大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学

後期臨床研修プログラム

大学院について

1.臨床的研究テーマ

  • B・C型肝炎ウイルスのダイナミクスとウイルスゲノム変異の解析。
  • ウイルスDNAのヒト遺伝子への組み込みと肝発癌。
  • 肝および膵発癌とDNAエピジェネティックス。
  • 肝線維化関連遺伝子・蛋白の網羅的解析。
  • アデノウイルスを用いた肝線維化に対する遺伝子治療の開発。
  • 非アルコール性脂肪性肝炎の病態解析。

2.基礎的研究テーマ

  • B・C型慢性肝炎患者の網羅的疫学解析。
  • B型慢性肝炎の病態解析と新しい抗ウイルス療法の探索。
  • C型慢性肝炎の病態解析とインターフェロンを中心とした新しい抗ウイルス療法の検討。
  • 抗ウイルス療法や栄養療法による肝発癌予防。
  • 肝癌に対する超音波・腹腔鏡下アプローチによる治療法の開発。
  • 進行肝癌に対する化学療法の工夫。
  • 脂肪肝ならびに非脂肪性肝炎の病態解析と治療法の開発。
  • 非侵襲的肝線維化マーカーの探索。

主な最近の業績

研究活動と業績の論文一覧をご覧ください

研究面で連携している教室

分子病態学、細胞情報学、細胞機能制御学、感染防御学、都市環境病理学、病理病態学、公衆衛生学、器官構築形態学、システム神経科学、核医学

大学院・留学

後期研修終了後、大学院在籍中または修了後に留学する機会がある。

主な留学先

  • 国立がんセンター 中央病院
  • 京都大学ウイルス学研究所
  • Department of Microbiology and Immunology, University of Texas Medical Branch,Texas, USA
  • Department of Hepatology, University of Florence, Florence, Italy
  • Department of Biochemistry, Albert-Ludwig University, Freiburg, Germany
  • Department of Biochemistry, Philadelphia University, Philadelphia, USA
  • Johns Hopkins Oncology Center, Maryland , USA
  • Salk Institute, La Jolla, California, USA
  • Biochemistry Institute, Freiburg University, Germany

国内留学報告

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萩原 淳司 Atsushi Hagihara

肝胆膵内科

平成22年4月に国立がんセンター(東京都)への国内留学を終え大阪市立大学附属病院に復帰いたしました。日本でまだ数少ない臨床腫瘍学会専門医(癌の専門医)として、大阪市立大学肝胆膵内科でも癌治療に携わっております。
 大阪市立大学附属病院第3内科(消化管内科・肝胆膵内科)で、消化管と肝疾患に対する治療の基本を教わった後に大学院に進学しました。そこで医学部長(当時)であった福島昭治先生より国立がんセンター研究所に行くよう指示され、牛島俊和先生の元で膵癌の研究を開始しました。膵癌の研究は国立がんセンター中央病院肝胆膵内科の奥坂拓志先生と共同で進めました。博士号を授かった後、1年間は大阪市大病院で働きましたが、荒川哲男教授と河田則文助教授(当時)の許可を得て国立がんセンター中央病院肝胆膵内科で働くようになりました。国立がんセンター中央病院肝胆膵内科では、経皮的ラジオ波焼灼療法、経皮的エタノール注入療法、経カテーテル的肝動脈塞栓療法(放射線科と共同)、経カテーテル的肝動注化学療法(放射線科と共同)、全身化学療法、経皮経肝的胆道ドレナージ、内視鏡的胆道ドレナージ(内視鏡部と共同)、経皮的肝腫瘍生検、経皮的膵腫瘍生検に追われる毎日でした。また、癌拠点病院の業務として治験や臨床試験の計画書作成、併設されている研究所での基礎研究などを時間の合間をぬって行っておりました。特に、進行肝細胞癌に対しては、世界的な標準治療薬であるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)と日本で汎用される経カテーテル的肝動注化学療法との併用療法の多施設共同第1相臨床試験の研究事務局をしており、大阪市立大学肝胆膵内科に着任した現在も引き続き、国立がんセンター中央病院(名称変更:国立がん研究センター中央病院)、国立がんセンター東病院(名称変更:国立がん研究センター東病院)、愛知県立がんセンター中央病院、大阪府立成人病センターと共に共同研究を行っております。
 国立がんセンター(名称変更:国立がん研究センター)への国内留学で身に着けた知識、技術、人脈を日常診療に生かしたいと思っております。
 医師不足が話題になる昨今、国内留学の機会を作っていただいた、荒川哲男教授をはじめとする消化管内科の先輩方と河田則文教授をはじめとする肝胆膵内科の先輩方、同僚達に深く感謝いたします。