大阪公立大学大学院医学研究科
整形外科学Dept. of Orthopedic Surgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine

手の外科グループ

研究紹介

手の外科グループでは下記テーマに関する基礎研究を進めています。

基礎

生体吸収性材料を用いた人工神経による末梢神経の再生医療
iPS細胞移植を併用したハイブリッド型人工神経の開発
bFGFドラッグデリバリーシステムを併用した人工神経の開発
人工神経による末梢神経の癒着防止効果
人工神経を用いた断端神経腫の治療

手足の末梢神経が大きく損傷してしまった場合、別の正常な神経を移植して再建する自家神経移植が行われますが、神経を採取した部位には新たな神経障害が出てしまいます。この問題を解決するために、当グループでは神経再生誘導管(人工神経)を開発(2001年特許取得)し、10年以上にわたり研究を続けてきました。また人工神経は神経再生に加えて、神経の癒着を予防し神経障害を軽減する効果や、神経損傷による有痛性断端神経腫の疼痛を抑制する効果も併せ持っており、臨床応用への期待が益々高まっています。

現在は、iPS細胞から神経前駆細胞を分化誘導し人工神経に組み合わせることで神経再生を促進させる「ハイブリッド型人工神経」の開発に取り組んでいます。iPS細胞は皮膚の細胞から樹立可能であるため、正常神経を犠牲にしないことが最大のメリットとなります。さらにこの人工神経には、神経成長因子(線維芽細胞増殖因子(FGF)など)をドラッグデリバリーシステムとともに付加することが出来、神経再生を更に促進させることが可能となりました。これらの成果は多くの学会で評価され、これまで日本整形外科学会学術集会、基礎学術集会、日本末梢神経学会などでシンポジウムの指定演題として発表しています。
2014年に世界初のiPS細胞移植術(網膜色素上皮細胞)が日本で行われ、iPS細胞による再生医療の第一歩がスタートしました。手の外科グループでも、臨床応用へ向けて、iPS細胞と人工神経を用いた末梢神経の再生医療の研究を進めていきたいと思います。

プレスリリース

「末梢神経の保護と再生に向けて 人工神経で神経の癒着を防止」
http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2017/171020-2

「iPS細胞を用いた人工神経の長期有効性と安全性を実証」
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2014/gb2u4u-1

文献

受賞歴

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