大阪市立大学大学院医学研究科
整形外科学Dept of Orthopedic Surgery Osaka City University Graduate School of Medicine

関節外来

関節外科のご案内

  1. 年間100例前後という豊富な症例数
  2. 症状・年齢に応じた術式選択(人工関節全置換術・関節温存手術など)
  3. 小皮切による最小侵襲法(MIS)をもちいた人工股関節手術
  4. ナビゲーションを用いた人工股関節手術
  5. 大腿骨頭壊死に対する高度医療(回転骨切り術など)
  6. 変形性膝関節症に対する保存療法から手術までのトータルケア

股関節疾患について

変形性股関節症

変形性股関節症関節の軟骨が何らかの障害によりすり減ってくる病気です。日本では先天股関節脱臼の後遺症や臼蓋形成不全をベースとして発症することが多いと言われています。その他、原因が特にわからない一次性変形性股関節症、けがの後におこる外傷性変形性股関節症などがあります。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭への血行障害がおこり大腿骨頭に壊死を生じる病気です。原因としてはステロイド投与・アルコールの多量摂取があります。比較的若い人に多いため、できるだけ人工物を使用せず、関節を温存する骨切り術による治療が勧められます。

大腿骨頭壊死症(赤い矢印が壊死部分)

股関節疾患の治療

人工股関節手術

摩耗(いわゆる磨り減り)がより少ないと実験的に証明されている最新の人工関節材料を積極的に取り入れています。

人工股関節置換術

最小侵襲法(MIS)による人工股関節手術

変形の程度がひどくない場合、MISによる手術が可能です。皮膚切開が6~8cmと従来の半分以下で済み、皮膚・筋肉へのダメージが小さくすることで早期の社会復帰を目指しています。術後翌日より歩行を始め、早い人で2週間、平均的には3~4週間の入院となります。

ナビゲーションシステム

ナビゲーションシステム人工関節では、正しいインプラントの設置が重要となります。当科ではより正確な設置を達成するためナビゲーションシステムを導入しています。

変形性股関節症に対する関節温存手術

比較的年齢が若く、レントゲン上適応がある場合には積極的に骨切り術をおこなっています。基本的には関節の適合性をよくすることが目的で、キアリ骨盤骨切り術、臼蓋回転骨切り術などを行っています。症例数は年間10例未満です。

臼蓋回転骨切術

大腿骨頭壊死症に対する治療

骨が壊死で弱くなり壊れてしまうと、痛みが出てくると同時に関節が破壊されはじめます。大腿骨頭壊死症は、いかに骨を壊さずに治療していくかという点が大事です。比較的若い人の罹患が多いため、できるだけ人工物を使用せず、関節を温存する治療がすすめられます。

大腿骨回転骨切り術

年間10例程度行っています。大腿骨を切って動かし壊死の部分を体重のかからない所へ移動させ、正常な骨の部分を体重のかかる部分に移動させることにより、関節の破壊を防ぐのがこの手術の目的です。整形外科手術の中では難易度の高い手術といわれていますが当科では積極的に本術式をおこない、多くの関節を温存することに成功しています。
術後のリハビリ期間が非常に長いので、患者さんの体調や社会状況などによっては選択できない場合もあります。

大腿骨回転骨切術

人工股関節手術

すでに関節が壊れてしまっている場合、人工関節手術をおこなっています。

膝関節疾患について

変形性膝関節症

膝関節の関節軟骨がすり減って、膝の痛みと変形が来る病気です。65才以上の方の約20%にあるといわれ、女性に多く、高齢化社会を迎えた日本では一種の国民病とも言えます。
 最初の症状は椅子から立ち上がりの時の痛み、階段での痛み、正座ができない、ということが多いです。その後、関節の動きが悪くなったり、時に関節に水がたまったりして徐々に進行し、膝がO脚変形をしてきます。変形が進むと歩行距離も短くなり、歩行障害を来します。

変形性膝関節症

膝関節疾患の治療

治療には手術をしない治療(保存療法)と手術療法があります。比較的初期の変形の軽いときは保存療法で痛みをコントロールできますが、進行すると手術を受けた方がよい場合が多いです。 手術療法には大きく分けて、自分自身の関節を温存する骨切り手術と人工膝関節置換術あります。

人工膝関節全置換術

これは傷んだ軟骨・骨を人工膝関節の形に合わせて薄く削り、金属、セラミック、ポリエチレンでできた人工関節を自分の骨の上にしっかりと固定する手術です。約25年の歴史があり、日本でも年間約35000件の手術が行われています。手術治療の中で最も痛みをとる効果が高く、また変形の矯正が行え、10年間ゆるみがなく、日常生活が過ごせる可能性が95%以上あり、長期に安定した手術法です。

人工膝関節置換術

より安定した手術方法

人工膝関節の耐用年数は一般的には長いのですが、手術中適切に靱帯バランスを整えないと、術後に膝がぐらついて、早期に壊れてしまうケースがあります。このような事を回避するために、1ミリ、1度単位の精度で正確に、しかも簡便で、再現性の高い靱帯バランスを整えられる手術器具を開発しました。より安定した手術方法によって、更なる耐用年数の向上が期待されます。

術後のリハビリ

当院ではリハビリテーション部と協力してしっかりとしたメニューで取り組んでいます。術後2日目に歩行練習を開始し、ほとんどの方は術後3週間前後には一本杖で退院できます。

骨切り手術

一般には変形の比較的軽い方に適応となる手術です。利点としては自分の関節を利用できる、術前に曲がりのよい人はそれを維持しやすい、などが上げられますが、欠点としては、痛みを取る効果が人工関節に比べ劣る、術後リハビリにも時間がかかり、すぐに歩行を始めることができないなどということがあります。従って変形の強い患者さんの場合は人工関節の手術をお勧めします

関節手術の合併症について

合併症対策
術後感染

人工関節周囲は血流が乏しいなどの理由で、いったん菌が感染を起こすと非常に治りにくい性質があります。そのため、当院では感染予防策として、手術室はクリーンルームを使用し、術者も宇宙服のような特別な手術着を着用して術者から細菌が入らないようにしています。また予防的な抗生物質の全身投与を行っており、感染の可能性は0.2%程度です。早期発見/早期治療が大事です。

輸血

術中術後の回収式自己血輸血装置の使用により輸血の頻度を減少させており、通常の方であれば輸血を行うことなく手術が可能です。

深部静脈血栓症と肺梗塞の予防

できるだけ早く歩くことが一番の予防になり、積極的に早期リハビリを心がけています。また臥床中はフットポンプといわれる足の血液の流れを停滞させない装置を使用しその後は弾性ストッキングを約2週間装着、血栓予防薬の使用、静脈造影による精査などを行っており、現在まで人工関節後の肺梗塞による死亡例は経験しておりません。

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