学域名 | 泌尿生殖・発達医学講座 泌尿器病態学 (英語表記)Urology |
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代表者 |
![]() 教授 内田 潤次
- Junji Uchida
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場所 | 学舎 8階 |
連絡先 |
TEL:06-6645-3857 MAIL:urology@med.osaka-cu.ac.jp |
ホームページ |
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/urology/ ![]() |
概要 |
当教室の歴史は、皮膚泌尿器科学教室として大阪市立医学専門学校に開設された昭和18年に遡ることとなりますが、泌尿器科学専攻の教室としては昭和38年、故 田村峯雄名誉教授により開設されました。昭和48年には故 前川正信名誉教授が第2代教授として、平成4年には岸本武利名誉教授が第3代教授として、そして平成15年より仲谷達也教授が第4代教授に就任され現在に至っています。 泌尿器科診療の大きな柱は腎泌尿器悪性疾患の治療と腎不全治療です。教室開設当初より、腎泌尿器悪性疾患の治療に励みつつ、腎機能の保全および機能廃絶後の腎不全治療にも力を注ぎました。現在、当科は腎移植、透析療法(腹膜透析、血液透析)を重点的に行っている西日本を代表する腎不全の総合治療施設です。 現在、成人一般泌尿器科疾患全般に対して、最新の設備で最先端の治療を行っております。例えば癌診療では前立腺癌に対して手術支援ロボットda Vinciが導入され、より安全性が高く、低侵襲な手術が実施されています。更に前立腺癌に対する永久挿入密封小線源治療、腎癌に対しての腹腔鏡手術(腎摘除術、腎部分切除術)の低侵襲的手術を行っています。さらに、前立腺肥大症に対するレーザー治療や難治性疾患とされている間質性膀胱炎での高気圧酸素療法なども実施しています。腎不全治療に関しても積極的に取り組んでいます。腎不全の根治的治療ともいえる腎移植に関しては献腎移植、生体腎移植ともに施行しております。ハイリスクであるABO血液型不適合移植や高齢者への腎移植、従来禁忌であった既存抗体陽性腎移植も積極的に取り組んでいます。現在まで当科では腎移植件数300例以上の豊富な経験を有しており、2001年以降、生体腎移植5年生着率100%を達成しております。一方で透析療法についても透析患者の生命線ともいえるバスキュラーアクセスの作製や維持管理、腹膜透析チューブ留置術、さらには長期透析合併症である二次性副甲状腺機能亢進症手術や透析アミロイドーシスに対しての手術管症候群、ばね指に対しての手術治療なども行っています。 |
概要 | 前立腺癌の研究テーマとして、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の獲得機序の解明および新規治療ターゲットの開発を行っています。特に、癌化および癌抑制に関して近年注目されているmicroRNAの制御系について、CRPCへの移行の際に発現が変化しうるmicroRNA分子を数種同定し、それらの機能解析および抗腫瘍効果を検討しています。また種々の癌種における転移や浸潤といった癌の進行過程において、上皮間葉移行(EMT)といわれるメカニズムが関与するとされています。前立腺癌においてNEDD9と呼ばれるタンパクがこの制御に関わっていることを近年当教室にて報告した。このタンパクの分子メカニズムを解析することにより前立腺癌の新規治療開発へとつなげていくことを目指しています。 |
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概要 | 泌尿器科癌に関わる基礎的研究を継続して行ってきており、これまでに日本癌学会や日本泌尿器科学会、アメリカ泌尿器科学会などで成果発表と論文報告をしてきました。膀胱癌においては、膀胱癌組織のプロテオミクスから癌の浸潤に関わる分子としてDDX39を同定し、癌患者の予後予測因子となりうることを発見しました。またsteroid sulfataseが膀胱癌組織の筋層浸潤部に高発現することから、癌の進行・転移に関わることを発見し、現在研究を進めています。また前立腺癌においては、アンドロゲン受容体のN末端に作用するEPIとmTOR阻害剤の併用療法がエンザルタミド耐性の前立腺癌に対して著効することを報告しています。 |
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概要 | 基礎研究では、腎移植に用いる薬剤による薬物性腎障害の解明及び慢性移植腎症で出現する病態である腎糸球体及び尿細管間質病変の発症進展メカニズムについて検討しています。現在、薬効安全性学と連携し、樹状細胞及びマクロファージ等の免疫担当細胞の関与について検討しております。腎移植に関する臨床研究ではABO血液型不適合腎移植、既存抗体陽性腎移植に関する脱感作療法の確立を目指した研究を行っています。また、腎移植長期生着を目的として移植後合併症への対応として移植後新規発症移植後糖尿病に関する機序の解明、移植後メタボリックシンドロームの臨床的意義と対策、腎移植後microalbuminuriaの臨床的意義、腎移植後包括的血圧管理(家庭血圧を用いた管理)の意義の解明など多岐にわたる臨床研究を行っています。成果は適宜、国内学会、国際学会、論文にて公表しています。また、人工腎グループとも連携し、共同研究しております。 |
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概要 | 以下に人工腎グループで現在進行中の代表的な臨床研究を示します。 ①腎後性急性腎障害に関する疫学研究 2006年12月1日から大阪市立大学泌尿器科で診断された急性腎後性腎不全の患者の後ろ向きコホート研究です。 ②腎移植レシピエントにおける血管石灰化の検討 2010年4月1日から2013年3月31日までに大阪市立大泌尿器科において、腹部のスクリーニングCTを受けた患者さんが対象の前向き観察研究です。 ③腎移植後CMV感染に対する顆粒球吸着療法の臨床効果の検討 2012年1月1日から大阪市立大学泌尿器科にてサイトメガロウイルス感染を起こした腎移植レシピエントにたいする顆粒球吸着療法による治療の臨床研究です。 ④透析患者における無症候性脳血管障害の検討 2006年1月1日から2009年12月31日までに、大阪市立大学泌尿器科を受診され脳MRIを撮像した透析患者さんを対象とした前向き観察研究です。 |
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概要 | 現在、当教室とその関連病院において「ビカルタミドを用いたCAB療法後の去勢抵抗性前立腺癌に対する抗アンドロゲン剤交代療法と早期エンザルタミド導入療法の多施設前向き無作為化比較試験(NCT02346578)」というランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)が進行中です。この研究は去勢抵抗性前立腺癌と診断後、2次ホルモン治療として、アンチアンドロゲン交替療法とエンザルタミド早期導入の有効性と安全性を比較する前向き試験で、米国のClinicalTrials.govに登録され進行中です。この研究結果により、今後の日本での去勢抵抗性前立腺癌に対する逐次療法を決定する上で、非常に大きな意味を持つと思われます。2015年1月から研究が開始されており、2017年9月に研究を終了し、結果の解析を行う予定です。 |
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教授 | 内田 潤次 |
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講師 | 鞍作 克之、長沼 俊秀、玉田 聡、井口 太郎、岩井 友明、山﨑 健史、加藤 実 |
病院講師 | 大年 太陽、平山 幸良、西出 峻次、南 彰紀 |