大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学

代表者挨拶

主催教授ご挨拶

教授  河田 則文(かわだ のりふみ)

  • 医学研究科長・医学部長
  • 肝胆膵病態内科学 教授
  • University College London 客員教授
  • Hanoi Medical School 名誉教授
教授  河田 則文(かわだ のりふみ)

肝胆膵病態内科学講座は、医学部の大学院医学研究科の再編に伴い2001年(平成13年)に内科学第3講座を母体として新設されました。消化器内科学講座と兄弟関係の大学院講座です。1968年(昭和43年)に山本祐夫先生が創設された第3内科はその名を日本中に轟かせた肝臓病学のメッカとなり、以降も第3内科は国の内外に対して消化器病学に関する情報発信基地となりました。その間、肝臓病学に関連する教授を輩出してきており、まさに質の高い研究者のインキュベーターとなっています。私は2007年(平成19年)1月1日付けで肝胆膵病態内科学の初代主任教授を拝命し、既に13年間が経過して教室も発展してきました。

肝胆膵病態内科学講座(診療科としては肝胆膵内科)は、その名のとおり、肝臓・胆のう・膵臓の疾患に関して実に広範な仕事をしています。山本祐夫先生が第3内科を開講された当時は、抗結核薬で生じる薬物アレルギー性肝炎のメカニズム解明をメインテーマとされていました。その後、劇症肝炎や輸血後肝炎の臨床と研究、B型やC型肝炎に対するインターフェロン療法の推進、インターフェロンや漢方薬による肝発癌抑制など、世界に誇る多数の輝かしい業績をあげました。それらをバックボーンとして、現在ではDAAや核酸アナログ製剤を用いたウイルス性慢性肝疾患の治療数では日本国内トップクラス、超音波誘導下でのラジオ波やマイクロ波を用いた局所的肝癌治療では関西トップクラスであり、さらには分子標的治療薬を用いた肝癌や膵癌治療、非アルコール性脂肪肝炎の診断と病態解析等を含めて新規治験・臨床研究に積極的に取り組んでいます。また、肝癌治療に対する肝動脈塞栓術を開発された放射線科のIVRグループ、肝癌切除術数日本有数を誇る肝胆膵外科、基礎講座では公衆衛生学教室、病態生化学教室、病態生理学教室、解剖学教室等、学内の臨床系・基礎系大学院講座とも密に連携しており、肝疾患患者数が非常に多いという大阪市の地域特殊性に柔軟に対応しつつ、肝臓病学を学問的にも発展させています。更に、UCL(ロンドン)、Stanford大学(CA)、ハノイ医科大学(ベトナム)、蘭州大学(中国)などとの国際共同研究を実施しています。

肝胆膵病態内科学講座は日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本内視鏡学会、日本超音波学会などの認定医、専門医、指導医を豊富に擁し、前期・後期臨床研修を充実させるためのプログラムを構築しています。各学会の認定医や専門医の取得を目指される先生には、症例報告や学会発表を指導し、支援しています。関連施設(病院)としても、大阪市立総合医療センター、十三市民病院、藤井寺市民病院、和泉市立総合医療センター、柏原市民病院、泉大津市立病院などの公立病院群をはじめ、各学会の教育認定施設を取得されている私立病院を中心にスタッフを配置していますので、関連施設でも満足度の高い前期・後期臨床研修を受けていただけます。

勿論、研究に興味をもたれる先生は大学院に進学して基礎的あるいは臨床的研究をおこない、学会発表や論文執筆をしていただいて医学博士号の取得を目指していただくことが可能です。本講座の特徴はベトナム社会主義共和国からの留学生を多数受け入れていることで(現在6名)、国際性も重要視しています。さらに将来、海外での留学生活を希望される場合はUCL(ロンドン)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD、サンディエゴ)、Yale大学(New Haven)、フローレンス大学(イタリア)、バルセロナ大学(スペイン)、ハノイ医科大学(ベトナム)などの施設に紹介させていただくことは比較的容易ですのでご相談下さい。

私は基礎研究テーマとして肝臓の毛細血管を構成する類洞壁細胞の研究を継続しておこなってきました。基礎的研究は直ちに日常臨床に応用できるわけではありませんが、教科書を書き直すような研究成果を出して特許を取得したり、新しい遺伝子を発見してデーターベースに登録することができるなどの魅力があります。また、研究に打ち込むことで人生論的に多くのことを学びました。一つは「継続は力なり」ということです。あることを継続してコツコツ仕事をしていると世間に認知され実を結びます。しかし、ただ単に仕事をこなすだけでなく「自己アピールする」ことも大切です。日本人は団栗の背比べが好きな民族と言われますが、自分の仕事を相手に理解させ印象づけるために自ら進んで様々な手段を講じることが時には必要です。そして最後の教訓は「来るものは拒まず」です。どんな仕事でも与えられたら全力でやってみる。これまでやったことがない仕事でもそれをこなすと一ハードル超せたと実感でき、それがまた次へ展開するので、前向きかつ楽観的に考える。これらの教訓は基礎的研究だから得られたというわけではなく、臨床や教育現場でも共通の基本的姿勢であると考えています。

肝胆膵病態内科学講座も第3内科のモットーである「仕事を、そして日々を、和気あいあいと楽しもう」を引き継いでいます。日常的に遊ぼうと言ってもいいかもしれません。楽しむということは仕事で充実感を得ることなのですが、それには苦しい局面も伴います。苦楽は表裏一体、苦も通り過ぎれば楽と転じる、と割り切って一回しかない今日一日を思いっきり楽しんだら良いと思います

肝胆膵病態内科学講座は医局一丸となって、肝胆膵疾患に関する新しい情報を世に発信してゆきたいと思います。それが、疾病の診断や治療に応用され、医学の進歩に貢献し、延いては地域住民や世界の福祉に役立つことに繋がれば至高の喜びです。

令和2年4月24日