高度な内視鏡技術を習得するために、大腸ESDと胆膵の検査と処置をそれぞれ2年間で基礎から実践まで習得するプログラムです。
当プログラムの目的は大腸腫瘍および胆膵疾患の内視鏡診断および内視鏡治療を高度な専門性をもって実践する医師を育成することです。また、学会活動や臨床研究に関しても積極的におこなって頂きます。単に技術のみでなく、患者さんにこの先生に治療してもらってよかったと思ってもらえるように、誠意ある医師になるように指導していきます。
卒後5年以上の先生を対象とします。
履歴書、業績、検査や処置の経験数及び面接によって審査を行い、各プログラム1名ずつ
症例数の豊富な当院にて、胃ESDよりさらにステップアップし技術を習得したい、増加傾向である大腸腫瘍の内視鏡診断や内視鏡治療を専門的に行なうプログラムです。
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高度な知識と技術を要する胆膵のERCP,EUS,EUS-FNA等を集中的に学べるプログラムです。
→ページ下部に詳細を掲載
担当 医局長 田中 史生(たなか ふみお)
メール:Shoukakinaika@med.osaka-cu.ac.jp
電話:06-6645-3811
2年間のカリキュラム内で下記Step 4までの習得を目指すが、Step 3もしくは4の早い段階までに胃ESD(約30例)の経験を積んでおくことが望ましい。
Step 1: 大腸腫瘍に関する基礎知識(臨床病理学的特徴、通常/拡大内視鏡診断、ミクロ/マクロ病理診断、内視鏡治療適応、内視鏡治療法の選択基準)を習得する。
Step 2: 安定した下部消化管内視鏡(CS)の挿入・観察と大腸ESDの介助技術を習得する。
Step 3: 大腸腫瘍の通常/拡大内視鏡観察、polypectomy/EMRを習得する。
Step 4: インフォームドコンセントを取得の上、約30例の大腸ESDを経験・習得する。
大腸腫瘍に関する基礎知識の習得
教科書、大腸癌取扱い規約、文献をベースに下記項目に関する知識を習得する。
安定したCSの挿入・観察技術と大腸ESDの介助技術の習得
自分がESDを施行している姿をイメージしながら上級者の挿入や介助を積極的に見学し、下記項目に関する知識と技術を習得する。
大腸腫瘍の通常/拡大内視鏡観察、polypectomy/EMRの習得
大腸ESDには本項目の習得が欠かせないことを理解し、下記項目に関する知識と技術を習得する。
インフォームドコンセントの取得と大腸ESDの習得
患者の十分なインフォームドコンセントを取得し、約30例の大腸ESDを経験することを目標に、下記項目に関する知識と技術を習得する。初期段階では、指導医がESDを開始した後、一定時間traineeに交代し、容易な手技 (良好な視野が得られた後の粘膜下層剥離など)行うなどから始め、出来栄えに応じて順次時間と手技数を増やしていく。Traineeは完遂にこだわることなく、上級医の指導との交代を素直に受け入れる余裕が必要である。自他が経験した実際のESDの動画を必ず復習し、1例1例で手技の改善点をみつけること。
ESD習得に際しては、traineeのステップアップを目指して手技の詳細な達成項目を定め、リスト化して活用する。最終的に、ESD困難病変を除くESD適応病変に対する、安全かつ許容時間内での一括完全切除の完遂を目指す。余力があればESD困難病変への対処方法に関する知識の習得も目指す。なお、本カリキュラムは、実際の運用状況や将来の内視鏡診療の風潮に応じて適宜改定するものとする。
EUSを開始するにあたり、上部・下部消化管内視鏡検査を十分に経験し、基本的な内視鏡動作が可能であることを必須とする。さらに、2か月程度は指導医、上級医が施行している介助をし、基本的な知識や解剖を理解することを必須とする。
a)検査(消化管、胆道・膵臓)
指導医、上級医の指導の下で検査を開始する。まずは、基本的な走査を行い、観察をすすめる。走査開始より5分経過しても、観察ができない場合は、指導医、上級医が交代し検査を完遂する(検査後、施行医とふりかえりを行う)。
施行医の上達に伴い、検査時間を延長する。全体の観察を20分程度で完遂することを目標とする(ただし、困難症例や病変が多い場合は除外する)。
EUSにて、基本的な知識や解剖およびEUS-FNAの適応を理解し、観察が十分に行えることを必須とする(目安は、胆膵の超音波内視鏡が50件程度)。
a)検査(消化管、胆道・膵臓)
指導医、上級医の下で検査を開始する。標的病変を描出し、穿刺位置を確認する。標的病変を描出後より5分経過しても適切な穿刺位置の確認が行えない場合は、指導医、上級医へ交代し検査を完遂する(検査後、施行医とふりかえりを行う)。まずは、粘膜下腫瘍や大きな病変から始め、上達とともに小さな病変や困難が予測される病変へ段階的に難易度を上げていくことを基本とする。
ERCPを開始するにあたり、上部・下部消化管内視鏡検査を十分に経験し、基本的な内視鏡動作が可能であることを必須とする。ERCPは、使用処置具も多彩であり、ガイドワイヤー(GW)操作が重要となる。2か月程度は基本的に指導医、上級医の介助を行い、内視鏡走査、距離感、視野のつくりかた、処置具について学ぶ。介助でない場合は、外回りで処置具の場所なども把握しておく。
a)検査
まずは、処置後もしくは以前施行されたことのある症例から開始する。内視鏡を挿入もしくは、乳頭までストレッチできなかった場合は、指導医、上級医と交代する。乳頭まで到達できた場合、内視鏡の視野を安定させ、乳頭を正面視する。十分に乳頭を観察し胆管、膵管の方向を予測した上でカニュレーションを開始する。乳頭へのカニュレーションが愛護的に行えない場合や、目的とする管腔への軸が大きくずれている場合、それが行えていたとしてもカニュレーション開始から同じ方法で10分経過した場合は、指導医、上級医へ交代する。交代した場合は、指導医、上級医が完遂する。上達に伴い、初回の症例や困難例なども経験し技術の向上をはかる。