診療と研究

難治性胃食道逆流症

胃食道逆流症 (Gastroesophageal reflux disease: GERD) とは、食道粘膜傷害を有する逆流性食道炎と、逆流症状を有するが内視鏡検査にて食道粘膜傷害を認めない非びらん性胃食道逆流症 (Non-erosive reflux disease: NERD) に分類されます。NERDにはさらに亜分類があり、逆流過敏、機能性胸やけ、真のNERDの3つに分類されます。

GERDの治療としてPPIやPotassium-competitive acid blocker (P-CAB) などの酸分泌抑制薬が用いられますが、効果が乏しいことも多いです。当科の研究によると、PPIが効かないGERDの実に約48%がP-CABも無効であり、難治性GERDの約70%が機能性胸やけによるものです。

当科では、24時間食道内インピーダンス・pH検査を行い、逆流と症状との関連性を評価することにより、難治性GERDの正確な診断が可能となります。この検査は細いセンサー付きカテーテルを鼻から挿入して、逆流情報を記録します。また場合によってはゲップとの関連性を調べたり、食道内圧検査を行うことによって食道運動障害の有無を調べます。当科では正しい診断に基づく適切な治療と、病態を解明するための研究について精力的に取り組んでいます。

最近の論文業績

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