが、申請者らは臨床診断に利用されている種々のバイオマーカーを積極的に剖検診断に適用するとともに、種々の死因による死亡過程に関する分子生物学的分析を行い、診断精度の向上に努めてきた。その結果、個々の症例に関する法医学的診断を通じ、傷病予防と社会的危機管理のために重要なデータが蓄積されてきている。それらの剖検データを統計学的に分析して公表することにより、①法医剖検診断精度向上、②傷病予防および③犯罪・災害防止に役立つ資料を提供できる。また、データ分析の経過を追って、その都度、当教室の剖検例の鑑定結果にも反映している。 |
---|
概要 | 本研究の目的は、血液から脳脊髄液への様々な生理活性物質の選択的移行のメカニズムを解明するために、培養細胞にて脈絡叢-毛細血管上皮細胞関門モデルを構築して各種薬物および生理活性物質の移行を法医学・微細形態学・神経科学の観点から調査し、脈絡叢の生理学的機能について明らかにすることにある。 一般に、血中の毒物やホルモンなどの生理活性物質が、脳脊髄液さらには脳内に移行するメカニズムを解析するためには、脳および脈絡叢における受容体の存在、各種脳内受容体の遺伝子型、脈絡叢-毛細血管上皮細胞関門(血液脳脊髄液関門)の機能などの関与を明らかにする必要がある。この血液脳脊髄液関門は、血液から脳脊髄液、さらに中枢神経系に移行する物質に対して選択性を有しているものと考えられるが、脈絡叢の詳細な生理学的機能は不明である。そこで培養細胞を基盤とした研究を行い脳脊髄液から脳内への物質移行のメカニズムついて解析を行う。 |
---|
概要 | 本研究の目的は脳血管障害、頭部外傷、呼吸障害や各種中毒、代謝障害など、あらゆる要素で発症する脳浮腫の病態生理を研究し、脳浮腫の進行におけるバソプレシンの役割と脳浮腫の重症度評価に役立てることである。利尿を抑制するホルモンである“バソプレシン”が神経細胞保護に関わることが明らかとなってきている。バソプレシンの法医診断上の意義を明らかにするべく、脳内のバソプレシンについて免疫組織学的手法および生化学的手法を用い、その変化について検討、更に血中および脳脊髄液中のバソプレシン濃度の変化についても形態学的変化と比較しながら検討を行い、脳浮腫の進行におけるバソプレシンの役割と脳浮腫の重症度評価への応用について検討を行う。 |
---|
概要 | 中毒関連死では特異的病理所見に乏しいため、その診断は中毒学的検査結果に大きく依存している。しかしながら、薬物乱用者や遷延死例では必ずしも確定的な中毒学所見が得られるとは限らない。治療濃度域でも致死的な副作用が生じることがあり、死因診断に苦慮する場合がある。当教室ではこれまで全剖検例についてルーチンに病理学的検査・中毒学的検査・生化学的検査を行い、アルコール中毒、覚せい剤や向精神薬などの薬物中毒における病理所見と生化学データを照合・分析してきた。その結果、系統的な生化学検査によって薬物中毒・関連死の病像の一端が明らかになり、いわゆる横紋筋融解症などの“機能死”における全身障害あるいは熱中症や凍死などの種々の外因死や突然死における死亡過程との相違が明らかとなってきた。しかしながら、薬物中毒者が持つ個体の内的要因については、病理学的検査や生化学的検査のみでは限界があるように思われる。そこで、今回我々は、薬物中毒関連死亡例における薬物動態関連遺伝子の解析を行い、死因究明の確立と、薬物関連死亡例における病態生理について遺伝子学的観点から検討することとした。 |
---|
教授 | 石川 隆紀 |
---|---|
講師 | 池田 知哉 |
助教 | 谷 直人 |
特任助教 | 渡邊 美穂 |