萩原 淳司 Atsushi Hagihara
肝胆膵内科
平成22年4月に国立がんセンター(東京都)への国内留学を終え大阪市立大学附属病院に復帰いたしました。日本でまだ数少ない臨床腫瘍学会専門医(癌の専門医)として、大阪市立大学肝胆膵内科でも癌治療に携わっております。
大阪市立大学附属病院第3内科(消化管内科・肝胆膵内科)で、消化管と肝疾患に対する治療の基本を教わった後に大学院に進学しました。そこで医学部長(当時)であった福島昭治先生より国立がんセンター研究所に行くよう指示され、牛島俊和先生の元で膵癌の研究を開始しました。膵癌の研究は国立がんセンター中央病院肝胆膵内科の奥坂拓志先生と共同で進めました。博士号を授かった後、1年間は大阪市大病院で働きましたが、荒川哲男教授と河田則文助教授(当時)の許可を得て国立がんセンター中央病院肝胆膵内科で働くようになりました。国立がんセンター中央病院肝胆膵内科では、経皮的ラジオ波焼灼療法、経皮的エタノール注入療法、経カテーテル的肝動脈塞栓療法(放射線科と共同)、経カテーテル的肝動注化学療法(放射線科と共同)、全身化学療法、経皮経肝的胆道ドレナージ、内視鏡的胆道ドレナージ(内視鏡部と共同)、経皮的肝腫瘍生検、経皮的膵腫瘍生検に追われる毎日でした。また、癌拠点病院の業務として治験や臨床試験の計画書作成、併設されている研究所での基礎研究などを時間の合間をぬって行っておりました。特に、進行肝細胞癌に対しては、世界的な標準治療薬であるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)と日本で汎用される経カテーテル的肝動注化学療法との併用療法の多施設共同第1相臨床試験の研究事務局をしており、大阪市立大学肝胆膵内科に着任した現在も引き続き、国立がんセンター中央病院(名称変更:国立がん研究センター中央病院)、国立がんセンター東病院(名称変更:国立がん研究センター東病院)、愛知県立がんセンター中央病院、大阪府立成人病センターと共に共同研究を行っております。
国立がんセンター(名称変更:国立がん研究センター)への国内留学で身に着けた知識、技術、人脈を日常診療に生かしたいと思っております。
医師不足が話題になる昨今、国内留学の機会を作っていただいた、荒川哲男教授をはじめとする消化管内科の先輩方と河田則文教授をはじめとする肝胆膵内科の先輩方、同僚達に深く感謝いたします。