非ホジキンリンパ腫2

2004年02月28日

未分化大細胞型リンパ腫(免疫染色CD30)




免疫組織学的にはCD30陽性であることが重要であるが、CD25、EMA、LCAが陽性となる。B細胞型であった場合にはdiffuse large B cell lymphomaに分類される。CD56がALCLの約20%で陽性となる。CD56陽性群は後述するALKが陰性であっても予後不良であり、CD56はALCLの予後不良因子(Suzuki R, et al, 2000)の一つである。
ALCLの約30〜50%にt(2;5)(p23;q35)の染色体異常が見られる。2番染色体異常が見られる。2番染色体上に存在するインスリン受容体ファミリーに属するanaplastic lymphoma kinase(ALK)遺伝子と5番染色体上に存在する核小体リン酸化遺伝子(nucleophosmin、NPM)遺伝子が染色体転座により融合遺伝子NPM/ALKを形成し、キメラタンパク質p80が形成される。




2004年02月28日

未分化大細胞型リンパ腫(免疫染色:p80)




この蛋白によりALK遺伝子の細胞内シグナル伝達に関わる部分が恒常的に発現し、リン酸化されていることがリンパ腫の発症に関与していると推察される。このp80陽性症例はALCLの約30%に認められ、その殆どが若年者である。逆に陰性例は中年〜高齢者に多く認められている。しかしALK陰性ALCLは末梢性T細胞リンパ腫あるいは腫瘍細胞の一部がReed-Sternberg細胞様の形態を示す場合にはホジキン病との鑑別が問題となる。従ってT/null細胞型がALK陰性ALCL、B細胞型ならばホジキン病と診断される。
予後については陰性例の5年生存率が約30%に対し、陽性例は70%と陽性例の方が有意に予後良好であった。







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